ログリッチやピドコック、ファンアールト、ファンデルプール出場のティレーノ開幕　初日の個人TTでガンナが圧勝

イタリアを舞台としたティレーノ〜アドリアティコが開幕。初日の個人タイムトライアルでフィリッポ・ガンナ（イタリア、イネオス・グレナディアーズ）が圧巻の勝利を挙げ、 復帰戦のログリッチは12位とまずまずの滑り出しを見せた。

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同時期開催のパリ〜ニースと共に、ヨーロッパの春を代表するステージレース、ティレーノ〜アドリアティコ（UCI2.UWT）が3月6日（月）に開幕した。その名が示すようにレースは7日間かけてティレニア海沿岸からイタリア半島を横断してアドリア海を目指す。初日の個人タイムトライアルを含め丘陵や山岳、平坦ステージとバランスの良いステージ構成になっているため、あらゆる脚質のトップライダーが集結した。

なかでも注目されるのが昨年10月に左肩の手術を受け、これが復帰レースとなるプリモシュ・ログリッチ（スロベニア、ユンボ・ヴィスマ）。ユンボは今季ロード開幕戦となるワウト・ファンアールト（ベルギー）や直前のストラーデビアンケで3位のティシュ・ベノート （ベルギー）ら強力なメンバーを揃えてきた。

他にもアルペシン・ドゥクーニンクからは春のクラシックでの成功を目指すマチュー・ファンデルプール（オランダ）とヤスペル・フィリプセン（ベルギー）が出場し、ストラーデビアンケで独走勝利を披露したトーマス・ピドコック（イギリス、イネオス・グレナディアーズ）もスタートラインに並んだ。

大会初日は昨年より最終日から第1ステージに移動した個人タイムトライアル。舞台はティレニア海沿岸のビーチリゾートであるリード・ディ・カマイオーレで、比較的短い11.5kmコースは180度コーナーが一つあるだけのシンプルかつパワー勝負となるレイアウトだ。

この日は浜風こそ凪いだものの、天候はあいにくの雨。そんな悪条件のなか前半スタート組のマグナス・シェフィールド（アメリカ、イネオス・グレナディアーズ）が12分59秒という好タイムをマークする。その後スタートしたログリッチが18秒遅れの12位とまずますのタイムでフィニッシュした一方で、優勝候補の一人であるファンアールトは体調不良明けの影響からか1分14秒遅れの区間45位に沈んでいる。

結果的にシェフィールドのタイムを上回ったのは2人だけ。まずはレナード・ケムナ（ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ）が3秒早い12分56秒でフィニッシュし、最終出走者のフィリッポ・ガンナ（イタリア、イネオス・グレナディアーズ）がさらに28秒早い12分28秒を叩き出した。

ガンナはケムナの平均時速よりも2km/h速い55.348km/hという圧巻のスピードでフィニッシュし、昨年に続きティレーノ〜アドリアティコの初日を制した。「今日はチームとして素晴らしい走りができた。チームで一番手にスタートしたトム（ピドコック）から良い流れをつなぐことができた。ただ速さを求め走っただけ。レースの2日前までは自分のコンディションがわからず、とにかく最善を尽くそうと気持ちを切り替えた。この勝利は来るクラシックレースに向けて大事なモチベーションとなるだろう」と喜びを表現した。

一方、復帰レースを終えたログリッチは「現時点でこの走りには満足している。レースに戻ってくることができて本当に嬉しいし、明日以降のステージが楽しみだよ」と前向きなコメントを残している。

翌日はいくつかの低難易度な丘を越える平坦コース。そのためフィリプセンやファビオ・ヤコブセン（オランダ、スーダル・クイックステップ）、ディラン・フルーネウェーヘン（オランダ、ジェイコ・アルウラー）らトップスプリンターによる白熱のスピードバトルが期待される。