2010年8月3日、プロツアーチーム・サクソバンクを率いるビャルヌ・リース監督がデンマーク・コペンハーゲンで記者会見を開き、サクソバンク社が2011年も継続的にリースサイクリングのスポンサーに就くこと、そしてツール・ド・フランス覇者アルベルト・コンタドール(スペイン)と契約を結んだことを発表した。

サクソバンクのビャルヌ・リース監督サクソバンクのビャルヌ・リース監督 photo:Makoto Ayanoチーム公式サイトによると、2008年のシーズン中盤からチームサポートを開始し、2009年からメインスポンサーを務めているデンマークのサクソバンク社が、2011年も継続的にリースサイクリング(チーム運営会社)をサポートする。

すでにチームはアメリカのソフトウェア会社サンガード社とスポンサーに獲得済みであり、二社が揃ってメインスポンサーに名を連ねる。チームの正式名称は「サクソバンク・サンガード・プロフェッショナル・サイクリングチーム」に変更される。

プレスリリースの中でリース監督は「サクソバンク社とサンガード社をパートナーに迎え入れることに大きな喜びを感じている。二社の出資により、チームの未来は明るい。今後もロードレース界における地位を保ち、高い競技レベルを維持することが出来る」とコメント。これからのチームの発展に自信を見せた。

3度目の総合優勝を遂げたアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)3度目の総合優勝を遂げたアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) photo:Makoto Ayano今回コペンハーゲンで開かれた記者会見でスポンサー契約以上に注目を集めたのが、新チームリーダーの発表、そう、世界最強のオールラウンダーと称されるアルベルト・コンタドール(スペイン)のチーム合流だ。

今年のツール・ド・フランスでサクソバンクのアンディ・シュレクとバトルを繰り広げ、3度目の総合優勝を果たしたコンタドールがリース監督のもとで走る。契約は2012年までの2年間。これまでグランツールでチームリーダーを務めたシュレク兄弟(ルクセンブルク)は2人揃ってチームを離脱し、新チームを結成する予定だ。

シュレク兄弟に代わる新リーダーを獲得したリース監督はプレスリリースの中で「アルベルトはワールドクラスのライダーだ。彼をチームに迎え入れ、2年間共に闘うことを誇りに思う。ツール・ド・フランス3勝やワールドランキングトップの成績は、彼がこれからもトップに君臨し続けることを意味している。アルベルトは強靭で忠誠心の強いチームメイトに守られ、来シーズンのレースに挑む。そして素晴らしい成績を収めると信じている」と述べた。

来シーズンはイェンス・フォイクト(ドイツ)やスチュアート・オグレディ(オーストラリア)を始めとする重要なアシストたちがシュレク兄弟の新チームに合流すると見られており、グランツールでコンタドールを支えるアシスト体制の強化は急務。チームに合流する選手として、リーナス・ゲルデマン(ドイツ)らの名前が挙がっている。2011年まで契約が残っているファビアン・カンチェラーラ(スイス)はチームに残留する見通し。

これまでジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャ、パリ〜ニース、スペイン選手権など、グランツールを中心に名立たるタイトルを総なめにしているコンタドールは、プレスリリースの中で「リースサイクリングと2年契約を結び、興奮を覚えている。チームのユニークな理念や精神、そして揺るぎないスポンサーやチーム体制に加わることを心待ちにしている。歴史的にも、リースサイクリングは数々の成功を収めてきた。これからもロードレース界において非常に大きな役割を担うチームになるだろう」とコメント。新天地での更なる活躍に注目が集まる。

text:Kei Tsuji
photo:Makoto Ayano