2024/04/18(木) - 12:40
ラ・フレーシュ・ワロンヌ・ファムは「ユイの壁」の激坂バトルで決着。カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)がフォレリングとロンゴボルギーニを引き離し、初制覇と共に5年ぶりの勝利を飾った。
4月17日(水)、1998年の初開催から今年で第27回目を迎えるラ・フレーシュ・ワロンヌ・ファム(UCIワールドツアー)が開催された。男子と同じくアルデンヌクラシック3連戦(アムステル、フレーシュ、リエージュ)の真ん中にあたる本大会は、昨年より約20km長い、大会史上最長距離である146kmで争われた。
コース後半から巡る周回コースは今年もコート・デレッフ(距離2.1km/平均5%)とミュール・ド・ユイ(距離1.3km/平均9.6%)が登場。しかし道路工事によりコート・ド・シュラーブが除外されため「全く違うレースとなった」と昨年覇者デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)が語るように、例年に比べ難易度の低いレースとなった。
それでも最大勾配26%の激坂「ユイの壁」を2度登る過酷な戦いには、フォレリングがロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)と共に出場。また登りの得意なエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)やカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)も初優勝を狙うべく臨んだ。
スタート後40km地点で逃げを成立させたのはサラ・マルティン(スペイン、モビスター)ら3名。しかし一度目の「ユイの壁」にメイン集団から3分半の差で突入すると、エレナ・ハルトマン(スイス、ローランド)が遅れて先頭は2名に。それを追うメイン集団からはグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJスエズ)とパウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)が飛び出し、追走を始めた。
しかしアムステルゴールドレースを逃したSDワークス・プロタイムやキャニオン・スラムがメイン集団をハイペースで牽引したため、ブラウンとローイヤッカースを捉えられ、この日2度目のコート・デレッフ(距離2.1km/平均5%)でリーアンヌ・マルクス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が加速する。その動きにロンゴボルギーニやニエウィアドマが反応。その後もロンゴボルギーニはエリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)の加速に追従したものの、大きな動きとはならないままプロトンは逃げを捉えた。
そして元オランダ王者リーアンヌ・マルクス(ヴィスマ・リースアバイク)による攻撃も実らず、ひと塊の集団はいよいよミュール・ド・ユイ(距離1.3km/平均9.6%)に脚を踏み入れた。
登り口から先頭に出たのは2連覇を目指すフォレリング。その背後にはニエウィアドマがピッタリとつく一方で、アルカンシエルを纏うロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)は遅れてしまう。
そしてシッティングのまま踏み込むフォレリングのペースはニエウィアドマとロンゴボルギーニ以外の選手を引き離し、対照的にシッティングで身体を揺らすように踏み込むニエウィアドマが仕掛けた。
残り200mで加速したニエウィアドマにはフォレリングとロンゴボルギーニはついていけず、後ろを振り向かないままもがき続けたニエウィアドマがフィニッシュラインに到達。ポーランド人として初のラ・フレーシュ制覇を成し遂げた。
フィニッシュ後に涙を流したニエウィアドマは「この勝利が意味するものは大きい。たくさんの失敗を経験し、2位や3位を取り続けてきた。だが自分を信じる事を止めず、チームとして勝利を目指した。私の勝利が多くの人の希望となり、夢を追い続ける人たちの力となることを願っている」とコメント。
ニエウィアドマは昨年10月のグラベル世界選手権を制したものの、ロードレースでは2019年以来、実に5年振りとなる勝利を手に入れた。
一方、2連覇を目前で逃したフォレリングは「ユイの壁は嘘をつかない。レースを通して調子は良かったが、今年はカタジナ・ニエウィアドマのものだった」と相手を称え、3位のロンゴボルギーニも笑顔で表彰台に上がった。
4月17日(水)、1998年の初開催から今年で第27回目を迎えるラ・フレーシュ・ワロンヌ・ファム(UCIワールドツアー)が開催された。男子と同じくアルデンヌクラシック3連戦(アムステル、フレーシュ、リエージュ)の真ん中にあたる本大会は、昨年より約20km長い、大会史上最長距離である146kmで争われた。
コース後半から巡る周回コースは今年もコート・デレッフ(距離2.1km/平均5%)とミュール・ド・ユイ(距離1.3km/平均9.6%)が登場。しかし道路工事によりコート・ド・シュラーブが除外されため「全く違うレースとなった」と昨年覇者デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)が語るように、例年に比べ難易度の低いレースとなった。
