小石祐馬(JCLチーム右京)がエスケープした雨の伊ワンデーでマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)が独走勝利。3連勝で世界選への弾みを付けている。



レゼンテーションに臨むJCLチーム右京の面々 photo:JCL TEAM UKYO

9月8日(日)にイタリア・トスカーナ地方で秋のイタリアワンデーレース連戦を告げる「GPインダストリア&アルティジャーナート(UCI1.Pro)」が開催。毎年3月に開催されていた伝統の大会は、今年はシーズン最後の大一番である世界選手権やイル・ロンバルディアに向けた前哨戦として催された。

レース中盤からカテゴリー山岳「フォルネロ(登坂距離2.9km/平均勾配6.4%)」を2回、「サン・バロント(登坂距離8.4km/平均勾配3.5%)」を2回登ってフィニッシュに駆け下りる厳しいレイアウトで、悪天候によって196.3kmから168.8kmにコース短縮した上で開催された。

岡篤志(JCLチーム右京)と留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)。2年前のチームメイトだ photo:JCL TEAM UKYO

昨年覇者ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)はエステバン・チャベス(コロンビア)や留目夕陽を伴っての出場。ブルガリアとイタリアレースからの連戦で臨むJCLチーム右京からも増田成幸、小石祐馬、石橋学、岡篤志、山本大喜という5人の日本人選手が参戦。レースは小石が13人の逃げグループに入って120km近い逃げを打ち、最後のサン・バロントでマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)のアタックが決まった。

逃げグループに入った小石祐馬(JCLチーム右京) photo:JCL TEAM UKYO

UAEチームエミレーツがレースをコントロール photo:JCL TEAM UKYO

最後の登坂区間で抜け出したマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)が独走勝利 photo:JCL TEAM UKYO

21秒遅れの10位に食い込んだジョヴァンニ・カルボーニ(イタリア、JCLチーム右京) photo:JCL TEAM UKYO
山本大喜(JCLチーム右京)は34位でフィニッシュ photo:JCL TEAM UKYO



「レース情報すらままならない荒れた展開だったので、登坂区間を全開で登るチーム作戦に則って走った」と言うヒルシには誰も反応できず、後方グループの追走リズムも濡れたダウンヒルでの落車によって崩壊。リスキーなダウンヒルを無事にこなしたヒルシが、サンセバスチャンブルターニュクラシックに続くワンデーレース3連勝をマークした。

チーム右京はジョヴァンニ・カルボーニ(イタリア)を10位に送り込みポイント確保。日本人選手最高位は山本の34位だった。「JCL TEAM UKYOはUCI 1.PROハイクラスの試合で展開に乗り上位に結果を残しました。これからの戦いに自信となる手応えを得た今回のレース。この経験を次に繋げていきます」とレースレポートは締め括られている。
GPインダストゥリア・アルティジャナート2024結果
1位 マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) 3:55:12
2位 トーマス・シルバ(ウルグアイ、カハルラル・セグロスRGA) +0:04
3位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) +0:09
10位 ジョヴァンニ・カルボーニ(イタリア、JCLチーム右京) +0:12
34位 山本大喜(JCLチーム右京) +1:20
70位 岡篤志(JCLチーム右京) +3:09
72位 留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト) +3:20
79位 増田成幸(JCLチーム右京) +4:52
DNF 小石祐馬(JCLチーム右京)
DNF 石橋学(JCLチーム右京)
text:So Isobe
photo:JCL Team UKYO