3名がハンドルを投げ合う僅差となったジロ第17ステージのコメント集。地元勝利を挙げたアルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チームDSM)や今大会4度目の2位を「悔しいが嬉しい」と語ったミランなど、選手たちのコメントを紹介します。



区間1位 アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チームDSM)

地元ヴェネトで勝利を飾ったアルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チームDSM) photo:CorVos

信じられない。チームメイトが終盤に素晴らしい走りを見せてくれた。左からジェイコ・アルウラーに追い抜かれてしまったので、力を振り絞ってマシューズを追いかけた。だからラスト数メートルは限界まで踏み込まなければならなかった。迫るジョニー(ミラン)の姿は見えていた。リミットに達していたため上手くハンドルを投げることができなかったものの、ジョニーよりも数センチ先にフィニッシュラインを通過することができた。

実はここ5日間、体調を崩していたんだ。胃腸と呼吸の不調を抱えており、今日になってようやく80%まで回復することができた。だから、そんな中掴んだ勝利が信じられない。本当に嬉しいし、そんな中でも僕を信頼してくれたチームに感謝したい。

区間2位 ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)

新城のアシストを受けながら走るジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos

ジロで2位という結果を残念と思う必要はない。だがチームによる素晴らしい走りに、結果で報いたかった。レースをコントロールしてくれた彼らの走りを、表彰台の一番高い所に繋げることができず悔しいよ。

最終コーナーの直前に前を塞がれ、リードアウトのアンドレア(パスクアロン)を見失ってしまった。後ろに取り残されてしまったんだ。だから加速して番手を上げ、勝利のためにベストを尽くしたのだが、2位という結果に終わった。もちろん勝利が欲しかったものの、2位でも嬉しいのは事実。また、敗れた相手が(同じイタリア人である)ダイネーゼだったということも嬉しい。彼は勝利に相応しい選手だ。

区間3位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)

ダイネーゼ、マシューズ、ミランの3名が同時にハンドルを投げる photo:CorVos

エキサイティングなレースだった!今日のコースはプロトンがバラバラになる、僕が好きなテクニカルなレイアウトだった。だからポジション争いをする必要があまりなかった。総合上位のエディ・ダンバーを守り、僕自身が3位に入ることができたチームの走りには満足している。

先頭で自分のスプリントを披露できて本当に嬉しかった。だがピュアスプリンターを相手に勝利することは簡単ではない。チームメイトのおかげで完璧な位置から勝負することができたものの、僕自身の脚が十分ではなかった。

マリアローザ ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)

危なげなくマリアローザをキープしたゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

今日も雨が降ったが、これまでのようにずぶ濡れになるまでではなく、最終的に暖かく良い天気に恵まれた。最後はクレイジーな集団スプリントに持ち込まれたが、無事にフィニッシュすることができた。スプリンターチームがペーシングすることは明らかで、集団の中で来たる3日間に向けて力を蓄えることができた。

―明日、史上7人目となるマリアローザで誕生日(5月25日)を迎える選手となる。

そうだね。だからこそ良い日になることを願っているよ。

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン)

出走前に笑顔を見せるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン) photo:RCS Sport

正直、いまはレースに集中したい。引退のことはその後でいくらでも話す時間があるからね。でも、いまだにレースが好きだし、一生自転車に乗り続けるだろう。

山岳決戦を前に、ログリッチについて語るローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)

現役最後のジロを走るローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

来るステージでチームのために重要な役割を果たしたい。まだプリモシュ(ログリッチ)が勝つチャンスは残されている。明日以降のステージで彼の脚の調子が戻ることを願っている。激しい戦いが予想されるので、スマートに走ってライバルたちを打ち負かしたい。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos