2024/12/16(月) - 11:15
シクロクロス全日本選手権女子エリートは前年覇者小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)がスタートから一度も先頭を譲らず独走、盤石の走りで2連覇を達成した。小林はこのレースを最後に来季はオランダでロードレースに専念するべく弱虫ペダルを離れることを話した。
宇都宮市で開催された第29回シクロクロス全日本選手権、女子エリートは2日目・日曜の明るい陽の降り注ぐ13時スタート。
レースには26人が出場。スタートダッシュでホールショットを決めたのは前年覇者小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)。砂場区間を抜けて石田唯(TRKWorks)、日吉愛華(Teamまるいち/中京大学)と渡部春雅(明治大学)の順で続く。
午前には固く凍っていた日陰のキャンバー路面はこの頃ちょうど緩みはじめていた。ドッグラン脇のキャンバーでは大半の選手がスリップするような状況に。日吉が遅れ、1周めの奥のキャンバー区間には小林、石田、渡部の3人がパックを形成して先行する。
バイクを降り、足元を滑らせながらキャンバーをこなす先頭パック。それでも小林は一度も先頭を譲ること無く先行を始め、早々と独走態勢に入る。
2周目には渡部が先行していた石田を捉え、テール・トゥ・ノーズの争いに。しかし前を行く小林との差は徐々に広がっていった。
小林の力強い走りは一向に勢いが衰えることなく安定し、タイム差を広げ続ける。まったく不安のない走りのままフィニッシュラインへ。会場にひときわ増えた応援グッズをもったファンたちの声援にハイタッチで応えながら歓喜のフィニッシュ。エリート女子での2連覇を達成した。
53秒遅れの2位にはキャンバーなど押しを強いられる区間の力強いランで石田に差をつけた渡部が、3位には渡部に16秒差をつけられた石田が入った。4位は4分遅れの日吉。6位の鵜飼知春(and more) までが同一周回フィニッシュとなったサバイバルレースだった。
小林は言う。「スリップダウンした失敗もあったんですが、踏めるところは全力で踏んでいこうと走りました。後半は落ち着いて自分の走りができたと思っています。2、3位の2人がパックになったときには少し差を詰められるかなと思いましたが、それでも落ち着いて踏み続けられました」。
今年からトレランをメインに活動しているという渡部は言う。「遅れてもジュニアのレースを観て、難しいコースに苦しんでも落ち着いて走れば挽回できると考えて、絶対に2位になろうと、落ち着いて走りました。でも小林さんとの差は大きく、一度も近づけませんでした。勝ちたいと思う気持ちが2番目だったのかな、と思います」。
3位の石田は「今日のためにやってきたけど、2人のほうが強かった。また諦めずに続けます」と涙を飲んだ。
小林あか里は来季オランダでロード活動に専念。弱虫ペダルチームは卒業
表彰式で小林は観客に向かい、来季について「これから新しい挑戦を始める」と宣言。壇上では具体的な話は避けたが、表彰式後に取材に対してその挑戦の具体像を語ってくれた。
「来年はロードでヨーロッパに行こうと思っています。日本からは離れて活動することになります。オランダのロードレースチームに所属して活動し、そこから段階を踏んでステップアップしてUCIワールドツアーのプロ選手になるというのが目標になります」。
小林が所属を予定しているのは女子エリート選手を集めてコンチネンタルチームへ送り出す活動をしているオランダのクラブチーム「MTD」。今までも弱虫ペダルサイクリングチームの選手たちが欧州遠征の際にお世話になった現地のハリーさんのサポートで実現するプランで、小林はオランダのチームに所属することになるため、現在の弱虫ペダルサイクリングチームは卒業することになるという。
宇都宮市で開催された第29回シクロクロス全日本選手権、女子エリートは2日目・日曜の明るい陽の降り注ぐ13時スタート。
