2024/12/12(木) - 20:47
宇都宮ブリッツェンは宇都宮市内の栃木県庁で2025年体制を発表。鈴木真理が新監督に就任するほか、岡篤志、小野寺玲、秋元碧(あお)の3名が加入し12名体制とすることを明らかにした。
宇都宮ブリッツェンは恒例となった栃木県庁での新体制発表を行なった。すでに発表されている通り、ジェシット・シエッラと本多晴飛が退団。2023年からチームを率いた西村大輝監督に代わり、2017年まで宇都宮ブリッツェンに所属していた鈴木真理が新監督に就任する。そしてこの日、新たに岡篤志、小野寺玲、秋元碧の3名が加入し、史上最多の12名体制となることが明らかにされた。発表会にはコロンビアに帰国中のルーベン・アコスタを除く11名が出席した。
2025年体制は以下表の通り。
宇都宮ブリッツェンは恒例となった栃木県庁での新体制発表を行なった。すでに発表されている通り、ジェシット・シエッラと本多晴飛が退団。2023年からチームを率いた西村大輝監督に代わり、2017年まで宇都宮ブリッツェンに所属していた鈴木真理が新監督に就任する。そしてこの日、新たに岡篤志、小野寺玲、秋元碧の3名が加入し、史上最多の12名体制となることが明らかにされた。発表会にはコロンビアに帰国中のルーベン・アコスタを除く11名が出席した。
2025年体制は以下表の通り。
宇都宮ブリッツェン2025年体制
選手名(年齢) | 備考・2024年所属チーム |
---|---|
フォン・チュンカイ(36,台湾) | 2024年台湾ロード&TTチャンピオン |
谷 順成(30) | キャプテン |
沢田 時(30) | 2024年MTB/XCC,XCO全日本チャンピオン |
坂井 洋(30) | |
ルーベン・アコスタ(28,コロンビア) | |
武山晃輔(27) | |
貝原亮太(27) | |
花田聖誠(26) | |
菅野蒼羅(20) | |
小野寺 玲(29) | 新加入 ヴィクトワール広島 |
岡 篤志(29) | 新加入 JCLチーム右京 |
秋元 碧(17) | 新加入 北桑田高校在学中(25年3月卒業) |
スタッフ | |
廣瀬佳正 | ゼネラルマネージャー |
鈴木真理 | 監督 |
山崎 伶 | メカニック |
廣瀬正高 | メカニック |
細谷 桂 | マッサー |
手塚正智 | ドクター |
福田美麗 | 通訳 |
岡篤志と小野寺玲の復帰は2025年体制のトピックだろう。
岡は2019年以来6年ぶりのチーム復帰。廣瀬佳正ゼネラルマネージャーは「チームのエースとして、全日本選手権優勝を期待できる選手としてオファーした」という。一方の小野寺は2023年以来2年ぶりの復帰。当初は獲得する予定は無かったと廣瀬GMは言うが、「再生不良性貧血を患って色々と相談を受ける中で、かつてのチームの立役者でもある小野寺を放っておけなかった」と、小野寺加入の経緯を説明した。
秋元碧は宇都宮出身の17歳。中学生まで宇都宮ブリッツェンの下部組織「ブラウ・ブリッツェン」に所属。京都北桑田高校に進学し、インターハイのチームパーシュート準優勝に貢献。ジュニアの日本代表メンバーにも入った。
2025年のチームスローガンは「ワンチーム・ワンドリーム(ONE TEAM ONE DREAM)。宇都宮ブリッツェンの廣瀬佳正ゼネラルマネージャーは、「選手、サポーター、スポンサー、地域の皆さんの気持ちをひとつにし、地域型プロチームとして大きな夢に向かって進んでいこうという想いを込めて、2025年シーズンを戦っていきたい」と、スローガンについて説明した。
2025年シーズンは2月に開幕するJプロツアーや国内UCIレースへの参戦を予定。3月にはツール・ド・台湾に出場する予定で、その他にも海外レース出場を計画中という。
鈴木真理監督「小学生から育成した選手を指導するのは他では出来ない経験」
「今回監督のオファーを頂いた時、ブリッツェン・ステラ(小学生対象の育成チーム)は外せないと条件を出し、それを受け入れて頂きました。自分が育成した子供達が今大学生になる歳なので、その子達をブリッツェンに入れたいという想いがあります。小学生から見ている子達がブリッツェンでプロになり、彼らをプロとして指導して活躍する姿を見ることは、このチームでなければ出来ない経験ですからね。それがどのくらい出来るかは分からないけれど、夢がありますし、やりたくてしょうがないです。
