1級山岳フィニッシュで逃げ切りが決まったブエルタ・ア・エスパーニャ第7ステージ。ノルウェー国王ハーラル5世が死去した日に、前ノルウェー王者のアンドレアス・レックネスン(ウノエックス・モビリティ)が勝利し、トビアス・ヨハンネセンとワンツーフィニッシュを決めた。
第7ステージ 8月28日(金)
ヴァル・ダルバ〜アラモン・バルデリナレス 149.8km(山岳)

この日のマイヨロホを着てレースに臨むタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

第7ステージ ヴァル・ダルバ〜アラモン・バルデリナレス image:A.S.O. 敗れながらもエンリク・マス(スペイン、モビスター)が未舗装路坂で目を見張る登坂を披露した第81回ブエルタ・ア・エスパーニャ。その翌日である第7ステージの舞台は、149.8kmと比較的短い距離に5つのカテゴリー山岳が詰め込まれた山頂フィニッシュ。本格的な登坂バトルの幕開けとなるのは、残り24.6kmから始まる2級山岳プエルト・デ・サンラファエル(距離11.1km/平均4.3%)から。最後は1級山岳アラモン・バルデリナレス(距離9.8km/平均5.9%)にフィニッシュする。
この日の朝、ノルウェー国王ハーラル5世が死去したため、スタートを待つ選手たちの先頭にはノルウェー籍であるウノエックス・モビリティの選手や、他チームのノルウェー出身の選手たちが並び、追悼の黙祷が捧げられた。アクチュアルスタートの旗が振られるとすぐ、繰り下げでマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着るワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が飛び出す。それにすかさずアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が反応し、遅れてミラン・ファデル(オランダ、ピナレロQ36.5プロサイクリング)も合流した。

序盤に形成されたワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)ら3名による逃げ集団 photo:A.S.O.
しかしファデルが遅れ、入れ替わるようにトビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)ら3名が合流。その後方では逃げたい選手たちによるアタックが繰り返され、25名という大所帯の追走集団が形成される。その後レースは落ち着き、残り60kmでアラモン・バルデリナレスが位置するアラゴン州に入った時点で、先頭5名は追走集団に1分30秒のリードを得て、メイン集団に対しては4分半のタイムギャップを作った。
第7ステージで先頭集団を形成した5名
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)
エディ・ダンバー(アイルランド、ピナレロQ36.5プロサイクリング)
アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、NSNサイクリングチーム)
アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)
トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)

その後、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、NSNサイクリングチーム)らが合流して先頭集団は5名になった photo:A.S.O.

先頭を追いかける追走集団 photo:CorVos

逃げに勝利を譲ったプロトン photo:CorVos
レースも後半に入り、3級山岳アルト・フエンテ・デ・ルビエロスに入ると、現役最後のブエルタを走るペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)とヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)がペースを上げる。しかしそれ以外の選手たちとの協調が取れず、縮小傾向にあった先頭5名とのタイム差は、2級山岳プエルト・デ・サンラファエルに入る頃に再び1分半まで広がっていた。
この2級山岳に入る少し前、ようやく訪れた中間スプリントではファンアールトがトップ通過。狙い通り20ポイントを獲得し、ランキングトップのタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)との差を縮める。そして先頭を行く5名は、いよいよ山頂にフィニッシュラインが引かれた1級山岳アラモン・バルデリナレス(距離9.8km/平均5.9%、最大勾配13%)に入った。

最終山岳でアタックしたアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) photo:A.S.O.
フィニッシュまで残り7.5km地点。先頭集団に唯一2名を送り込んでいたウノエックス・モビリティから、前ノルウェー王者であるレックネスンが飛び出す。それに現役最後のグランツールでの勝利が欲しいルツェンコが追走するものの、背後にヨハンネセンがぴったりとつく。左腕に黒の喪章をつけたレックネスンは、苦しみに時折身体をねじりながらも登っていき、後続ではルツェンコが遅れ、一定のペースで踏み続け2番手に上がったファンアールトの背後にもヨハンネセンがつき、間接的にレックネスンをアシストした。
そしてレックネスンは信じられないというように頭を何度も振りながら、観客が取り囲む頂上のフィニッシュ地点に到着。今年5月のジロ・デ・イタリアでは3度の区間2位に入りながら、届かなかったグランツールで初の区間優勝を手に入れた。