レースには26人が出場。スタートダッシュでホールショットを決めたのは前年覇者小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)。砂場区間を抜けて石田唯(TRKWorks)、日吉愛華(Teamまるいち/中京大学)と渡部春雅(明治大学)の順で続く。
午前には固く凍っていた日陰のキャンバー路面はこの頃ちょうど緩みはじめていた。ドッグラン脇のキャンバーでは大半の選手がスリップするような状況に。日吉が遅れ、1周めの奥のキャンバー区間には小林、石田、渡部の3人がパックを形成して先行する。
バイクを降り、足元を滑らせながらキャンバーをこなす先頭パック。それでも小林は一度も先頭を譲ること無く先行を始め、早々と独走態勢に入る。
2周目には渡部が先行していた石田を捉え、テール・トゥ・ノーズの争いに。しかし前を行く小林との差は徐々に広がっていった。
小林の力強い走りは一向に勢いが衰えることなく安定し、タイム差を広げ続ける。まったく不安のない走りのままフィニッシュラインへ。会場にひときわ増えた応援グッズをもったファンたちの声援にハイタッチで応えながら歓喜のフィニッシュ。エリート女子での2連覇を達成した。
53秒遅れの2位にはキャンバーなど押しを強いられる区間の力強いランで石田に差をつけた渡部が、3位には渡部に16秒差をつけられた石田が入った。4位は4分遅れの日吉。6位の鵜飼知春(and more) までが同一周回フィニッシュとなったサバイバルレースだった。
小林は言う。「スリップダウンした失敗もあったんですが、踏めるところは全力で踏んでいこうと走りました。後半は落ち着いて自分の走りができたと思っています。2、3位の2人がパックになったときには少し差を詰められるかなと思いましたが、それでも落ち着いて踏み続けられました」。
今年からトレランをメインに活動しているという渡部は言う。「遅れてもジュニアのレースを観て、難しいコースに苦しんでも落ち着いて走れば挽回できると考えて、絶対に2位になろうと、落ち着いて走りました。でも小林さんとの差は大きく、一度も近づけませんでした。勝ちたいと思う気持ちが2番目だったのかな、と思います」。
3位の石田は「今日のためにやってきたけど、2人のほうが強かった。また諦めずに続けます」と涙を飲んだ。
小林あか里は来季オランダでロード活動に専念。弱虫ペダルチームは卒業
表彰式で小林は観客に向かい、来季について「これから新しい挑戦を始める」と宣言。壇上では具体的な話は避けたが、表彰式後に取材に対してその挑戦の具体像を語ってくれた。
「来年はロードでヨーロッパに行こうと思っています。日本からは離れて活動することになります。オランダのロードレースチームに所属して活動し、そこから段階を踏んでステップアップしてUCIワールドツアーのプロ選手になるというのが目標になります」。
小林が所属を予定しているのは女子エリート選手を集めてコンチネンタルチームへ送り出す活動をしているオランダのクラブチーム「MTD」。今までも弱虫ペダルサイクリングチームの選手たちが欧州遠征の際にお世話になった現地のハリーさんのサポートで実現するプランで、小林はオランダのチームに所属することになるため、現在の弱虫ペダルサイクリングチームは卒業することになるという。
女子エリート リザルト
1位 | 小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 51:51.078 |
2位 | 渡部春雅(明治大学) | +53s |
3位 | 石田唯(TRKWorks) | +1m09s |
4位 | 日吉愛華(Teamまるいち/中京大学) | +4m06s |
5位 | 椿井和佳奈(信州大学) | +6m04s |
6位 | 鵜飼知春(and more) | +7m21s |
7位 | 竹村舞葉(SHIDO-WORKS) | -2Laps |
8位 | 林口幸恵(Gufo cycleworks) | -2Laps |
9位 | 西形舞(TRC PANAMA REDS) | -2Laps |
10位 | 安藤沙弥(SHIDO-WORKS) | -2Laps |
text&photo:Makoto AYANO
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