「イタリア王者ジャージでのジロ勝利は格別」とフィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)は喜び、ピノは「逃げの皆が協力する楽しいレースだった」と満足気に語った。復調したログリッチや遅れたアルメイダなど、ジロ18日目を選手たちのコメントで振り返ります。



区間1位 フィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)

ジロ初勝利を飾ったフィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー) photo:CorVos

夢の舞台であるジロに、ワールドチームの一員として出場させてくれたジェイコ・アルウラーに感謝したい。このチームが僕をここまで成長させてくれた。またチームメイトはもちろん、監督であるマルコ・ピノッティに感謝を伝えたい。素晴らしい結果だよ。

最後のスプリントではピノの後ろにつき、貴重なこの機会で自分の力を最大限発揮したかった。そして脚に残っていた力を出し、50%の勝負をものにすることができた。イタリア王者ジャージを着て勝利できるなんて、素晴らしい以外の言葉がない。

区間位 ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)

今大会2度目の2位も、晴れ晴れとした表情を見せたティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) photo:CorVos

ワレン(バルギル)やオレリアン(パレパントル)といった集団先頭で力を使うことを惜しまない選手が揃った、良い逃げ集団だった。少し力の劣る選手たちすら牽引してくれた。皆、黙って淡々と踏み続ける、僕が好きなレースをしてくれた。だから今日は本当に楽しかったよ。

最後のスプリントでは間違いを犯してしまったようだ。スプリントを仕掛けるのが早すぎてしまったが、前回(同じく2位だった第13ステージ)よりは後悔が少ない。勝利するためには絶好調でなければならない。調子自体は悪くなかったのだが、ザナを引き離すには少し力が足りなかったようだ。

もっと自分に自信があれば、もう少しだけ長く(スプリントを)待つことができただろう。だがそれはタラレバでしかない。またスプリントで敗れてしまった。だが力を尽くしたので、金曜日(第13ステージ)よりもフラストレーションは少ないよ。僕のジロはまだ終わっていない。

区間4位 デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック)

デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック) photo:CorVos

終盤に入り(共に逃げていた)マルコ(フリーゴ)に「脚の調子はどうだ?」と聞いたら「最悪だ」と言ってきた。彼も「君はどうなんだ?」と聞いてきたので「僕も同じ。最悪だ!」と答えたよ(笑)。だからできる限りザナとピノに食らいついたのだが、気持ちとは裏腹に脚がついてこなかった。

マリアローザ ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)

マリアローザのキープに成功したゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:RCS Sport

―誕生日おめでとう。

ありがとう。いま聞いたのだが(ジロ公式インタビュアーである)君も今日が誕生日なんだってね?おめでとう。

―ありがとう(笑)。良い誕生日になったかな?

そうだね。アルメイダからタイムを奪い、プリモシュ(ログリッチ)から遅れることのない良い日となった。パニックにはなることなく、終始状況をコントロールすることができた。プリモシュは緩急をつけて登っていたので、彼の脚の状態は分からなかった。だが残り2kmで彼は踏み込み、とても強いことがわかった。その加速にも引き離されることはなく、本当に良かったよ。

―アルメイダに対し39秒差をつけることに成功した。

もちろん嬉しいが、(第16ステージは)プリモシュにバッドデイが訪れ、今日はアルメイダが遅れた。だから一定の調子を保つことが何よりも大事。だから日々集中し、山岳一つ一つを集中して登るだけだ。

ログリッチついて語るセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)

ログリッチをハイペースで牽引するセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

(最後から2つ目の)2級山岳コイはプリモシュの脚質にピッタリな登りだった。今日、彼がタイムを稼ぐことができて満足しているよ。今日みたいな山岳では100%の状態でないと戦えない。幸いにもプリモシュは良いコンディションにある。明日のクイーンステージが楽しみだし、このジロで最後に違いを作りたい。そして土曜日には個人タイムトライアルというガチンコ勝負が待っている。

ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)

クスのペースアップに遅れるジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

比較的短い距離のステージだったが、とても激しいレースとなった。もちろんベストな結果ではないものの、ライバルとそこまで差も拡がらなかった。フィニッシュまで諦めることなく、戦い続けることができた。明日は今日よりももっとタイムを失うかもしれないし、失わないかもしれない。誰にも未来はわからない。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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