先日閉幕したボルタ・ア・カタルーニャで、3年振りにワールドツアーの表彰台に上がったエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)。2022年の大怪我からの歩みと、「困難だと思っていた目標を達成できた」というレース後の言葉を紹介します。



総合優勝した2021年のジロ以来、3年振りのワールドツアー総合表彰台に上がったエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) photo:A.S.O.

エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ)が母国コロンビアでの練習中に大怪我を負い、競技復帰はおろか命の危険にも瀕したのは2022年1月のこと。そこから僅か8ヶ月で実戦に復帰し、2023年はツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャの完走を含む自己最多の79レースに出場。しかし勝利はもちろん、総合でも上位に食い込むこまでには至らなかった。

そして完全復活が期待された2024年。ベルナルは1月下旬のコロンビア選手権からシーズンインすると、個人タイムトライアルで6位、ロードで3位に入る。その後もツアー・オブ・コロンビア(UCI2.1)で総合5位、そしてグラン・カミーニョ(UCI2.1)では総合3位に入る勢いのままに、パリ〜ニース(UCIワールドツアー)では総合7位と着実なステップアップを果たす。

そして3月のボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)に総合エースとして参戦したベルナル。山頂フィニッシュが設定されクイーンステージの第6ステージではタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が独走勝利を決める中、ベルナルは追走集団から飛び出し、その後合流したミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ)をスプリントで退け区間2位に。

その結果、総合3位まで順位を一気に上げ、総合優勝した2021年のジロ・デ・イタリア以来3年振りとなるワールドツアーの表彰台に上がった。

カタルーニャ6日目にランダを退け区間2位、そして総合でも3位ジャンプアップに成功したベルナル photo:CorVos

カタルーニャ最終日の終了後、表彰台で満面の笑みを見せたベルナル。「ワールドツアーで再び表彰台に戻ってくるこができた!この結果が単純に嬉しいし、チームと自分自身を誇りに思う。とても厳しい1週間だったが、皆で良い結果を掴むことができた。(総合表彰台が)チームとしての目標だったが、現実的にそれは難しいものだと思っていた。だが、僕はその目標を達成することだけを考えながら走っていた」とコメントした。

昨年、さいたまクリテリウムでシクロワイアードのインタビューに対し「トップレベルで戦うには、まだ全てが足りていない」と答え、見事その”トップレベル”に帰ってきたベルナル。この後の詳細なレース予定については明らかにされていないものの、今年はブエルタでジロ、ツールに続く総合優勝を目指す。

text:Sotaro.Arakawa

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