今年も全5ラウンドで争われるUCI(国際自転車競技連合)主催のトラック・チャンピオンズリーグが、スペインのマヨルカで開幕した。初参戦した橋本英也は男子スクラッチで見事優勝し、男子エンデュランスの総合リーダーに立った。



初参戦した橋本英也 photo:UCI

2021年にUCI(国際自転車競技連合)がスタートさせたUCIトラック・チャンピオンズリーグも、今年で3年目を迎えた。この「全く新しいトラックシリーズ」には世界各国のトップ選手たちが集結し、日本からは唯一男子エンデュランスに橋本英也が初参戦。スペインのマヨルカで開幕し、イギリス・ロンドンの最終ラウンドに向け、約3週間/全5ラウンドで争われる。

それぞれのラウンドで行われるのはエンデュランス(中距離)種目のスクラッチとエリミネーションと、スプリント(短距離)種目のケイリンとスプリントという合計4種目。約2時間半という短時間に予選から決勝までが詰め込まれ、そのラウンドでの優勝はもちろん、全ラウンド共通の通しゼッケンをつけた選手たちが上位15位までに与えられるポイントを競う。

そして最終第5ラウンド終了時に最もポイントが多かった選手が総合優勝に輝く。

UCIトラック・チャンピオンズリーグ2023開催日程
第1ラウンド(10月21日):マヨルカ(スペイン)
第2ラウンド(10月28日):ベルリン(ドイツ)
第3ラウンド(11月4日):サンカンタン・アン・イヴリーヌ(フランス)
第4ラウンド(11月10日):ロンドン(イギリス)
第5ラウンド(11月11日):ロンドン(イギリス)

スペイン・マヨルカで行われた第1ラウンド photo:UCI

第1ラウンドの舞台は、3年連続で開幕地となったスペイン・マヨルカ。男子スプリントの一回戦から順にレースが始まり、最初の決勝種目となった男子スクラッチに橋本が出場した。7名の逃げに乗った橋本は、そのままマーク・スチュワート(イギリス)やトゥール・デンズ(ベルギー)を抑えて先着。初出場のレースで見事勝利を掴み取った。

その後行われた男子エリミネーションでも5位でポイントを加算した橋本は、男子エンデュランスの総合首位に立った。「自分のスタイルに合う短い距離のスクラッチに良い感覚で臨むことができた。レースを通してリラックスしており、逃げに乗ってもその気持ちは変わらなかった。自分よりも強い選手相手に勝つことができたので誇りに思う。このブルーのリーダージャージを着ていることが信じられない。総合首位をキープするべくアグレッシブな走りがしたい」と喜んだ。

エリミネーションを制し、女子エンデュランスのリーダージャージを獲得したケイティ・アーチボルド(イギリス) photo:UCI

男子スプリント種目の両方を制したハリー・ラブレイセン(オランダ) photo:UCI

女子エンデュランスは東京五輪の金メダリストであるケイティ・アーチボルド(イギリス)がエリミネーションを制し、総合リーダーを獲得。また男子スプリント種目ではハリー・ラブレイセン(オランダ)が予想通り、圧巻の走りによってスプリントとケイリンで優勝して総合首位に立った。

また女子スプリント種目では東京五輪ケイリンの銀メダリストであるエレセ・アンドリューズ(ニュージーランド)がスプリントとケイリンを制覇。身長177cmの23歳が総合リーダージャージに袖を通している。


トラックCL第1ラウンド(マヨルカ)結果
男子エンデュランス種目
スクラッチ優勝:橋本英也
エリミネーション優勝:ディラン・ビビック(カナダ)
総合リーダー:橋本英也
女子エンデュランス種目
スクラッチ優勝:リリー・ウィリアムズ(アメリカ)
エリミネーション優勝:ケイティ・アーチボルド(イギリス)
総合リーダー:ケイティ・アーチボルド(イギリス)
男子スプリント種目
スプリント優勝:ハリー・ラブレイセン(オランダ)
ケイリン優勝:ハリー・ラブレイセン(オランダ)
総合リーダー:ハリー・ラブレイセン(オランダ)
女子スプリント種目
スプリント優勝:エレセ・アンドリューズ(ニュージーランド)
ケイリン優勝:エレセ・アンドリューズ(ニュージーランド)
総合リーダー:エレセ・アンドリューズ(ニュージーランド)
text:Sotaro.Arakawa
photo:UCI