グランツールで自身初のステージ優勝を果たしたアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) photo:CorVos

勝利を喜ぶアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) photo:CorVos
「この勝利が自分にとって何を意味するのか、うまく言葉にするのは難しい。こんなに感情が込み上げてくるとは思っていなかった」とレース直後に語ったレックネスン。「最後の登りでは、僕たちのどちらかが抜け出す形にしたかった。トビアス(ヨハンネセン)が僕の背後から離れ、僕に勝つチャンスを与えてくれた。本当に誇らしいし、彼には感謝している」と、16年ぶりにノルウェーにもたらした勝利を振り返った。
レックネスンから遅れること34秒後、区間2位でフィニッシュしたのはチームメイトのヨハンネセン。ノルウェー国王ハーラル5世が死去した日に、遠く離れたスペインの地でノルウェー人選手がワンツーフィニッシュを決めた。
区間3位にはファンアールトが入り35ポイントを獲得。その結果、ファンアールトはポイント賞ランキングでポガチャルを抜き、着用するマイヨプントスを自らのものにした。

プロトンを飛び出し、ライバルたちにタイム差をつけたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

マイヨプントスのランキングで首位に立ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

この日もマイヨロホのリードを広げたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.
そして総合上位勢による戦いは、アタックしたポガチャルが4分23秒遅れの区間19位でフィニッシュ。ポガチャルの動きに唯一食らいついたフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)が6秒遅れでレースを終え、マスはポガチャルから16秒遅れだった。
第7ステージ 8月28日(金)
ヴァル・ダルバ〜アラモン・バルデリナレス 149.8km(山岳)


この日の朝、ノルウェー国王ハーラル5世が死去したため、スタートを待つ選手たちの先頭にはノルウェー籍であるウノエックス・モビリティの選手や、他チームのノルウェー出身の選手たちが並び、追悼の黙祷が捧げられた。アクチュアルスタートの旗が振られるとすぐ、繰り下げでマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着るワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が飛び出す。それにすかさずアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が反応し、遅れてミラン・ファデル(オランダ、ピナレロQ36.5プロサイクリング)も合流した。

しかしファデルが遅れ、入れ替わるようにトビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)ら3名が合流。その後方では逃げたい選手たちによるアタックが繰り返され、25名という大所帯の追走集団が形成される。その後レースは落ち着き、残り60kmでアラモン・バルデリナレスが位置するアラゴン州に入った時点で、先頭5名は追走集団に1分30秒のリードを得て、メイン集団に対しては4分半のタイムギャップを作った。
第7ステージで先頭集団を形成した5名
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)
エディ・ダンバー(アイルランド、ピナレロQ36.5プロサイクリング)
アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、NSNサイクリングチーム)
アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)
トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)



レースも後半に入り、3級山岳アルト・フエンテ・デ・ルビエロスに入ると、現役最後のブエルタを走るペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)とヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)がペースを上げる。しかしそれ以外の選手たちとの協調が取れず、縮小傾向にあった先頭5名とのタイム差は、2級山岳プエルト・デ・サンラファエルに入る頃に再び1分半まで広がっていた。
この2級山岳に入る少し前、ようやく訪れた中間スプリントではファンアールトがトップ通過。狙い通り20ポイントを獲得し、ランキングトップのタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)との差を縮める。そして先頭を行く5名は、いよいよ山頂にフィニッシュラインが引かれた1級山岳アラモン・バルデリナレス(距離9.8km/平均5.9%、最大勾配13%)に入った。

