モビスターが21歳から25歳までのスペイン人若手5名と、2028年までの長期契約を締結したことを発表。今季8勝と苦戦を強いられたモビスターが、未来を見据えた一手を打ち出した。



ロード世界選手権2024男子U23タイムトライアルを制したイバン・ロメオ(スペイン) photo:CorVos

注目すべき選手の1人がチーム最年少の21歳イバン・ロメオだ。スペイン出身ながらアメリカの名門育成チーム・ハーゲンスバーマン・アクセオンで経験を積み、2023年にモビスターでプロデビュー。クラシックレース中心だった昨季から、今年はステージレースを転戦し、9月のロード世界選手権U23タイムトライアルで見事な優勝を飾った。

24歳のペラヨ・サンチェスは、すでに結果を残し始めている逸材。ブルゴスBHから今季加入したクライマーは、1月のトロフェオ・ポレンサ(UCI1.1)で移籍後初勝利を挙げ、初挑戦したジロ・デ・イタリアでは未舗装路が登場した第6ステージで、ジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ)との一騎打ちを制す。第19ステージでも2位に入るなど、グランツールでの実力を見せつけた。

ジロ・デ・イタリアでステージ優勝したペラヨ・サンチェス(スペイン) photo:CorVos

その他の契約延長選手には、今年ツール・ド・フランスに選出されたハビエル・ロモ、8月のシルクイト・デ・ゲチョ(UCI1.1)優勝のヨン・バレネチェア、複数のプロレースでトップ10入りを果たしているカルロス・カナルが含まれる。

2025年シーズンに向けて、モビスターはすでにオールイス・アウラール(カハルラル・セグロスRGA)やナトナエル・テスファツィオン(エリトリア、リドル・トレック)の獲得を発表。さらにコロンビア人のフェルナンド・ガビリアとナイロ・キンタナとの契約も延長しており、チーム強化を着々と進めている。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos