ペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)のロード最終レースとなったツール・ド・ヴァンデ。8月にグルパマFDJからアルケア・サムシックに移ったアルノー・デマール(フランス)が、移籍後初勝利を飾った。



チームプレゼンテーションで歓声を浴びるペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー) photo:TotalEnergies

2017〜19年とロード世界選手権3連覇の偉業を果たし、ツール・ド・フランスではポイント賞に7度輝いたペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)。その他にもパリ〜ルーベなど数えきれない実績と、またそのキャラクターで一時代を築いたサガンが、ロードレースという舞台にひとまずの区切りをつけた。

サガンは来年もトタルエネルジーに籍を置くものの、目指すのはMTBクロスカントリーでのパリ五輪出場。そのためプロ選手として走る最後のロードレースとして、チームが本拠地を置くヴァンデ県で開催されるツール・ド・ヴァンデを選んだ。

サインに応えるペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー) photo:Tour de Vendée

4つのフランス籍ワールドチーム(コフィディス、AG2Rシトロエン、グルパマFDJ、アルケア・サムシック)が出場するレースは平坦路。そのため歴代優勝者にはスプリンターの名前が連なり、この日も大方の予想通り集団スプリントに持ち込まれた。

集団が一つのまま最終ストレートに入り、2021年の優勝者であるブラム・ウェルテン(オランダ、グルパマFDJ)の強力なリードアウトからポール・ペンウェット(フランス)がスプリントを開始する。その背後にアシスト役のサガンがついたものの、エーススプリンターであるサンディ・デュジャルダン(フランス、トタルエネルジー)の姿が見当たらない。

先んじてトップスピードに乗ったペンウェットにはアルノー・デマール(フランス、アルケア・サムシック)が背後につき、そしてフィニッシュ直前でデマールがペンウェットを抜き、フランス人対決を制した。

移籍後初勝利を飾ったアルノー・デマール(フランス、アルケア・サムシック) photo:Team Arkéa Samsic

ツール・ド・ヴァンデ2023表彰台:2位ペンウェット、1位デマール、3位デュジャルダン photo:Team Arkéa Samsic

今年8月にグルパマFDJを離れ、アルケアに移籍後初勝利を飾ったデマール。「ここ最近は苦しいレースが続いたので、勝つことができて最高の気分だ。アルケア・サムシックでの初勝利。チームメイトのおかげで素晴らしい走りができた。彼らに感謝したい」とデマールは喜んだ。

そしてデュジャルダンの3位表彰台に尽力したサガンは9位でフィニッシュ。レース前に「(ロードレースという)章を閉じられ、新しい章が始まる」と語った通り、サガンのロードレースでの戦いが締めくくられた。
ツール・ド・ヴァンデ2023結果
1位 アルノー・デマール(フランス、アルケア・サムシック) 4:45:47
2位 ポール・ペンウェット(フランス、グルパマFDJ)
3位 サンディ・デュジャルダン(フランス、トタルエネルジー)
4位 ブライアン・コカール(フランス、コフィディス)
5位 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、AG2Rシトロエン)
9位 ペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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