ベルギーで開催されたエクザクトクロス第3戦で、遂にマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が激突。砂の高速コースでマチューがまだコンディションの上がらないワウトを下した。



直接対決を繰り広げるマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)の今季初となる直接対決。かつてトム・ボーネンによって主催されたロード選手のチャリティーCXレース開催地として知られるベルギー・モルの湖畔コースを舞台にした、エクザクトクロス第3戦で両雄が顔を揃えた。

翌日からの連戦を控えているため、トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)を含む多くのトップ選手が参加を見合わせたものの、ファンデルプールとファンアールトが会場を熱狂に包み込む。1周目から抜きつ抜かれつを繰り返しつつ、圧巻のパフォーマンスで後続を引きちぎった。

ファンアールトを置き去りにするマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

一騎討ちを支配したのは世界王者の証、アルカンシエルを着るファンデルプールだった。「良いペースを維持し、砂でミスしない走りができれば速く走れると分かっていた」と言うファンデルプールは、2周目のテクニカルセクションを流れるようにこなしリードを構築。「もう少しマチューと戦いたかったけど今日は無理だった」と言うファンアールトを置き去りにした。

スムーズかつ爆発的な走りで逃げるファンデルプール。途中チェーン落ちで停車するも、リードは揺るがず10周回を消化してフィニッシュへ。大歓声に包まれながら、ファンアールトを1分17秒も引き離して勝利した。

「ワウトとのレースは僕たちよりも、ファンにとって大切だったね」と言うファンデルプール。「今日は短くて速いコースレイアウトで楽しく走れたよ。ワウトはシーズン後半に向けて調整していることが分かる。賢明で論理的な判断だと思う」と加えている。

圧勝したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

「今日は上手く乗れなかった」と言うワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

拳を突き合わせる両雄。本日のW杯第9戦で再戦する photo:CorVos

一方ファンアールトは「今日はあまり上手くバイクに乗れなかった。砂区間を走るときはある程度余裕が必要だけど、今日はマチューからずっとプレッシャーを受けていたので無理だった」と、まだ本調子ではないことをコメント。「完走者が10人しか残らなかったのは僕のせいじゃない。マチューにラップアウトされなくて良かったよ」と冗談混じりにインタビューに答えている。

またこの日、このレースにチャレンジした遠藤紘介(TeensMAP)は50位、梶鉄輝(JPF)は52位。女子エリートレースではルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が勝利している。

今日開催のUCIワールドカップ第9戦には"ビッグスリー(ファンデルプール、ファンアールト、ピドコック)"が揃い踏みするほか、すでに欧州入りしている全日本王者、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が参戦。J SPORTSでライブ放送が行われる予定だ。
エクザクトクロス2023-2024第3戦 男子エリート結果
1位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) 58:27
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) +1:17
3位 ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) +2:12
4位 クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) +2:16
5位 トーン・ファンデボッシュ(ベルギー、クレラン・コレンドン) +2:32
text:So.Isobe

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