長野県飯田市で開催されたツアー・オブ・ジャパン第5ステージは、残り2周から抜け出したシモーネ・ラッカーニ (イタリア、JCL TEAM UKYO)とマーク・スチュワート (イギリス、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)の勝負になり、ラッカーニが優勝。チームメイトからリーダージャージを引き継ぎ、総合首位に立った。日本勢では橋川丈(愛三工業レーシングチーム)の7位が最高位。金子宗平(日本ナショナルチーム)が総合9位を維持した。

飯田のスタートラインに揃った4賞ジャージ photo:Satoru Kato 
飯田と言えば焼肉 photo:Satoru Kato

下久堅小学校前をパレードスタート photo:Satoru Kato
ツアー・オブ・ジャパン5日目、後半戦最初のレースは「信州飯田ステージ」。長野県南部、飯田市街を見下ろす山間部に設定された1周10.8kmの周回コースを10周する120.9km。最大勾配10%の登りとテクニカルな下りを組み合わせたハードなコースはサバイバルレースの様相を見せることも。コース最高点には1級山岳が設定され、山岳賞争いを左右するステージであると同時に総合順位が入れ替わるステージでもある。

飯田市内を見下ろす周回コース photo:Satoru Kato
前夜から大雨になった地域もあったが、飯田市内は予想されたほどの雨は降らず、雲多めながらも晴れ間がのぞく1日。湿度高めの暑さの中、消耗戦になることが予想された。

序盤から先行した3名の先頭集団 photo:Satoru Kato

メイン集団はJCL TEAM UKYOがコントロール photo:Satoru Kato
リアルスタートが切られたのち3名の先行が容認される。メンバーは、テグシュバヤール・バッサイカン(ルージャイ・インシュアランス)、フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)、リアム・ウォルシュ(シーキャッシュXボディラップ)。後続のメイン集団はリーダーチームのJCL TEAM UKYOがコントロールし、3分前後の差を維持して周回を重ねる。
3周目と5周目に設定された山岳賞はバッサイカンが先頭通過し、山岳賞争いでニコロ・ガリッポ(JCI TEAM UKYO)を抜いてバーチャルトップに立つ。

山岳賞ジャージのニコロ・ガリッポと集団内で並走するアレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO) photo:Satoru Kato

6周目に形成された4名の追走集団 photo:Satoru Kato

6周目、JCL TEAM UKYOが集団を牽引して追走 photo:Satoru Kato
6周目に入ると、ダヴィデ・バルダッチーニ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)、ケイン・リチャーズ、カーター・ベトルス(以上ルージャイ・インシュアランス)、ミゲル・ハイデマン(レンべ・ラド・ネット)ら4名が追走集団を形成して先行する3名に合流。総合順位で1分以内のバルダッチーニとハイデマンが入ったこともあってかメイン集団も追走ペースを上げ、7周目に全ての先行集団を吸収する。

8周目、シモーネ・ラッカーニ (JCL TEAM UKYO)がアタック photo:Satoru Kato

追走するマーク・スチュワート(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) photo:Satoru Kato

20名まで絞られたメイン集団 photo:Satoru Kato
3回目の山岳賞をガリッポが先頭通過し、山岳賞争いトップを奪回。8周目、シモーネ・ラッカーニ (JCL TEAM UKYO)がアタックし、マーク・スチュワート (ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)、レオネル・キンテロ(ヴィクトワール広島)が追走。スチュワートのみがラッカーニに追いつき、2名が先頭で最終周回に入る。20名まで絞られた後続集団との差は30秒以上まで広がり、ラッカーニとスチュワートの勝負へ。最後はラッカーニが先行してフィニッシュ。47秒遅れのメイン集団でフィニッシュしたチームメイトのアレッサンドロ・ファンチェルを総合で9秒上回り、総合首位に立った。

後方を確認するアレッサンドロ・ファンチェル (JCL TEAM UKYO) photo:Satoru Kato

アレッサンドロ・ファンチェル (JCL TEAM UKYO)が優勝 photo:Satoru Kato
日本人選手では、7位の橋川丈(愛三工業レーシングチーム)をはじめ、金子宗平(日本ナショナルチーム)、飯田市出身の山田拓海(シマノレーシング)ら3名の日本人選手がメイン集団でフィニッシュ。金子が総合9位を維持した
シモーネ・ラッカーニ コメント

アレッサンドロ・ファンチェル (JCL TEAM UKYO)が総合首位 photo:Satoru Kato
「序盤からチームでコントロールして、後半にかけて逃げ集団との差を徐々に詰めた。終盤に自分の判断でアタックしたらスチュワートが追いついてきて、監督からは後ろの集団にリーダージャージのチームメイトがいるので前を引かなくて良いと言われたので、その指示通りに動いた。最後はロングスプリントを仕掛けて優勝できた。今日は自分の役目が回ってきてリーダージャージを獲得できたと思っている。
明日の富士山は、長い登りは得意だけれど暑さが心配。まだ難しいステージが残っているが、自分のため、チームのためにベストを尽くし、東京までリーダージャージを着ていたい」

飯田特産のシードルファイト photo:Satoru Kato



ツアー・オブ・ジャパン5日目、後半戦最初のレースは「信州飯田ステージ」。長野県南部、飯田市街を見下ろす山間部に設定された1周10.8kmの周回コースを10周する120.9km。最大勾配10%の登りとテクニカルな下りを組み合わせたハードなコースはサバイバルレースの様相を見せることも。コース最高点には1級山岳が設定され、山岳賞争いを左右するステージであると同時に総合順位が入れ替わるステージでもある。

前夜から大雨になった地域もあったが、飯田市内は予想されたほどの雨は降らず、雲多めながらも晴れ間がのぞく1日。湿度高めの暑さの中、消耗戦になることが予想された。


リアルスタートが切られたのち3名の先行が容認される。メンバーは、テグシュバヤール・バッサイカン(ルージャイ・インシュアランス)、フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)、リアム・ウォルシュ(シーキャッシュXボディラップ)。後続のメイン集団はリーダーチームのJCL TEAM UKYOがコントロールし、3分前後の差を維持して周回を重ねる。
3周目と5周目に設定された山岳賞はバッサイカンが先頭通過し、山岳賞争いでニコロ・ガリッポ(JCI TEAM UKYO)を抜いてバーチャルトップに立つ。



6周目に入ると、ダヴィデ・バルダッチーニ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)、ケイン・リチャーズ、カーター・ベトルス(以上ルージャイ・インシュアランス)、ミゲル・ハイデマン(レンべ・ラド・ネット)ら4名が追走集団を形成して先行する3名に合流。総合順位で1分以内のバルダッチーニとハイデマンが入ったこともあってかメイン集団も追走ペースを上げ、7周目に全ての先行集団を吸収する。



3回目の山岳賞をガリッポが先頭通過し、山岳賞争いトップを奪回。8周目、シモーネ・ラッカーニ (JCL TEAM UKYO)がアタックし、マーク・スチュワート (ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)、レオネル・キンテロ(ヴィクトワール広島)が追走。スチュワートのみがラッカーニに追いつき、2名が先頭で最終周回に入る。20名まで絞られた後続集団との差は30秒以上まで広がり、ラッカーニとスチュワートの勝負へ。最後はラッカーニが先行してフィニッシュ。47秒遅れのメイン集団でフィニッシュしたチームメイトのアレッサンドロ・ファンチェルを総合で9秒上回り、総合首位に立った。


日本人選手では、7位の橋川丈(愛三工業レーシングチーム)をはじめ、金子宗平(日本ナショナルチーム)、飯田市出身の山田拓海(シマノレーシング)ら3名の日本人選手がメイン集団でフィニッシュ。金子が総合9位を維持した
シモーネ・ラッカーニ コメント

「序盤からチームでコントロールして、後半にかけて逃げ集団との差を徐々に詰めた。終盤に自分の判断でアタックしたらスチュワートが追いついてきて、監督からは後ろの集団にリーダージャージのチームメイトがいるので前を引かなくて良いと言われたので、その指示通りに動いた。最後はロングスプリントを仕掛けて優勝できた。今日は自分の役目が回ってきてリーダージャージを獲得できたと思っている。
明日の富士山は、長い登りは得意だけれど暑さが心配。まだ難しいステージが残っているが、自分のため、チームのためにベストを尽くし、東京までリーダージャージを着ていたい」

ツアー・オブ・ジャパン2025 第5ステージ信州飯田 結果(120.9km)
1位 | シモーネ・ラッカーニ (イタリア、JCL TEAM UKYO ) | 3時間6分1秒 |
2位 | マーク・スチュワート (イギリス、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) | +2秒 |
3位 | ヴァレリオ・コンティ (イタリア、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) | +47秒 |
4位 | ウィリアム・ヘファナン (オーストラリア、シーキャッシュXボディラップ) | |
5位 | レオネル・キンテロ・アルテアガ (ベネズエラ、ヴィクトワール広島) | |
6位 | ディラン・ホプキンス (オーストラリア、ルージャイ・インシュアランス) | |
7位 | 橋川 丈 (日本、愛三工業レーシングチーム) | |
8位 | アレッサンドロ・ファンチェル (イタリア、JCL TEAM UKYO) | |
9位 | ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル (スペイン、VC福岡) | |
10位 | ヨハネス・アダミエツ (ドイツ、レンべ・ラド・ネット) | |
個人総合順位(第4ステージ終了時) | ||
1位 | シモーネ・ラッカーニ (イタリア、JCL TEAM UKYO) | 11時間57分39秒 |
2位 | マーク・スチュワート (イギリス、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) | +2秒 |
3位 | アレッサンドロ・ファンチェル (イタリア、JCL TEAM UKYO) | +9秒 |
4位 | マティアス・ブレンホイ (デンマーク、トレンガヌ・サイクリングチーム) | +25秒 |
5位 | ニコロ・ガリッボ (イタリア、JCL TEAM UKYO) | +44秒 |
6位 | ヴァレリオ・コンティ (イタリア、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) | +52秒 |
7位 | ディラン・ホプキンス (オーストラリア、ルージャイ・インシュアランス) | +54秒 |
8位 | ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル (スペイン、VC福岡) | +55秒 |
9位 | 金子 宗平 (日本、日本ナショナルチーム) | +56秒 |
10位 | マクサンス・プラス (ベルギー、ワンティ・NIPPO・リユーズ) | +57秒 |


ポイント賞 アレッサンドロ・ファンチェル (イタリア、JCL TEAM UKYO)
山岳賞 ニコロ・ガリッボ (イタリア、JCL TEAM UKYO)
新人賞 マクサンス・プラス(ベルギー、ワンティ・NIPPO・リユーズ)
RTA賞 橋川 丈(日本、愛三工業レーシングチーム)
チーム総合首位 JCL TEAM UKYO 35時間54分19秒
明日5月23日は、いよいよ富士山でのステージ。ふじあざみラインを登った五合目に先頭でフィニッシュした者が総合優勝に大きく近づく。日本人選手では1分未満の差で総合9位につける金子宗平のジャンプアップに期待したいところ。コースは違うが富士ヒルクライム覇者の力がどこまで通用するか?
text&photo:Satoru Kato