オランダ、ホーヘルハイデでシクロクロス世界選手権が開幕した。初日金曜日のチームリレーでオランダが圧勝し、1つ目の金メダルとアルカンシエルを手にしている。試走を行った日本人選手の写真と共にレポート。



各カテゴリーの選手が1人ずつ走るチームリレー photo:CorVos

シクロクロスの世界一を決める世界選手権がオランダのホーヘルハイデで開幕した。

初日に行われたのは昨年のアメリカ大会でテスト開催(アルカンシエル授与なし)され、今年から正式種目となったチームリレー。男女それぞれジュニア、U23、エリートという合計6人が1チームとなり、合計6周回で競う国別対抗戦。今年はオランダやベルギー、イタリアといった強豪国を筆頭に合計10チームが参戦を果たした。

土日の本番に向け、レースペースでのコース確認という意味合いを多分に含むこの戦いを、序盤から優位に進めたのは豊富な選手層を誇るオランダだった。

圧倒的リードを築いたオランダが、フェム・ファンエンペルにバトンタッチ photo:CorVos

ゾーイ・バックステッドがイギリスの2位銀メダルのためにハイペースを刻む photo:CorVos

強烈な追い上げを見せたベルギー。ローレンス・スウェークは転倒して2位イギリスに届かず photo:CorVos

U23カテゴリーのトップ選手であるティボー・デルグロッソを第1走者に置いたオランダは、イタリアやアメリカ、フランスを置き去りにして2周目へとバトンタッチ。女子の選手層で劣るベルギーは3周目に入った時点で1分11秒遅れの9位と遅れを喫したが、若手筆頭株のヨラン・ウィズーレの活躍で5位にジャンプ。年齢と性別がごちゃ混ぜとなった、チームリレーらしい予測不能の展開の中、ただ1カ国オランダだけが優位を保ち続けた。

女子エリートアルカンシエル候補筆頭のフェム・ファンエンペルがオランダのリードを上積みした一方、ベルギーはローレンス・スウェークの追い上げで3番手まで復帰。2番手イギリスまであと少しというタイミングだったものの、スウェークが転倒したことで勝負あり。オランダが母国開催の世界選手権で1つ目の金、イギリスが、大健闘の2位、ベルギーが3位という結果になった。

2位イギリス、1位オランダ、3位ベルギー photo:CorVos

開催国オランダが1枚目のアルカンシエルを獲得 photo:CorVos

なおこの日はチームリレーとコースの前日試走に時間が費やされ、チームリレーをスキップした日本ナショナルチームもコースの感触を確かめた。

1週間前のX2Oトロフェーを走った織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Nobuhiko.Tanabe

世界選手権初挑戦となる小川咲絵(AX cyclocross team) photo:Nobuhiko.Tanabe

石田唯(早稲田大学)、柚木伸元(朝明高校)、副島達海(大阪産業大学) photo:Nobuhiko.Tanabe

大蔵こころ(早稲田大学) photo:Nobuhiko.Tanabe

シクロクロス世界選手権は本日土曜日からメインレースがスタート。これから2日間にかけて6カテゴリーで新世界チャンピオンが誕生する。

シクロクロス世界選手権2023チームリレー結果
1位 オランダ 42:05
2位 イギリス +0:31
3位 ベルギー +0:33
4位 フランス +0:37
5位 イタリア +0:52
6位 アメリカ +1:19
7位 カナダ +1:33
8位 チェコ +1:54
9位 ポーランド +2:57
10位 スウェーデン +3:09
text:So.Isobe
photo:CorVos.Nobuhiko.Tanabe