世界トップスプリンターや留目夕陽が出場したクラシック・ブルッヘ〜デパンヌは、ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が勝利。優勝したミラノ〜サンレモの4日後に、大会2連覇を果たした。



ミラノ〜サンレモからベルジャンクラシックに臨む留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト) photo:CorVos

スペインで開催中のボルタ・ア・カタルーニャでタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が2日連続で区間優勝した一方、ベルギーではクラシック・ブルッヘ〜デパンヌ(UCIワールドツアー)が開催された。2019年よりワールドツアーに昇格した本大会は、その名の通りベルギーのブルッヘからデパンヌを目指す202.4km。コースは石畳や急坂のない平坦路のため、今年も世界トップのスプリンターたちが集結した。

集団先頭でスタートの時を待ったのは昨年大会の覇者で、4日前のミラノ〜サンレモでモニュメント初制覇したヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)。また同じミラノ〜サンレモで完走を果たした留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)も出場し、スタート直前には「来週までベルギーで約4レース走る予定です。チームが勝ち、エースが一つでも良い順位が取れるように頑張ります」とコメントしている。

プロトンはアルペシン・ドゥクーニンクがペース作りを担った photo:CorVos

気温16度と春の訪れを感じされるスプリンターズ・クラシックで逃げたのは、今年がプロ1年目であるトマ・ガシニャール(フランス、トタルエネルジー)と2人のベルギー出身者を含む3名。それを追うメイン集団ではアルペシンがペースを作り、また昨年のツール・ド・フランス最終ステージを制したヨルディ・メーウス(ベルギー)を擁するボーラ・ハンスグローエも先頭周辺に人数を固めた。

計3周するデパンヌの周回コースに入り、徐々に位置取り争いが激しさを増すプロトンではシモーネ・コンソンニ(イタリア、リドル・トレック)とナタン・ヴァンデピット(フランス、ビンゴールWB)が落車する。しかし素早くバイク交換を済ましたコンソンニは無事メイン集団に復帰し、徐々にアドバンテージが縮まっていく逃げ集団から、ガシニャールが単独アタックした。

しかしガシニャールの単独逃げは残り10kmで捉まり、勝負は大方の予想通り集団スプリントに持ち込まれた。

デパンヌの周回コースに入った選手たち photo:CorVos

最終ストレートで先頭に立ったのはダニー・ファンポッペル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)。その背後からティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)とヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)がファンポッペルの右側から共に飛び出し、フィニッシュ手前25mでフィリプセンがメルリールを押しやるように先頭へ。

そして圧巻のトップスピードを披露したフィリプセンがメルリールとファンポッペルを退け、大会2連覇を達成した。

ファンポッペルの背後から飛び出し、先頭に立ったヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

大会2連覇を達成したヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

「最終コーナーでは自ら位置取りをし、ティム・メルリールの背後についた。(ファンポッペルの)左側から上がろうとしたが狭く、(共に右側に出た)ティムと肩と肩がぶつかってしまった。少し残念なことではあったが、良いスプリントから勝利できたので嬉しいよ」と、フィリプセンは勝利を振り返っている。

EFは勝利に絡むことができなかったものの、留目はトップと同タイムの36位でフィニッシュ。UCIポイントを5点獲得した。
クラシック・ブルッヘ〜デパンヌ2024結果
1位 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) 4:22:22
2位 ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
3位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)
4位 ジェゾン・テソン(フランス、トタルエネルジー)
5位 シモーネ・コンソンニ(イタリア、リドル・トレック)
6位 スティアン・フレッドハイム(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)
7位 フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)
8位 フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)
9位 エミリアン・ジャニエール(フランス、トタルエネルジー)
10位 ルーカ・モッツァート(イタリア、アルケアB&Bホテルズ)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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