フィニッシュまで残り7.5km地点。先頭集団に唯一2名を送り込んでいたウノエックス・モビリティから、前ノルウェー王者であるレックネスンが飛び出す。それに現役最後のグランツールでの勝利が欲しいルツェンコが追走するものの、背後にヨハンネセンがぴったりとつく。左腕に黒の喪章をつけたレックネスンは、苦しみに時折身体をねじりながらも登っていき、後続ではルツェンコが遅れ、一定のペースで踏み続け2番手に上がったファンアールトの背後にもヨハンネセンがつき、間接的にレックネスンをアシストした。
そしてレックネスンは信じられないというように頭を何度も振りながら、観客が取り囲む頂上のフィニッシュ地点に到着。今年5月のジロ・デ・イタリアでは3度の区間2位に入りながら、届かなかったグランツールで初の区間優勝を手に入れた。


「この勝利が自分にとって何を意味するのか、うまく言葉にするのは難しい。こんなに感情が込み上げてくるとは思っていなかった」とレース直後に語ったレックネスン。「最後の登りでは、僕たちのどちらかが抜け出す形にしたかった。トビアス(ヨハンネセン)が僕の背後から離れ、僕に勝つチャンスを与えてくれた。本当に誇らしいし、彼には感謝している」と、16年ぶりにノルウェーにもたらした勝利を振り返った。
レックネスンから遅れること34秒後、区間2位でフィニッシュしたのはチームメイトのヨハンネセン。ノルウェー国王ハーラル5世が死去した日に、遠く離れたスペインの地でノルウェー人選手がワンツーフィニッシュを決めた。
区間3位にはファンアールトが入り35ポイントを獲得。その結果、ファンアールトはポイント賞ランキングでポガチャルを抜き、着用するマイヨプントスを自らのものにした。



そして総合上位勢による戦いは、アタックしたポガチャルが4分23秒遅れの区間19位でフィニッシュ。ポガチャルの動きに唯一食らいついたフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)が6秒遅れでレースを終え、マスはポガチャルから16秒遅れだった。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2026第7ステージ結果
| 1位 | アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | 3:49:47 |
| 2位 | トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | +0:34 |
| 3位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:47 |
| 4位 | ヤコブ・オムルゼル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:58 |
| 5位 | フアン・ロドリゲス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | +1:13 |
| 6位 | イバン・ソーサ(コロンビア、エキポ・ケルンファルマ) | +1:16 |
| 7位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、NSNサイクリングチーム) | +1:44 |
| 8位 | エディ・ダンバー(アイルランド、ピナレロQ36.5プロサイクリング) | +1:51 |
| 9位 | レオ・ビジオー(フランス、デカトロンCMA CGM) | +1:53 |
| 10位 | ラウル・ガルシア(スペイン、モビスター) | +2:14 |
| 19位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | +4:23 |
| 20位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +4:29 |
| 21位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +4:39 |
マイヨロホ(個人総合成績)
| 1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 19:32:37 |
| 2位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +3:50 |
| 3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +4:50 |
| 4位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +5:01 |
| 5位 | セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +6:05 |
| 6位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | +6:06 |
| 7位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +6:12 |
| 8位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +7:17 |
| 9位 | アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) | +7:46 |
| 10位 | グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +9:29 |
マイヨプントス(ポイント賞)
| 1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 104pts |
| 2位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 102pts |
| 3位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | 60pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞)
| 1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 29pts |
| 2位 | アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | 19pts |
| 3位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 14pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
| 1位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | 19:38:43 |
| 2位 | ヤコブ・オムルゼル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +3:48 |
| 3位 | レオ・ビジオー(フランス、デカトロンCMA CGM) | +6:07 |
チーム総合成績
| 1位 | デカトロンCMA CGM | 59:01:29 |
| 2位 | UAEチームエミレーツXRG | +12:04 |
| 3位 | ヴィスマ・リースアバイク | +20:35 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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