三重県の四日市競輪場で「チャレンジ・ザ・バンク in MIE」が6月30日(日)に開催された。スクラッチやケイリンなどトラックレーサーで参加できる部門やロードバイクでも参加できる種目も用意され、熱戦が繰り広げられた。以下、主催者からのレポートで紹介する。



三重県の四日市競輪場で「チャレンジ・ザ・バンク in MIE」が6月30日(日)に開催 (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会

行き交う自動車の心配をすることなく、ペダルを漕ぐことに全力で集中できる、トラックレース。今回、アマチュア向けのトラック競技会「第47回 チャレンジ・ザ・バンク in MIE(愛称:ちゃればん!)」が三重県四日市市、四日市競輪場(周長400m)で2024年6月30日(日)に開催された。

入門・普及のための大会が三重県で継続して開催されている「チャレンジ・ザ・バンク in MIE(愛称:ちゃればん!)」だ。専用車種「トラックレーサー(ピスト車)」でなくても普段乗っているロードバイクで気軽に参加できる部門もある。ロードバイクでの参加者向けには試走前に座学の講習から。スタッフがロードバイクとトラックレーサーのフレーム設計の違いを説明。一般路を走る設計のロードバイクのフレームは走行安定性を重視して(トラックレーサーと比較して)低重心の設計となっている。これはトラックレーサーよりペダルを路面に擦りやすいということ。

大会会場となった四日市競輪場は国道23号線沿いにあり、三重県内だけでなく各地からのアクセスも便利だ (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会
今井英樹さんに対して黙とうが捧げられた (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会


ちゃればん!に限らず東海地区のホビーレースの常連だった今井英樹さん (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会

1000mTT トラックレーサーの部、1レースで3~4人が時差スタート (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会
ロードバイクでも参加できる種目1000mTT (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会


ロードバイクは後輪がフリーホイールとなっていて、足を止めても車輪が回転するが、再び漕ぎ出す時にペダルを走路に当てやすいという。これを回避するためには推進力を与え続けるのが大事。減速もブレーキを握りながら「ペダルを踏み続ける」のだ。

今回、競技に先立ち、ちゃればんの常連参加者だった方が自転車通勤時の交通事故で先日お亡くなりになり、仲間から黙祷が捧げられた。皆が交通安全を心に刻み、今日の健闘を誓った。

参加証は東海地方の味「赤みそ」 (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会
200mフライングTT、走路の高低差を利用して加速 (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会


スクラッチは先頭交代しながら協調して周回を重ねる (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会

今回は以下の種目が行われた。
・1000m TT
全ての基本、実力の目安として全員参加で実施。日頃の鍛錬、体調の変化、天候の条件、ポジション・機材の変更などなど、「今の」自分を確かめるのに大事。今回のタイムで本日の種目の組み分けが行われることに。

・200mフライングTT
スプリントの予選。助走をつけて徐々に加速、最後にバンクを掛け下ろしてのラスト200mのタイムを競う。力強い加速は迫力がある。

・スクラッチ 6km(15周)
ゴール着順で勝敗が決まる、比較的長距離の種目。参加選手の実力が拮抗しているとゴール直前までは協調して進んでいく展開に。最後どこで相手を出し抜くか。

スタートラインに並ぶスプリントの選手たち (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会

熱戦が繰り広げられたスプリント (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会
ケイリンも実施された (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会


・スプリント
短距離種目の花形。相手の出方を伺うためにはスタンディングスティルも。静から動への変化が興味深い。
 
・ケイリン
複数人で先導を風除けにして走り、最後の1周(※)で実力勝負。

・ハンディキャップレース
通常はスタート位置を前後にずらしての同時出走での競走だが、ちゃればん!では、ハンディキャップ順に時差スタート。逃げ切るか、追いつくか、全員にチャンスがあると思うと、観る側もワクワク。

優勝者には「おいしい」金メダルを授与 (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会

「おいしい」金メダル (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会

決勝種目での優勝者にはクッキーでできた「金メダル」を授与。齧っても怒られない!

※ちゃればん!独自ルールの採用
通常のUCI、JCFのトラックレースのルールで設定された周回数と異なる種目がある。これは、大会進行の都合もあるが「様子見で牽制するより、積極的に走ってほしい」という主催者の想いから。また「ゆるい」「楽しい」がコンセプトだが、安全には厳しい一面もある大会でもある。走路での走り方、抜き方などスタッフが説明して今後の走りに活かすアドバイスが飛んでいた。また、競技プログラムはトラックレーサー、ロードバイクの順で進行。これはロードバイクの参加者が初心者との想定で、先に走るトラックレーサー達をお手本にしてほしいとのこと。

スタッフにとっても、ホルダーの勘所の取得など、トレーニングの一面も (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会

ハンディキャップレース決勝。金メダルは誰の手に? (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会

最後はスタッフ総出でスタート地点での紙雷管の破片の回収。プロ選手の仕事場をお借りしての競技会。しっかり綺麗にしてお返ししました。

生憎の天気となり、欠席・早退の選手もあり、参加者少なめの大会となったが、皆さん自分のベストをめざしてしっかり走っていたのが印象的だった。次回の告知を楽しみに、公式サイト(https://chareban-web.jimdosite.com/)をチェックしてみてはいかがだろうか。

レース終盤には雨も上がり、レース後は全員で記念撮影 (c)チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会

主催:チャレンジ・ザ・バンク in MIE実行委員会
後援:三重県自転車競技連盟、中日新聞社
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