1型糖尿病があるプロサイクリストで構成される「チーム ノボ ノルディスク」が今年もジャパンカップに参戦。前日金曜日には糖尿病とともに生きる人や子どもたちとの交流会を行い、大きなメッセージを伝えた。その模様と、参加したダビ・ロサノ(スペイン)のストーリーをお伝えする。



2014年からジャパンカップに連続出場しているチーム ノボ ノルディスク。全員が1型糖尿病があるプロサイクリストであり、強いメッセージを抱いて走る photo:Makoto AYANO

1型糖尿病があるプロサイクリストで構成されるプロサイクリングチームが「チーム ノボ ノルディスク」。ジャパンカップには2014年から連続出場する常連組であり、今年も「糖尿病とともに生きる人々を元気づけ、治療に積極的に取り組み、それぞれの人生の目標に向けて生きていくことを応援する」という大きなミッションを掲げて宇都宮を駆け抜けた。

ジャパンカップ前日の金曜日に、日本糖尿病協会栃木県支部とちぎヤングの会とノボ ノルディスク ファーマ株式会社によって開催されたのが選手と、糖尿病とともに生きる人や子ども達が意見を交わす交流会。チームからはダビ・ロサノ(スペイン)が出席し、診断を受けた時の様子や気持ち、そして糖尿病とともに生きてきた中での学びや気付きについて語った。

MTBから転身したダビ・ロサノ(スペイン、チーム ノボ ノルディスク) (c)CorVos

金曜日に開催された交流会。強いメッセージが発信された (c)ノボ ノルディスク ファーマ 広報事務局
チームと同じアルゴン18を使ったバーチャルサイクリング体験も (c)ノボ ノルディスク ファーマ 広報事務局



「私は自分が糖尿病である、とは考えておらず、自分が糖尿病とともにいる、世界中をレースで回る時も糖尿病とともに旅をしていると考えており、自分の人生や目標が糖尿病に支配やコントロールされているとは思っていない」と話したロサノは、1988年生まれの34歳。もともとMTB選手としてスペイン王者に輝くなど力を伸ばしたが、五輪出場を目指していた22歳のときに1型糖尿病と診断。チームに伝えた途端に契約を破棄され、選手キャリアの危機に瀕したという。

しかし現チームのCEOを務めるフィル・サザーランド氏とSNS上で繋がりを持ち、スペインでチームの意義とミッションについて説明を受け、チームに加わるよう誘われたことがロード選手としてのキャリアの始まり。父親も同様に1型糖尿病があり、その管理に苦労していたことを知る母親は診断を受けた際に強いショックを受けていたが、競技を続けられることを喜び、父親も自身の血糖管理に前向きに取り組むようになったという。

「診断された時はマウンテンバイクの選手としてオリンピック出場を目指していた時だったので、とてもショックだったけれど、そこから自分の体や健康についてたくさん学べるきっかけになったことは良かったと考えています。また、診断されたことで一緒に心配してくれた家族の大切さに気付けたこともいいことだった」とも。

「糖尿病があることが夢や目標を持つ事の障害にはならない。”Keep your dream.” 糖尿病だからという理由で夢を諦めないでほしい。自分の好きなことを続けてほしい」とメッセージを残した。

GPケベックを走るダビ・ロサノ(スペイン、チーム ノボ ノルディスク) (c)CorVos

講演後にはワフーのKICKRを使ったバーチャルサイクリング体験が行われたほか、参加者とロサノが歓談する様子も見受けられた。イベントを通じてチームのミッションを叶えた一日となった。

以下はノボ ノルディスク ファーマ社のサイトに掲載されているロサノのストーリー。全て日本語訳されており、ぜひ目を通してもらいたい。
https://www.club-dm.jp/tnn/japan-cup-members/david-lozano.html


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