7月8日(土)、ジャパンサイクルリーグ(JCL)広島大会の佐木島ロードレースが開催され、ヴィクトワール広島のレオネル・キンテロが4名でのハンドル投げ合いを制して優勝した。また、9日(日)に予定されていた広島クリテリウムは、大雨のため中止となった。



瀬戸内海に浮かぶ佐木島(さぎしま)で初開催のロードレース photo:Satoru Kato

併催されたホビーレース photo:Satoru Kato
レース前のチームプレゼンテーション 地元チームの登壇に盛り上がる photo:Satoru Kato


ジャパンサイクルリーグ(JCL)広島大会は、昨年までの広島県中央森林公園に代わり、瀬戸内海に浮かぶ佐木島(さぎしま)でのレースが初めて開催された。

佐木島は広島市から新幹線で大阪方面へ約30分、三原市の沖約3kmに位置する離島。今年32回目となる「佐木島トライアスロン」が開催されており、今回のレースはトライアスロンのバイクパートで使用されるコースと同じ設定となっている。島の外周をぐるっと1周する10.5kmのコースは、海岸に沿って走る平坦区間と、高低差約40mほどを上る2か所の登り区間で構成される。登りは人数を削るほどの厳しさはなく、集団が崩れにくいスピードコースだ。

ホストチームのヴィクトワール広島を先頭にスタート photo:Satoru Kato

序盤はアタックと吸収が繰り返される photo:Satoru Kato

前日まで降り続いていた雨は当日朝までに降りやみ、コースはドライコンディション。気温はそれほど高くないものの、海風が混じって高湿度の中、地元チームヴィクトワール広島を先頭に10周105kmのレースがスタート。序盤はアタックが繰り返され、一時集団が分裂する場面もあったが、9チーム51名の集団はひとつのまま周回を重ねていく。

19名の先頭集団は終盤にかけて人数が絞られていく photo:Satoru Kato

後続集団は3分以上離された photo:Satoru Kato

3周目完了時に設定された周回賞をきっかけにレースが動き出す。フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン)が飛び出して周回賞獲得したのをきっかけに10名ほどの集団が先行。後方からの合流が続いて18名の先頭集団が形成される。さらに6周目にはベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)が単独で合流して19名に。全てのチームが1名以上を先頭集団に送り込んだことから、メイン集団はペースダウン。終盤にかけてタイム差は拡大し、8周目には3分前後まで開いた。

残り2周、登り区間でアタックする山本元喜(キナンレーシングチーム) photo:Satoru Kato

先頭集団ではダイボール、レオネル・キンテロ、カーター・ベトルスの3名を揃えたヴィクトワール広島が攻勢に出る。しかしその直後から降り始めた雨が強まり、ベトルスが落車により遅れてしまう。一方、先頭集団内最多の4名を送り込んだキナンレーシングチームが、残り2周から山本元喜と津田悠義が交互にアタックを繰り返す。しかし先頭集団の人数を減らしたものの勝負を決めるまでには至らず、10名ほどの集団で最後のスプリントへ。

4名横一線ハンドルの投げ合い photo:Satoru Kato

4名でのスプリント勝負をレオネル・キンテロ(ヴィクトワール広島)が制した photo:Satoru Kato

先行する黒枝士揮(スパークルおおいた)に、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、キンテロ、孫崎大樹(キナンレーシングチーム)が並びかけ、フィニッシュライン上でハンドルを投げ合う。直後にガッツポーズを繰り出したのはキンテロ。ホストチームのヴィクトワール広島が、地元初開催レースで勝利を収めた。

佐木島ロードレース 表彰式 photo:Satoru Kato




広島クリテリウム コースに冠水した場所があり、中止が決定された photo:Satoru Kato
佐木島ロードレースの翌日、7月9日は広島市でのクリテリウムが予定されていた。

しかし前夜から降り続く雨のためコースの一部が冠水。大雨警報が出され、朝から公共交通機関が止まるなどの影響が出たため、安全を確保出来ないとしてレースの中止が決定された。






JCL広島大会 佐木島ロードレース 結果(105km)
1位 レオネル・キンテロ(ヴィクトワール広島) 2時間20分50秒
2位 黒枝士揮(スパークルおおいたレーシングチーム) +0秒
3位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
4位 孫崎大樹(キナンレーシングチーム)
5位 谷 順成(宇都宮ブリッツェン) +1秒
6位 ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島) +2秒

text&photo:Satoru Kato