神奈川県相模原市で開催されたツアー・オブ・ジャパン第7ステージは、レース後半に先行した11名の集団から抜け出した3名での勝負になり、ベンジャミ・プラデス(VC福岡)が10年ぶりのステージ優勝。ポイント賞ジャージを獲得した。総合順位に変動はなく、アレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)が首位を維持している。

ツアー・オブ・ジャパン7日目のスタートライン photo:Satoru Kato
残すところ2日となったツアー・オブ・ジャパン。7日目は神奈川県相模原市の橋下公園前をパレードスタートし、東京五輪のロードレースで使用された旧小倉橋を渡り、宮ヶ瀬湖沿いに設定された1周13.8kmの周回コースを7周する計107.5kmのステージ。途中、中間スプリントポイントと山岳賞ポイントが各3回設定される。前日の第6ステージまでを終えてポイント賞、山岳賞共に僅差の争い。特に山岳賞ポイントは最終日には設定されないため最後の逆転チャンスとなり、ジャージをかけた争いが注目された。

旧小倉橋を渡って周回コースへ向かう ©︎TOJ2025

宮ヶ瀬湖沿いを行く集団 photo:Satoru Kato
リアルスタートが切られると、アタックと吸収を繰り返しながらハイペースで進行。周回コースに入っても続き、1周の平均速度が時速40kmオーバーで進行していく。

1回目のスプリントポイント、岡篤志(宇都宮ブリッツェン、写真左端)が先頭通過 ©︎TOJ2025

ニコロ・ガリッポ(JCL TEAM UKYO)が山岳賞ポイント2回の先頭通過で山岳賞をほぼ確定させる ©︎TOJ2025
その中で、ポイント賞争いで2位につける岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が、1周目と3周目に設定された中間スプリントポイントを1位と3位で通過。計6ポイントを加算し、ポイント賞トップのアレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)を抜いてバーチャルポイント賞リーダーとなる。
一方の山岳賞は、2位につけるテグシュバヤール・バッサイカン(ルージャイ・インシュアランス)が逆転を狙うも、山岳賞ジャージを着るニコロ・ガリッポ(JCL TEAM UKYO)が3回設定された山岳賞ポイントのうち2回をトップ通過して譲らず、山岳賞をほぼ確定させた。

5周目、13名の先頭集団 photo:Satoru Kato

チームメイトに護衛されるようにして集団前方に位置取るリーダージャージのアレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO) photo:Satoru Kato
2回の中間スプリントと山岳賞ポイントを終えた4周目、ベンジャミ・プラデス(VC福岡)、トマ・ルバ(キナンレーシングチーム)、香山飛龍(シマノレーシング)、ヨン・クノレ(レンべ・ラド・ネット)らが入った12名の集団が先行。今村駿介(ワンティ・NIPPO・リユーズ)が後から加わって13名の先頭集団が形成される。
メイン集団はリーダーチームのJCL TEAM UKYOがコントロール。終盤にかけて1分差まで開く。最終周回に入るとヴィクトワール広島をはじめ他チームも牽引に加わって先頭集団との差を縮める。先頭集団は11名に減ったものの、残り半周を過ぎても30秒前後の差を縮めきれない。

ヴィクトワール広島が集団を牽引して最終周回へ photo:Satoru Kato

ベンジャミ・プラデス(VC福岡)が2015年以来のステージ優勝 photo:Satoru Kato
残り3kmを切り、先頭集団からプラデス、今村、クノレの3名が抜け出す。後方に差を縮めた集団が迫る中、3名でのスプリント勝負は最終コーナーを先頭で抜けてきたプラデスが先着。2015年の南信州ステージ(現、信州飯田ステージ)以来となるツアー・オブ・ジャパンでのステージ優勝を決めた。この結果、プラデスがポイント賞ジャージも獲得し、明日の最終日を迎える。

ポイント賞はベンジャミ・プラデス(VC福岡)が獲得 photo:Satoru Kato
ベンジャミ・プラデス コメント
「久々のツアー・オブ・ジャパンでの優勝はとても嬉しい。レース中、腰の筋肉が硬くなってしまったが、このコースは休むことが出来るので今日の自分に向いていたと思う。昨日の富士山で勝つことは無理だと思っていたので、今日がラストチャンスと考えていた。
でも逃げに乗るつもりは無かったけれど、数名が飛び出したのを見て瞬時のイメージで飛び乗った。最後に3名になった時は、スプリントに強い選手もいたけれど後ろから見ていて勝てる自信はあった。もっと人数が多かったら勝てなかったかもしれないけれど、ドイツ人選手(ヨン・クノレ)が先に仕掛けたところに合わせて行った。
ポイント賞ジャージが今日の目的ではなかったけれど、明日はチーム一丸となってジャージを守れるようにベストを尽くしたい。チームの作戦はこれから考えるが、中間スプリントよりも最後のスプリントに賭けたい」

残すところ2日となったツアー・オブ・ジャパン。7日目は神奈川県相模原市の橋下公園前をパレードスタートし、東京五輪のロードレースで使用された旧小倉橋を渡り、宮ヶ瀬湖沿いに設定された1周13.8kmの周回コースを7周する計107.5kmのステージ。途中、中間スプリントポイントと山岳賞ポイントが各3回設定される。前日の第6ステージまでを終えてポイント賞、山岳賞共に僅差の争い。特に山岳賞ポイントは最終日には設定されないため最後の逆転チャンスとなり、ジャージをかけた争いが注目された。


リアルスタートが切られると、アタックと吸収を繰り返しながらハイペースで進行。周回コースに入っても続き、1周の平均速度が時速40kmオーバーで進行していく。


その中で、ポイント賞争いで2位につける岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が、1周目と3周目に設定された中間スプリントポイントを1位と3位で通過。計6ポイントを加算し、ポイント賞トップのアレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)を抜いてバーチャルポイント賞リーダーとなる。
一方の山岳賞は、2位につけるテグシュバヤール・バッサイカン(ルージャイ・インシュアランス)が逆転を狙うも、山岳賞ジャージを着るニコロ・ガリッポ(JCL TEAM UKYO)が3回設定された山岳賞ポイントのうち2回をトップ通過して譲らず、山岳賞をほぼ確定させた。


2回の中間スプリントと山岳賞ポイントを終えた4周目、ベンジャミ・プラデス(VC福岡)、トマ・ルバ(キナンレーシングチーム)、香山飛龍(シマノレーシング)、ヨン・クノレ(レンべ・ラド・ネット)らが入った12名の集団が先行。今村駿介(ワンティ・NIPPO・リユーズ)が後から加わって13名の先頭集団が形成される。
メイン集団はリーダーチームのJCL TEAM UKYOがコントロール。終盤にかけて1分差まで開く。最終周回に入るとヴィクトワール広島をはじめ他チームも牽引に加わって先頭集団との差を縮める。先頭集団は11名に減ったものの、残り半周を過ぎても30秒前後の差を縮めきれない。


残り3kmを切り、先頭集団からプラデス、今村、クノレの3名が抜け出す。後方に差を縮めた集団が迫る中、3名でのスプリント勝負は最終コーナーを先頭で抜けてきたプラデスが先着。2015年の南信州ステージ(現、信州飯田ステージ)以来となるツアー・オブ・ジャパンでのステージ優勝を決めた。この結果、プラデスがポイント賞ジャージも獲得し、明日の最終日を迎える。

ベンジャミ・プラデス コメント
「久々のツアー・オブ・ジャパンでの優勝はとても嬉しい。レース中、腰の筋肉が硬くなってしまったが、このコースは休むことが出来るので今日の自分に向いていたと思う。昨日の富士山で勝つことは無理だと思っていたので、今日がラストチャンスと考えていた。
でも逃げに乗るつもりは無かったけれど、数名が飛び出したのを見て瞬時のイメージで飛び乗った。最後に3名になった時は、スプリントに強い選手もいたけれど後ろから見ていて勝てる自信はあった。もっと人数が多かったら勝てなかったかもしれないけれど、ドイツ人選手(ヨン・クノレ)が先に仕掛けたところに合わせて行った。
ポイント賞ジャージが今日の目的ではなかったけれど、明日はチーム一丸となってジャージを守れるようにベストを尽くしたい。チームの作戦はこれから考えるが、中間スプリントよりも最後のスプリントに賭けたい」
ツアー・オブ・ジャパン2025 第7ステージ相模原 結果(107.5km)
1位 | ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル (スペイン、VC福岡) | 2時間24分29秒 |
2位 | 今村 駿介 (日本、ワンティ・NIPPO・リユーズ) | +1秒 |
3位 | ヨン・クノレ (ドイツ、レンべ・ラド・ネット) | |
4位 | キャメロン・スコット (オーストラリア、シーキャッシュXボディラップ) | +6秒 |
5位 | レナルト・フェーゲ (ドイツ、レンべ・ラド・ネット) | |
6位 | マーク・スチュワート (イギリス、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) | |
7位 | ジョルジェ・ジュリッチ (セルビア、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) | |
8位 | ディラン・ホプキンス (オーストラリア、ディラン・ホプキンス) | |
9位 | アラステア・クリスティー・ジョ ンストン (オーストラリア、シーキャッシュXボディラップ) | |
10位 | ニコロ・ガリッボ (イタリア、JCL TEAM UKYO) | |
個人総合順位(第6ステージ終了時) | ||
1位 | アレッサンドロ・ファンチェル (イタリア、JCL TEAM UKYO) | 16時間32分17秒 |
2位 | シモーネ・ラッカーニ (イタリア、JCL TEAM UKYO) | +21秒 |
3位 | ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、ヴィクトワール広島) | +1分9秒 |
4位 | マーク・スチュワート (イギリス、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) | +1分22秒 |
5位 | マティアス・ブレンホイ (デンマーク、トレンガヌ・サイクリングチーム) | +1分54秒 |
6位 | レオネル・キンテロ・アルテアガ (ベネズエラ、ヴィクトワール広島) | +2分7秒 |
7位 | ヨハネス・アダミエツ(ドイツ、レンべ・ラド・ネット) | +2分46秒 |
8位 | アドネ・ヴィレムヤン・ファン・エングレン(オランダ、トレンガヌ・サイクリングチーム) | 2分51秒 |
9位 | マクサンス・プラス(ベルギー、ワンティ・NIPPO・リユーズ) | +3分4秒 |
10位 | 金子 宗平 (日本、日本ナショナルチーム) | +3分25秒 |



ポイント賞 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル (スペイン、VC福岡)
山岳賞 ニコロ・ガリッボ (イタリア、JCL TEAM UKYO)
新人賞 マクサンス・プラス(ベルギー、ワンティ・NIPPO・リユーズ)
RTA賞 森田 叶夢(日本、日本ナショナルチーム)
チーム総合首位 JCL TEAM UKYO 49時間38分10秒
ツアー・オブ・ジャパンは明日の東京・大井埠頭でのステージで最終日を迎える。個人総合順位は首位ファンチェル、2位シモーネ・ラッカーニでJCL TEAM UKYOが占め、3位ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)に1分9秒差をつける。トラブルさえ無ければファンチェルの総合優勝は盤石と見て良いだろう。
ポイント賞争いは熾烈だ。トップのプラデス、2位ファンチェル、3位岡、4位マーク・スチュワート(ソリューションテック・ヴィーニ・ファンティーニ)までは5ポイント差しかなく、中間スプリント1回で順位が入れ替わる。ステージ優勝すればポイント賞ランキング下位からの逆転の可能性も残っており、最後まで目が離せない展開になりそうだ。
text&photo:Satoru Kato
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