それでも最大勾配26%の激坂「ユイの壁」を2度登る過酷な戦いには、フォレリングがロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)と共に出場。また登りの得意なエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)やカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)も初優勝を狙うべく臨んだ。
スタート後40km地点で逃げを成立させたのはサラ・マルティン(スペイン、モビスター)ら3名。しかし一度目の「ユイの壁」にメイン集団から3分半の差で突入すると、エレナ・ハルトマン(スイス、ローランド)が遅れて先頭は2名に。それを追うメイン集団からはグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJスエズ)とパウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)が飛び出し、追走を始めた。
しかしアムステルゴールドレースを逃したSDワークス・プロタイムやキャニオン・スラムがメイン集団をハイペースで牽引したため、ブラウンとローイヤッカースを捉えられ、この日2度目のコート・デレッフ(距離2.1km/平均5%)でリーアンヌ・マルクス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が加速する。その動きにロンゴボルギーニやニエウィアドマが反応。その後もロンゴボルギーニはエリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)の加速に追従したものの、大きな動きとはならないままプロトンは逃げを捉えた。
そして元オランダ王者リーアンヌ・マルクス(ヴィスマ・リースアバイク)による攻撃も実らず、ひと塊の集団はいよいよミュール・ド・ユイ(距離1.3km/平均9.6%)に脚を踏み入れた。
登り口から先頭に出たのは2連覇を目指すフォレリング。その背後にはニエウィアドマがピッタリとつく一方で、アルカンシエルを纏うロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)は遅れてしまう。
そしてシッティングのまま踏み込むフォレリングのペースはニエウィアドマとロンゴボルギーニ以外の選手を引き離し、対照的にシッティングで身体を揺らすように踏み込むニエウィアドマが仕掛けた。
残り200mで加速したニエウィアドマにはフォレリングとロンゴボルギーニはついていけず、後ろを振り向かないままもがき続けたニエウィアドマがフィニッシュラインに到達。ポーランド人として初のラ・フレーシュ制覇を成し遂げた。
フィニッシュ後に涙を流したニエウィアドマは「この勝利が意味するものは大きい。たくさんの失敗を経験し、2位や3位を取り続けてきた。だが自分を信じる事を止めず、チームとして勝利を目指した。私の勝利が多くの人の希望となり、夢を追い続ける人たちの力となることを願っている」とコメント。
ニエウィアドマは昨年10月のグラベル世界選手権を制したものの、ロードレースでは2019年以来、実に5年振りとなる勝利を手に入れた。
一方、2連覇を目前で逃したフォレリングは「ユイの壁は嘘をつかない。レースを通して調子は良かったが、今年はカタジナ・ニエウィアドマのものだった」と相手を称え、3位のロンゴボルギーニも笑顔で表彰台に上がった。
ラ・フレーシュ・ワロンヌ・ファム2024結果
1位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | 3:55:29 |
2位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +0:02 |
3位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) | +0:04 |
4位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ) | +0:07 |
5位 | アシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル) | +0:11 |
6位 | パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +0:15 |
7位 | ジュリエット・ラブース(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | +0:19 |
8位 | フェム・ファンエンペル(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:24 |
9位 | マルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJスエズ) | +0:27 |
10位 | アネ・サンテステバン(スペイン、ラボラル・クチャ・ファンダシオン・エウスカディ) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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