好天に恵まれたシクロクロス全日本選手権2日目は、午前中に行われた男子U23と男女ジュニア、そしてU17とU15で新チャンピオンが誕生。U23ではカテゴリー初年度の柚木伸元(朝明高校)が飛ぶような走りを披露した。



朝日を浴びてコースに駆け出すアンダー選手たち photo:So Isobe

シクロクロス全日本選手権2日目のオープニングレースは男女のアンダーレース。2007年と2008年生まれが対象のU17、2009年と2010年生まれのU15レースで次世代を担う選手たちが熱いバトルを繰り広げた。

女子U17表彰台 photo:So Isobe
男子U17表彰台 photo:So Isobe


U17とU15の男女チャンピオンたち photo:So Isobe

男子U17は好勝負の末に松井颯良(Sonic-Racing)が獲り、男子U15は三上将醐 (アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19)が勝利。混走となった女子では積極的にレースを引っ張り続けた石川七海(SBC Dirt Union)がU17を、日吉彩華 (LimitedTeam846まるいち)がU15タイトルを手にしている。



MTBアジア王者の高橋翔と、日吉愛華が男女ジュニアレースを制す

男子ジュニアレースを引っ張る佐々木啄人(宮城県泉高等学校) photo:So Isobe
男子ジュニアレースで独走する高橋翔(TeensMAP) photo:So Isobe


男子ジュニア表彰台 photo:So Isobe

17名がエントリーした男子ジュニアレースで圧倒的なフィジカルとテクニックを見せつけたのは、MTBジュニアのアジア&全日本チャンピオンである高橋翔(TeensMAP)だった。「2列目スタートだったので序盤はついていったのですが、前の選手が砂区間でミスをしたので前に出ました」と、先頭グループを抜け出して独走。追いかける佐々木啄人(宮城県泉高等学校)と村上ヒカル(松山工業高等学校)を振り切った。

昨年大会で柚木伸元(朝明高校)に敗れた高橋だが、昨シーズンはメイン目標だったMTB世界選手権をミスで落とし、その失敗を糧にレースへの臨み方などを変更。それが功を奏し、アジア選手権と今回のCX全日本優勝に繋がったと振り返る。佐々木が2位、村上ヒカル(松山工業高等学校)が3位にランクイン。

女子ジュニアレースを制した日吉愛華(LimitedTeam846まるいち) photo:So Isobe

時差出走の女子ジュニアは「世界選手権で活躍できるような選手になりたい」と言う日吉愛華(LimitedTeam846まるいち)が勝利。日吉はU15時代に続く2度目の年代別チャンピオン獲得となり、U15を制した妹ともども日吉姉妹が全日本チャンピオンジャージを持ち帰ることに。「勝ったからこそ、もっと強くならないといけないと感じています」と振り返っている。



男子U23:アンダー初年度の柚木伸元が完全優勝 昨年のジュニアに続くタイトル獲得

昨年覇者の村上功太郎(TOYOFRAME)がエリートに昇格し、優勝候補と目されていた副島達海(大阪産業大学)は体調不良によってDNS。それでも男子U23レースには昨年2位の村上裕二郎(明治大学)や同3位の鈴木来人、そして中島渉(弱虫ペダルサイクリングチーム)など強豪勢が揃い踏み。スタートからホールショットを決め、ぐいぐいとリードを広げたのは昨年のジュニア王者である柚木伸元(朝明高校)だった。

圧倒的なテクニックでリードを積み重ねる柚木伸元(朝明高校) photo:So Isobe

2位グループを形成する鈴木来人と村上裕二郎(明治大学) photo:So Isobe

柚木は1周目にチェーン落ちに見舞われたもののすぐに復旧させ、背中に食らいつこうとした中島を振り払って独走。砂区間に刻まれた轍を完璧に攻略する走りを披露し、コーステープに人垣を作った観客をどよめかせた。

やがて鈴木と村上らが中島を追い抜き2番手グループを形成。そこから鈴木が単独追走となったものの、砂区間を飛ばしに飛ばす柚木との差は徐々に、しかし確実に広がり続ける。

砂区間を飛ぶように走る柚木伸元(朝明高校) photo:So Isobe

シケインを飛ぶ鈴木来人 photo:So Isobe

U23カテゴリー初年度ながら「最初から攻めれば最後までいけるかもと思っていた」と、堂々たるレース運びを見せた柚木が完全勝利。昨年のジュニアに続く2連続全日本勝利であり、日本代表入りが決まっている世界選手権に向けて「今、とても良い"流れ"の中にいるので、このまま調子を上げて世界戦に挑みたい」と、大きく弾みをつけることに成功している。

2位は「スタートで詰まってしまい伸元を逃してしまった。それがなくても彼が勝ったと思うし、今日は完敗です」と悔やむ鈴木。昨年の3位から一つ成績を上げたものの、チャンピオンジャージ獲得にはあと一つ届かなかった。3位は「今はロードに主眼を置いているのでこんなに走れると思わなかった。表彰台はラッキーでした」と笑顔を見せる村上だった。

全日本連覇を果たした柚木伸元(朝明高校) photo:So Isobe

柚木伸元(朝明高校)を鈴木来人と村上裕二郎(明治大学)が囲む photo:So Isobe
男子U23結果
1位 柚木伸元(朝明高校) 52:25
2位 鈴木来人 +0:35
3位 村上裕二郎(明治大学) +1:56
4位 中島渉(弱虫ペダルサイクリングチーム) +3:54
5位 辻本 青矢(信州大学自転車競技部) +5:04
男子ジュニア結果
1位 高橋翔(TeensMAP) 40:45
2位 佐々木啄人(宮城県泉高等学校) +0:54
3位 村上ヒカル(松山工業高等学校) +2:19
女子ジュニア結果
1位 日吉愛華(LimitedTeam846まるいち) 39:13
2位 水谷彩奈 (松山学院高等学校) +3:34
男子U17結果
1位 松井颯良(Sonic-Racing) 26:53
2位 成田光志(Dream Seeker jr. Racing Team ) +0:06
3位 野嵜然新(RACING TORQUE) +0:09
女子U17結果
1位 石川七海(SBC Dirt Union) 22:46
2位 西原夕華(トーヨーCT) +0:20
男子U15結果
1位 三上将醐 (アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19) 29:25
2位 伊藤隆聖(Sonic-Racing ) +1:05
3位 金澤拓世(CORAGGIO KAWANISHI U-19) +2:10
女子U15結果
1位 日吉彩華 (LimitedTeam846まるいち) 23:12
2位 綱嶋凛々音(team GRM ) +1:10
3位 小林碧(ProRide) +1:50