ドノスティア・サンセバスチャンからワンデーレース3連勝中のマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)がコッパ・サバティーニで連覇達成。36kmを独走し、破竹の4連勝を決めた。



8つのワールドチームが揃ったコッパ・サバティーニ photo:Movistar Team

初開催が1952年と歴史深いコッパ・サバティーニ(正式名称はコッパ・サバティーニ・グランプレミオ・チッタ・ディ・ペッチョリ)が、ロード世界選手権を10日後に控えた9月12日(月)に開催された。クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、アルケアB&Bホテルズ)が制した前日のジロ・デッラ・トスカーナ(UCI.1.1)と同じ主催者が運営する2連戦レースであるものの、こちらはProカテゴリー(上から2つ目)のため格式が高い。

トスカーナ州ペッチョリを発着地点とするコースは最初2つの丘を越え、3つの丘が連なるコースを5周回してフィニッシュする197.6km。8つのワールドチームの中には昨年勝者のマルク・ヒルシ(スイス)を擁するUAEチームエミレーツや、サイモン・カー(イギリス)をエースに据えるEFエデュケーション・イージーポストが出場。またイタリアのワンデーレースを連戦中の留目夕陽もカーをアシストすべくスタート地点に並んだ。

ロレンツォ・ミレージ(イタリア、モビスター)ら7名の逃げ集団 photo:Team Polti Kometa

序盤にロレンツォ・ミレージ(イタリア、モビスター)ら7名の逃げグループが形成され、それをUAEの先導するメイン集団が追う形で展開する。残り37km地点から始まるムロ・ディ・ヴィア・ディ・グレタに入る頃に、逃げ集団は4名まで減る。その時点でディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)が先導するプロトンは30秒差まで迫った。

昨年末にジェイコ・アルウラーを退団し、今年5月よりコラテック・ヴィーニファンティーニに加入したアレクサンドル・バルメール(スイス)が逃げで唯一粘る。しかしプロトンからマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)が飛び出しバルメールに追いつくと、残り36km地点で単独先頭に立った。

2連覇を目指すヒルシの独走に対し、後続ではアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザクスタン)やオールイス・アウラール(ベネズエラ、カハルラル・セグロスRGA)が追いかける。しかしヒルシは一気に40秒のリードを得ると、そのままフィニッシュに飛び込んだ。

36kmの独走を決め、大会連覇を達成したマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) photo:UAE Team Emirates

コッパ・サバティーニ2024表彰台:2位グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、モビスター)、1位マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)、3位アナス・フォレーヤ(デンマーク、ジェイコ・アルウラー) photo:UAE Team Emirates

8月10日のノスティア・サンセバスチャンブルターニュクラシック・ウェストフランス(共にUCIワールドツアー)で連続勝利を挙げ、GPインダストゥリア・アルティジャナート(UCI1.Pro)からワンデーレース4連勝を飾ったヒルシ。「レースを熟知し、期待されるなかフィニッシュから距離のある地点で仕掛けたかった。単独先頭に立ったのでフルスロットルで踏み込んだ。そうしたら40秒差がつき、勝つことができた」と言うヒルシ。また母国スイスで開催されるロード世界選手権について「日曜日のラルチャーノでのレース(GPインダストゥリア・アルティジャナート)と共に、母国での世界選手権に向け自信になったよ」と意気込みを勝った。

追走集団によるスプリントで先着したグレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、モビスター)が2位に入り、ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)の6位をアシストした留目はDNFだった。
コッパ・サバティーニ2024結果
1位 マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) 4:53:00
2位 グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、モビスター) +0:28
3位 アナス・フォレーヤ(デンマーク、ジェイコ・アルウラー)
4位 クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、コラテック・ヴィーニファンティーニ)
5位 アクセル・ユエンス(フランス、TDTユニベット) +0:33
6位 ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト) +0:58
7位 マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー・プロサイクリング) +1:05
8位 オールイス・アウラール(ベネズエラ、カハルラル・セグロスRGA)
9位 ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、アルケアB&Bホテルズ) +1:12
10位 アレクサンダー・ハイェク(オーストリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
text:Sotaro.Arakawa
photo:UAE Team Emirates