「決して諦めることなく狙い続け、ようやく掴んだ勝利」とエイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター)は喜び、ピノは「まだ山岳ステージは始まったばかり」と次なる機会に向けて意気込んだ。ジロ13日目を終えた選手たちのコメントを紹介します。



区間1位 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター)

表彰台でプロ2勝目を喜ぶエイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) photo:CorVos

長きに渡って求め続けていた勝利。このジロに向けて厳しい練習を乗り越えてきた。悪天候による影響は大きく、特に昨日の雨には苦しめられた。だが決して諦めず、したたかに勝利のチャンスを狙い続けていたんだ。神様と僕を支えてくれたすべての人に感謝したい。今日、僕の夢が叶ったんだ。

ピノの強さはもちろん知っており、セペダも無視できない存在だった。彼らにアタックをさせ、フィニッシュまで食らいつくことが僕に残された唯一の手段だった。今日は全力を尽くし、ステージ優勝のことだけを考え続けていた。数時間経てばこの勝利の大きさを実感できるのだろう。いまは全力でこの成功を喜びたい。

区間2位&マリアアッズーラ(山岳賞) ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)

スタート直後からティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)が積極的にアタックする photo:CorVos

登りを通して攻め続けたのだが、そのツケが最後のスプリントにきてしまった。でも胸を張って全力を尽くしたと言える。最終山岳のクラン・モンタナでは向かい風が吹いており、平均約7%はアタックして後続を引き離すのに十分な勾配じゃない。

セペダの存在が癪に障り、何があっても彼に勝ってほしくなかった。今大会は勝利に飢えているんだ。総合順位なんてどうでもよく、それが8位だろうが7位だろうが関係ない。とにかく僕はステージ優勝がほしいんだ。

勝利は逃したものの、マリアアッズーラを奪還したティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) photo:RCS Sport

自分の取った戦略に後悔はない。僕が向こう見ずに先頭を引き続けなければ、きっとマリアローザグループに追いつかれていただろう。僕のおかげでステージ優勝を争えたんだ。少しぐらい感謝されても良いとは思っている。

勝利を逃した僕にとってマリアアッズーラがせめてもの慰めとなってくれた。僕のキャリアで最も難しいジロとなっているが、同時にそれがジロの美しさでもある。ただ、ジロの山岳はまだはじまったばかり。再び勝利を狙いにいくよ。

区間4位 デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック)

信じられないよ。(今大会3度目の逃げから4位入賞は)予想を遥かに上回る結果だ。脚の状態はよく、チーム全体が好調だ。明日からの2日間が楽しみでしょうがない。

マリアローザ ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)

ログリッチや総合上位陣と共にフィニッシュしたゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

チームとして落ち着いて対処ができたステージ。序盤に大きな集団が形成され、そこにEFが強力な3名乗せたので引き戻した。その後ピノら5名が飛び出した。その後はパヴェル(シヴァコフ)とスウィフトが適度なタイム差でメイン集団をコントロールしてくれた。

すべてをコントロール下に置く、理想に近いレースとなった。最後は風がアタックを防ぎ、プリモシュ(ログリッチ)も僕があと数日間マリアローザを着ることに納得してくれているようだね。彼も燃料をチャージしたままでいたいだろうからね。

前日の落車の影響から最終山岳で遅れ、総合争いから脱落したジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)

とても悲しいよ。ツール・ド・フランスで2度の落車に見舞われ、(前日の落車と)どうやらグランツールに呪われているみたいだ。今日遅れたのは自分のせいだが、その現実を受け入れることは難しい。

身体を強く地面に打ち付け、今日どういう状態になるか不透明だった。今朝、認めたくはなかったが身体に痛みがあった。スタートは切れたものの、プロトンについていくにはコンディションが不十分だったようだ。まだ半分も残っているジロではダミアーノ(カルーゾ)のアシストをしたい。

新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)

フィニッシュラインを越え、笑顔を見せる新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos

今日のこのスタートの登り。実は登ったことがあって、2009年ツール・ド・フランス15ステージのフィニッシュの登りでした。登ってみても、全く記憶に無かった🤣。(新城幸也のインスタグラムより)

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos