オランダが制圧したロードヨーロッパ選手権女子エリートロードレース。スロベニアが舞台のレースでデミ・フォレリング(オランダ)が14.6kmを独走し、大会史上初の連覇を達成。ロード世界選手権に続き、欧州選手権でも王者に輝いた。



1週間前に獲得したアルカンシエルで初レースに臨んだデミ・フォレリング(オランダ) photo:CorVos

カナダのモントリオールで行なわれたロード世界選手権女子エリートのちょうど一週間後、10月3日にスロベニアでロードヨーロッパ選手権が行なわれた。コースは首都リュブリャナから北西にあるシェンチュルまでの130km。大半は山間を抜ける平坦路だが、終盤は22kmのコースを2周し、モジュヤンツァと呼ばれる登りを越えるため、クライマー向きのレイアウトと目された。

レースではカリーナ・シュレンプ(オーストリア)とマルゴ・ファンパクテンベーケ(ベルギー)が抜け出し、メイン集団は、前回覇者でロード世界選手権でも初優勝を飾ったデミ・フォレリングを擁するオランダが牽引した。特にロレーナ・ウィーベスの牽引は強烈で、イタリアやスイス、ポーランドもペースメイクに協力。平坦路を終え、最初のモジュヤンツァの登りに入る前に逃げ集団を捉えた。

逃げを打ったカリーナ・シュレンプ(オーストリア)とマルゴ・ファンパクテンベーケ(ベルギー) photo:CorVos

2024年覇者のウィーベスが役割を終えて下がると、同じオランダチームのフェムケ・デフリースが登りでハイペースを刻んだ。そのため多くの選手が脱落し、先頭に残ったのはわずか7名の優勝候補だけとなった。

登りでマーレン・ロイサー(スイス)、下りでカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド)が攻撃を仕掛けたものの、いずれも決まらなかった。しばらく膠着状態が続いた後、セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク)とフランシスカ・コッホ(ドイツ)が先頭集団を形成する。後続のプロトンは17名まで膨らみ、5名を擁するオランダが再びペースを作ると、2名を引き戻した。リアヌ・リッパート(ドイツ)のアタックは不発に終わり、最後の登りでは再びデフリースが牽引を始めた。

プック・ピーテルセの牽引から飛び出したデミ・フォレリング(オランダ) photo:CorVos

このペースにロイサーはついていくことができず、5名まで絞られた集団を今度はプック・ピーテルセ(オランダ)が牽き始める。そのペースはやはり強烈で、背後につけたのはフォレリングとニエウィアドマだけだった。そして残り14.6km地点でフォレリングが飛び出すと、頂上を越え、下り、平坦路に入っても誰も追いつくことはできず、フォレリングが独走で連覇を達成した。

14.6kmの独走で連覇を達成したデミ・フォレリング(オランダ) photo:CorVos

文字通り、オランダがチーム一丸となってつかんだヨーロッパ王者の称号。フォレリングは「勝つことが本当に好きで、飽きることがない。自分にとって大切なのは勝つことだけではなく、自分を高め、毎日成長し続けること」と語り、ロード世界選手権のアルカンシエルを着用するなかで、欧州王者のタイトルを獲得した喜びを語った。

また「今日はプック(ピーテルセ)が素晴らしい走りで2位に入った。彼女の努力を誇りに思う」と話した通り、2位にはピーテルセが入り、ロイサー、ロンゴボルギーニとのスプリントを制した。ロイサーが3位に続き、世界選手権で2位だったニエウィアドマは終盤に落車し、6位でレースを終えている。

ピーテルセとワンツーフィニッシュを達成したデミ・フォレリング(オランダ) photo:CorVos

2016年にアンナ・ファンデルブレッヘンが初代王者に輝いて以降、2018年のマルタ・バスティアネッリ(イタリア)を除き、オランダ勢は11大会中10大会で優勝。8年連続でタイトルを獲得し、フォレリングは大会史上初の連覇を達成した。
ロードヨーロッパ選手権2026 女子エリートロードレース結果
1位 デミ・フォレリング(オランダ) 3:10:33
2位 プック・ピーテルセ(オランダ) +0:05
3位 マーレン・ロイサー(スイス)
4位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)
5位 アントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ) +0:15
6位 カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド) +0:45
7位 ジュリエット・ベルテ(フランス) +0:59
8位 フランシスカ・コッホ(ドイツ) +1:55
9位 ウソア・オストラサ(スペイン)
10位 フェムケ・デフリース(オランダ) +1:56
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos