7月12日(日)に千葉県袖ケ浦市・袖ケ浦フォレストレースウェイにて「そでがうらサマーサイクルロードフェスタ」が開催され、QNリーグのシリーズ第2戦も併催された。レディースクラスは黑川真理子(Cinq Morceau)が、中学生クラスは佐谷輝成(#1-PRIMERA-)がゴールスプリントを制した。QNリーグ主催者からのレポートで紹介する。



サイクルクリニックでは安全にレースを走れるように装備やコース上で気を付けることなどを伝える photo:QNリーグ事務局

7月12日(日)、本格的な暑さが到来した千葉県袖ケ浦市・袖ヶ浦フォレストレースウェイにおいて、シーズン第2戦「そでがうらサマーサイクルロードフェスタ」が開催された。

本大会は株式会社マトリックス・サイクルロードレース協会東日本が主催する夏の恒例ロードレース。1周2.4kmの袖ケ浦フォレストレースウェイは、クルマやオートバイだけでなく、自転車レースでも親しまれている人気のサーキットコース。当日は曇り空ながら非常に湿度が高く、午後にはホームストレートで追い風が強まるコンディションとなった。選手たちは暑さ対策としてこまめに水分補給を行いながらレースに臨み、会場ではブース出展なども賑わいをみせた。

チームマトリックスの安原監督はジュニア強化レースのスタート前にも安全指導 photo:QNリーグ事務局

試走時間には毎回恒例のサイクルクリニックも開催され、大会ホストチーム「チーム MATRIX」の安原昌弘監督と、Qリーグ・Nリーグ実行委員会の須藤むつみが講師を担当。初めてコースを走る参加者を中心に、安全な走行方法やコース攻略のポイントについて指導をおこなった。

この大会では、QリーグとNリーグ中学生女子NWがレディースクラス、Nリーグ中学生男子Nは中学生クラスが対象レース。まずは12時45分から、レディースクラスがスタート。エントリーは9名、コース4周回=9.6kmの闘いには、表彰台の常連である黑川真理子(Cinq Morceau)や、ツール・ド・ふくしまの個人TTとロードレース女子50〜54歳部門で優勝の仲村陽子(FIETS)の名前もあった。

定刻スタートするレディースクラス photo:QNリーグ事務局

序盤で飛び出した(右から)仲村、黑川、根本の3名は後続を寄せ付けないまま最終周回へ photo:E.Takada
その3名を追うバトルマリンジャージの板垣(右)と浅見亜希子(左) photo:E.Takada


そのFIETSの仲村に至っては「沖縄県から飛行機移動が台風の影響でフライトが遅れちゃって、レース前日の夜にようやく羽田空港へ到着。その後に夜中にクルマで移動して朝、会場に着いた」といいながら「8月のニセコ(UCI グランフォンド世界選手権 2026)に向けて頑張らないと!」と午前中におこなわれた120分エンデューロに出場し、本日2つ目となるこのスタートに立っているというタフさだ。

1周目はスローペースで集団は1つのまま走っていたが、2周目に入る手前から黑川と仲村、そしてQリーグの根本香織(Team 一匹狼)の3名が集団から抜け出した。この後ろ4秒差で、NリーグNW
として唯一、出場していた板垣 美希(BELLE EQUIPE)が追っていたが、周回を重ねるごとにタイム差は6秒、15秒と先行する3名の集団から遅れてしまう。

早めに仕掛け、そのままゴールラインへ!力強く優勝を決めた黑川(中央) photo:E.Takada

そのまま先行する3名は最終周回、ゴールスプリントに入る前には黑川と仲村がさらに先行。黑川がスプリントを制し優勝し、仲村は2位に入った。その後、わずか4秒遅れで根本が入り、15ポイントを獲得。これにより現在、Qリーグのポイントリーダーである廣瀬博子(ペダリストピナレロショップ)に、あと3ポイント差と迫ることができた。

さらに、リーグでの女子選手登録増加を狙い今シーズンから新設の「女子チーム総合リーダー賞」では、Team 一匹狼の根本と同チームの増輪寧々羽の2名によるポイント獲得により、最新女子チームランキングのトップとなった。この女子だけのチームランキングは、QリーグおよびNリーグ中学生女子NW対象となっており、女子のみ同チーム名の場合、QリーグとNリーグ中学生女子 NW を総計しチームランキングを算出。

表彰式でMCノゾミ氏(中央右)に答える優勝の黑川(中央左)、2位の仲村(左)、3位の根本(右) photo:E.Takada

現在、女子チームランキングトップ Team 一匹狼に所属の根本(左)は若手の面倒見が良く慕われる選手。皆さんも女子選手を集めて女子チームトップを狙おう! photo:QNリーグ事務局
バトルマリンジャージを防衛し EXLUB賞の目録を手に笑顔の板垣 photo:E.Takada


シリーズ戦すべてのレースを対象(特別戦も含む)として、各レースでの所属チーム員全員の獲得ポイントを合計。そのレースのチームポイントとし、最終戦終了時に最もチームポイントが多かったチームを総合表彰する新制度。今からでも女子選手の皆さんにQリーグ・Nリーグ中学生女子NWへ登録いただき、シリーズ最終戦での女子チーム総合ランキング賞の獲得を狙ってほしい。

また最後まで粘って4位となり、Nリーグ中学生女子NWのポイントリーダーとなった板垣はポイントリーダー授与式で、先行した3名に対して「追いつけるとは思っていたのですが、自分が思ったよりも脚が(残って)なくて捕まえることができなかったです」と悔しそうに振り返った。その逃げの3名に入っていたTeam 一匹狼の根本選手の力強い走りについては「あんなパワーがどこから出てくるのか分からない!私も、あんなふうに走れるようになりたい」と、これからパワーを付けることを誓っていた。次回のあぶくま洞ヒルクライムは地元に近い東北地方での開催となり「ヒルクライムは得意な方なので、1位を目指せるように頑張りたいです!」と力強く宣言してくた。

板垣は、所属するBELLE EQUIPEのチームジャージに着替えて愛車を紹介してくれた photo:QNリーグ事務局

今回はレース後に、板垣選手の愛車を見せていただいた。ベルギーの名門ブランド、リドレーが誇るエアロエンデュランス・カーボンロードバイク「Fenix」でサイズは XS。15年前のバイクを譲ってもらい大事に乗っているそう。ブレーキはリムブレーキで、コンポはカンパで揃えている。ギヤはフロントがコンパクト50×34T、リアは11-30Tの11速。クランクは165mmにしており、⻑さも丁度よく無理なく乗りこなせているそう。

特にハンドル周りを、いつもメンテナンスしてもらっているという宮城県仙台市のショップ「BELLE EQUIPE」で小柄で華奢な彼女に合わせる工夫をしながら、ハンドルやブラケットのセッティングを低くすることで空気抵抗が少なくエアロフォームを取りやすくしてもらっているそうだ。

コンポはカンパニョーロ ATHENAの11速 photo:QNリーグ事務局

チェーンのメンテは勿論、高性能潤滑オイル EXLUB photo:QNリーグ事務局
ハンドル回りはコンパクトになっている photo:QNリーグ事務局


手が小さい女子選手のためブレーキに指が届きやすくするなどコンパクトにまとめている photo:QNリーグ事務局

現在は中学3年生で来年から高校生、身体の成⻑とともにパワーやスピードはさらに伸びていくはず。それに合わせて機材も進化し、より高いレベルのレースへ挑戦していくことになるだろう。大切に乗り続けてきたこの一台とともに積み重ねた経験が、次のステージでどのような走りに繋がるのか今後も期待したい。

この後はジュニア強化レースなどを挟んで、午後3時30分からはNリーグ中学生男子Nが対象の中学生クラスが28名のエントリーで、5周回=12kmのレースがスタート。

「ジュニア強化に出た時は緊張でバトルマリンジャージを着られなかった」という佐谷だが、その後の中学生レースでは気持ちを切り替えてバトルマリンでアピールする余裕も photo:QNリーグ事務局
スタートを待つ中学生レース参加選手達 photo:QNリーグ事務局

袖ヶ浦フォレストレースウェイ特有のコーナーを綺麗に立ち上がって走るメインの集団 photo:E.Takada

1周目を終えて20名となった集団のなかで、現ポイントリーダーの佐谷輝成(#1-PRIMERA-)や、ランキング2位の白須樹(TEAM YOUCAN)、そして小野 聡太(PARK)がときおり先頭に出るが、
お互いのポイント差を意識してか牽制気味となり、徐々にペースが鈍くなる。

残り2周目で PARK 小野が単独で集団から飛び出したり、最終周回で佐谷、白須、小野の3名で抜け出しを図るも再び集団は1つに戻る。そのなかでメインとなる先頭集団ではNリーグ登録選手が多く残り16名にまで減る。

⻁視眈々と進むメイン集団の先頭を引く PARK 小野とYOUCAN 白須 photo:E.Takada

ゴールスプリントで早めに仕掛けた佐谷(右から2人目)が優勝。ブラウ宗(左)は PARK 小野(左から2人目)に競り勝ち3位入賞 photo:マトリックス/キャパクリエイション

そして最終決着はゴールスプリントに。最終コーナーを立ち上がり、ゴール地点から見える範囲で集団の先頭に見えたのはバトルマリンジャージを着る佐谷の姿。その横には⻑谷川誠(ブラウ・ブリッツェン)、さらに真後ろはPARK 小野に宗息吹(ブラウ・ブリッツェン)がピッタリと付いていたが、見事に振り切って最後まで前を譲らずに佐谷が先着し優勝を果たした。

ゴール直後には汗だくになりながらも、開口一番「ホッとしました」と語るPRIMERAの佐谷。「高校の受験勉強が忙しいのでツールやジロなどのプロレースを沢山観て、研究して考えた走りをスプリントで実行してみました」とのこと。「最初に重たいギヤを入れて少し強く踏み込み、重く感じたら少しギヤを軽くし、さらに踏み切れそうなら再びギヤを重くして、とにかくタイミングを読んで走り切りゴールを取った」と日頃から研究していた成果が繋がった手応えを感じている様子だった。

バトルマリンジャージの PRIMERA 佐谷が先頭でゴールスプリントに飛び込む photo:E.Takada

優勝を決めた後、PRIMERA佐谷は如何に勝つための作戦を立てていたかを教えてくれた(右) photo:E.Takada

中学生クラスの表彰台はNリーグが独占!左から2位の⻑谷川、優勝の佐谷、3位の宗 photo:E.Takada
ブラウ・ブリッツェンの(左から)⻑谷川、斎藤時成、宗はNリーグ2年目の中学2年生トリオは練習仲間であり良きライバル photo:QNリーグ事務局


さらに表彰式ではMCノゾミ氏からの「バトルマリンジャージを着ているということもあって、マークされる存在ではあったと思うのですが」という問いかけには「今回は、あまり自分で動いたりすることができなかったので、そこは反省点だったんですが、最後は優勝できたので良かったです」とコメント。

授与式では、レースでも着用していたアールエルのヒールロックソックスの履き心地を聞くと「今まで使っていたのと違って履きやすいです」と使い心地の良さを教えてくれた。そんな佐谷は「受験で忙しく練習の時間が取れなかったので本来の自分の走りではなかったけど、ゴールスプリントまで持っていける展開を探しながら、無駄な動きをしないように走りました」と、上手くまとめられたことを語ってくれた。次回はヒルクライムレースということで「登りのレースは得意だし好きなので、自分のペースを乱されないように、しっかり走る準備をしておきたいと思います」と抱負を語った。
「履きやすくて手放せない」というヒールロックソックスを愛用するバトルマリンジャージ防衛に成功した。佐谷は、アールエル賞の目録を手に撮影に応じる photo:E.Takada

今大会のポイントリーダー授与式では、Bioracer様より「アメジストジャージ」「バトルマリンジャージ」各リーダージャージのご提供いただきました。また、Qリーグは株式会社 隼様より「アスリチューン Q リーグポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生男子Nは武田レッグウェアー株式会社様より「RxL Nリーグ中学生男子ポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生女子 NW はアイリス株式会社様より「EXLUB Nリーグ中学生女子NWポイントリーダー賞」を、それぞれ賞品ご提供いただきました。厚く御礼申し上げます。

次の第3戦は、福島県田村市滝根町のあぶくま洞で8月2日(日)に開催される「第9回あぶくま洞ヒルクライム」。1日2ステージ制という珍しい形式でおこなわれるヒルクライムレースでの活躍にもご注目いただきたい。

Nリーグの各賞授与式の締めに揃って再登場した佐谷(左)と板垣(右)の両ポイントリーダー。2人ともにバトルマリンジャージを守れるか?ご注目いただきたい photo:E.Takada

【レポート概要】
写真撮影:E.Takada、マトリックス/キャパクリエイション、QNリーグ事務局
テキスト:須藤むつみ(QNリーグ事務局)
協力:サイクルロードレース協会東日本(MATRIX)
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