Q36.5プロサイクリングがトーマス・ピドコック(イギリス)の獲得を発表した。マウンテンバイク五輪連覇を達成し、元シクロクロス世界王者でもある同選手は、2日前にイネオス・グレナディアーズの退団を発表していた。



Q36.5プロサイクリングの加入が発表されたトーマス・ピドコック(イギリス)  photo:CorVos

25歳のピドコックは「ジャージを変えただけではなく、これは特別なことの始まりだ。成長を続けるチームで走るチャンスであり、素晴らしいパートナーが僕のモチベーションとなる。求める場所へたどり着くための挑戦となるが、この冒険にワクワクしている」と、Q36.5プロサイクリングのプレスリリースで語った。

またチーム加入を決断した理由を「レースが好きで、それを最優先にできることが楽しみ。チームが僕を信頼し、成功へのビジョンを共有できることが、僕の選手キャリアにとって重要だった」と話している。

一方、チーム代表であるダグラス・ライダーは「トムは情熱と競争心を体現する選手で、チームの価値観と深く共鳴している。彼には非凡な才能があり、メンバーに加わることでワールドツアーの舞台でゲームチェンジャーになることができる」と歓迎している。

Q36.5プロサイクリング photo:CorVos

Q36.5プロサイクリングはディメンションデータでGMを務めたライダーが2023年にスタートさせたスイス籍のプロチーム。元ヨーロッパ選手権王者であるジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、Q36.5プロサイクリング)を中心に、ダビ・デラクルス(スペイン)やジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア)などワールドツアーで活躍したベテラン選手が多く、平均年齢が高いことが特徴だ。

チームの活動資金を提供しているのは、ライダーと同じく南アフリカ出身の資産家アイバン・グラゼンバーグ氏。同氏は2023年にピナレロを買収しており、ピドコックはマウンテンバイクで引き続きピナレロで走る見込み。チームは2025年も引き続きスコットのバイクを使用予定だが、イネオス・グレナディアーズとピナレロの契約が2025年末に終了するため、Q36.5は将来的にバイクメーカーを変更する可能性もある。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos