長らくプロトンで活躍したミヒャエル・アルバジーニ(スイス)が、Q36.5プロサイクリングの新監督に就任することが発表された。コロナ禍の2020年に39歳で引退後、スイスナショナルチームの監督を務めてきた。



Q36.5の監督に就任したミヒャエル・アルバジーニ photo:Q36.5 Pro Cycling Team

「Q36.5プロサイクリングの監督になることができ光栄だ。ナショナルチームでの経験を活かし、より密接に選手と関わりたい。新しい挑戦を望み、野心あるこのチームの可能性に惹かれた」とアルバジーニは抱負を語った。

現役時代のアルバジーニは2003年フォナックでプロデビューすると、リクイガスやチームHTCなどの名門チームで活躍。2012年には現ジェイコ・アルウラーの創設メンバーとして加入し、同年にはボルタ・ア・カタルーニャで総合優勝を飾った。登坂力とスプリント力を兼ね備えるパンチャーとしてグランツール14回の出場を誇ると共に、2ツール・ド・ロマンディでステージ7勝など、プロ通算30勝の実績を持つ。

2020年に引退後はスイスナショナルチームの監督に就任。特に過去2年間はU23カテゴリーの監督として若手育成に注力してきた。

2012年ボルタ・ア・カタルーニャで総合優勝したミヒャエル・アルバジーニ photo:Kei Tsuji

一方、Q36.5プロサイクリングはクベカ・アソスのGMを務めたダグラス・ライダーが2023年に創設したスイス籍のプロチーム。しかし2024年はチーム創設年の7勝から後退し、5勝(うち2勝はナショナル選手権)にとどまる厳しい戦績となっていた。

この状況を打開すべく、チームは2025年シーズンに向けて補強に着手。ワールドチームで実績を積んだミラン・ファデル(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)やシュールト・バックス(オランダ、UAEチームエミレーツ)、エミルス・リエピンシュ(ラトビア、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)などベテランを獲得。さらに22歳のエネコイツ・アスパレン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)も加入し、若手の強化も図っている。アルバジーニの若手育成の実績と、補強された新戦力の融合に期待が高まる。

text:Sotaro.Arakawa