2011年のジロ・デ・イタリアは北イタリア・ピエモンテ州のトリノで開幕する。初日の5月7日はチームタイムトライアル。トリノ市とレース主催者RCSスポルトが7月29日に発表した。

トリノ王宮前の広場(写真は2009年ジロ第11ステージ)トリノ王宮前の広場(写真は2009年ジロ第11ステージ) photo:Kei Tsuji今回RCSスポルトが発表を行なったのは、トリノの中心に位置する王宮(Palazzo Reale)。距離22kmの初日のチームTTは、この王宮をスタートする。

ジロ初日にチームTTが行なわれるのは2009年大会以来。当時はヴェネツィアで開幕し、チームコロンビア・ハイロードがトップタイムで優勝。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)がマリアローザに袖を通した。

ジロ・デ・イタリアの総合ディレクターを務めるアンジェロ・ゾメニャン氏ジロ・デ・イタリアの総合ディレクターを務めるアンジェロ・ゾメニャン氏 photo:Kei Tsuji来年、ジロ・デ・イタリアは「イタリア統一150周年」を祝福するため、ピエモンテ州のトリノをスタート地に選んだ。小国家が乱立していたイタリア国内を統一し、現在のイタリアが形作られたのが1861年3月17日。トリノは当時最初に首都が置かれた場所だ。

トリノが開幕地として初登場したのは1961年。もちろんこれは「イタリア統一100周年」を祝うため。当時はミゲル・ポブレ(スペイン)が第1ステージを制し、アルナルド・パンビアンコ(イタリア)が総合優勝に輝いている。

まだレース主催者RCSスポルトはコース全貌を明らかにしていないが、現在の首都ローマでフィニッシュを迎える可能性が高い。ローマは「ジロ100周年記念大会」を祝う2009年大会の終着地。当時はマリアローザを着るデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)が個人TTで転倒しながらも総合リードを守り、大会初制覇を飾った。

2012年、ジロ・デ・イタリアは初めてヨーロッパを飛び出す可能性がある。開催委員長のアンジェロ・ゾメニャン氏の希望が通れば、ジロはアメリカの首都ワシントンDCで開幕。すでにゾメニャン氏はワシントンDCを2度訪問し、アドリアン・フェンティ市長との会談を終えている。

5月の時点でゾメニャン氏は「ジロがアメリカに渡る可能性は五分五分。10月までには結論を出したい。2012年はオリンピックイヤーなので、開催地ロンドンで開幕することにも興味がある。仮にロンドン側から正式なオファーが来れば、実現に向けて協力して取り組んで行く」と語っていた。10月には来年のジロ・デ・イタリア全貌も明らかにされる予定だ。

text:Gregor Brown
photo&translation:Kei Tsuji