昨年はチームとしての成績が振るいませんでしたが、2025年シーズンは岡選手や小野寺選手が戻ってきて、魅力あるラインナップになったと思います。それも監督を引き受けた理由の一つです。僕が2013年にブリッツェンに加入した時、応援してくれるファンがすごいと感じました。応援してくれないチームは選手がみじめだし可哀想ですから、ファンの応援の力を選手に経験して欲しいし、地域の皆さんに応援してもらえるチームになると思います。
2025年シーズンは、相手のチームの動きに反応して動く「後出し」のレースではなく、自分たちはこう闘って勝つんだというところを見せられるようにしたい。そういうチームを作っていきたいですね」
岡篤志「エースのプレッシャーもあるが高いモチベーションを持って臨みたい」
「2019年まで3年間在籍していましたが、他のチームに行ってからも応援してくださったファンやサポーターの人達が喜んでくれたらいいなと思います。2017年に加入した時はU23で実績も無いルーキーでしたが、海外チームにステップアップするきっかけをもらえたチームに、今度はエースとしてオファーを頂き、強い期待を寄せて頂いたのでそれに応えられるようにしたいです。
これまでのチームは強い選手が揃っていて、アシストとして長時間の集団牽引をこなさねばならないような場面が多く、小柄なこともあってチームの期待に応えられず、評価もしてもらえない部分もあったりしました。来シーズンは自分の持ち味を活かして自分の走りに専念出来る環境を頂き、プレッシャーもありますが高いモチベーションを持って臨みたいです。
廣瀬GMからは全日本選手権優勝を期待されていますが、2023年はJCLチーム右京で山本大喜をアシストしながら2位になったし、合わせていけば勝てると考えています。ずっと宇都宮に住んでいるので、ブリッツェンの選手は今年まで所属したJCLチーム右京のメンバーよりも一緒に練習している仲でもあるので、強いことはよく知っています。みんなで力を合わせれば(全日本優勝は)可能な目標だと思います」
小野寺玲「勝ってオノデライダーが復活したことを喜んでもらいたい」
「前チーム(ヴィクトワール広島)を退団することが決まった時から相談にのってもらっていたのですが、その時点でブリッツェンは2025年メンバーをほぼ確定させてしました。そこから話をつけてもらい、決まったのは11月の終わり頃でした。病気のある選手を拾ってくれるチームは無いだろうということは分かっていたし、正直引退も考えました。でも古巣に戻ってきて選手復帰のチャンスをもらえたので、いつになるかは分かりませんが応援してくれるファンの皆さんに走る姿を見せたいと思っています。
11月ほぼ1ヶ月間入院していて、現在週1回通院して投薬治療と経過観察しています。症状はひどくなく、薬で治せるレベルと聞いていますが、難病なので時間をかけて経過を見ていかないとどうなるのか分からないという状況です。いつ治ると言える状態ではなく、もしかしたら時間がかかるかもしれません。
選手としての最後を薄々考え始めている中で、病気でレースを走れなくなってそのままフェードアウトしてしまうのは、宇都宮から応援してくれた皆さんに申し訳ないし、自分としても絶対後悔が残ることになるだろうと思っていました。今回こうして宇都宮に戻ってこれたので、ファンの皆さんの前で走るだけでなく、出来れば勝ってオノデライダーが復活したことを喜んでもらいたいですね」
秋元碧「ジャパンカップを見て宇都宮ブリッツェンで走りたいと思った」
「宇都宮出身で家がチームの事務所の近くなんです。ジャパンカップを見て宇都宮ブリッツェンというチームがることを知り、いつかは走りたいと思っていました。それでブラウ・ブリッツェンに加入し、高校は自転車強豪校の京都の北桑田高校に進学しました。同じブラウ・ブリッツェンに所属していた宇都宮出身の長島慧明さんが北桑田に進学していて、話を聞いてロードレース中心に活動する北桑田に進学したいと思って決めました。
オファーを頂いたのはインターハイが終わった直後でしたが、思ったような結果を出せず落ち込んでいたところだったので、今までやってきたことが報われたと感じました。
2025年3月に高校を卒業して大学に進学する予定なので、合格したら大学と並行してブリッツェンで活動していきます。3月生まれでジュニア最終年になるので、ジュニアの全日本選手権で優勝したいです。北桑田の練習コースで開催される全日本(注)で優勝して、北桑田で育ててくれた先生方に恩返しをしたいです。そしてJプロツアーではチームがもっと勝てるようなレースをしたいです」
注:ジュニアの全日本選手権ロードは、例年京都府の美山町で開催される
text&photo:Satoru Kato
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