ファンデルプールが実戦復帰のヘットハーヘラント　男子はティレル、女子はコペッキーが優勝

合計13箇所の未舗装路を駆けるドワルス・ドール・ヘットハーヘラントが開催され、ノルウェー王者のスムス・ティレル（ウノエックス・プロサイクリングチーム）が2度目の制覇。女子レースはロッタ・コペッキー（ベルギー、SDワークス）が初優勝を飾った。

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ドワルス・ドール・ヘットハーヘラント（UCI1.Pro）は2010年にスタートしたベルギーのワンデーレース。フラームス・ブラバント州のアールスコートから”裏庭”のような狭い未舗装や急坂を越え、最後はディーストに設定されたコースを2周する177kmで争われる。

選手の中で注目を一身に集めたのは、今年の春にミラノ〜サンレモとパリ〜ルーベを制したマチュー・ファンデルプール（オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク）。ツール・ド・フランスに向けレースではなくトレーニング合宿での調整を選んだファンデルプールは、2017年に優勝経験のある本大会を調整レースとして選んだ。

レースは100km以上距離を残した地点でファンデルプールのアタックから本格的に動き出す。しかし直後にファンデルプールはパンクに見舞われ、それ以降のレースをチームメイトと共にメイン集団の追走に強いられることになる。逃げを捉えたプロトンでは、周回コースに入り一昨年の覇者であるラスムス・ティレル（ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム）やサイモン・クラーク（オーストラリア、イスラエル・プレミアテック）を含む8名が先頭集団を形成した。

その集団ではスーダル・クイックステップがイヴ・ランパールトとスタン・ファントリヒト（共にベルギー）、カスパー・ピーダスン（デンマーク）を入れて数的に有利な状況を作り出す。懸命に追うファンデルプールの合流を許さないハイペースでローテーションを回した先頭集団では、残り4km地点の丘でファントリヒトがアタック。これにティレルとフロリアン・フェルミールス（ベルギー、ロット・デスティニー）が追従し、勝負はこの3名に絞られた。

フィニッシュ手前300mの石畳が敷かれた登りでティレルが加速し、ファントリヒトとフェルミールスが食らいつく。しかし力を振り絞ったティレルのスピードに2人は届かず、ノルウェー王者の強さを見せつけたティレルが2度目の優勝を成し遂げた。

「自分の調子の良さと、僕を先頭集団で守ってくれたチームが勝利へと導いてくれた。マチュー（ファンデルプール）のパンクは残念だが、もちろん彼の（先頭集団からの）不在は勝利の確率を高めた。チームのためにも勝つことができて嬉しいよ」と、ツール初出場を控える26歳のティレルは語っている。

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女子レースは今季好調のコペッキーが初制覇

男子レースに先んじて行われた女子レース（UCI1.1）は128kmで行われ、徐々にプロトンの人数が減っていくサバイバルな展開で進行した。そしてディーストの周回コースに入り、20名程度まで減った集団からマルタ・バスティアネッリ（イタリア、UAEチームADQ）やロッタ・コペッキー（ベルギー、SDワークス）を含む小集団が作られる。

この中に3名を入れたフェニックス・ドゥクーニンクが前年2位のクリスティーナ・シュヴァインバーガー（オーストリア）のために攻勢に出たものの、コペッキーが最後の緩斜面の登りで加速。今年の春にロンド・ファン・フラーンデレンやアムステルゴールドレースを制し、キャリアハイのシーズンを送るコペッキーが第3回大会の勝者に輝いた。