プロ16年目のシーズンを迎えるダリル・インピー(南アフリカ、イスラエル・プレミアテック)が、2023年シーズン限りで引退することを発表した。インピーは過去2年連続で総合優勝に輝いたツアー・ダウンアンダー(1月17日〜)に出場予定だ。



今季限りでの現役引退を発表したダリル・インピー(南アフリカ、イスラエル・プレミアテック)今季限りでの現役引退を発表したダリル・インピー(南アフリカ、イスラエル・プレミアテック) photo:CorVos
「2023年シーズンがもう少しで始まるなか、僕は多くの理由からワクワクしている。今年が現役最後のシーズンとなる。もう一度だけ自分のタンクが空っぽになる走りがしたい」と、ダリル・インピー(南アフリカ、イスラエル・プレミアテック)は自身のSNSに綴った。

ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)や現チームメイトのクリストファー・フルーム(イギリス)が所属したバルロワールドで2008年にプロデビューを果たしたインピー。2012年にオリカ・グリーンエッジ(現ジェイコ・アルウラー)に移籍後は9シーズンに渡り所属し、2021年より現チームで走っている。

2019年ツール第9ステージで初優勝を飾ったダリル・インピー(南アフリカ、当時ミッチェルトン・スコット)2019年ツール第9ステージで初優勝を飾ったダリル・インピー(南アフリカ、当時ミッチェルトン・スコット) photo:Kei Tsuji
2013年ツールでは南アフリカ出身初のマイヨジョーヌ着用者となったインピー2013年ツールでは南アフリカ出身初のマイヨジョーヌ着用者となったインピー photo:Makoto.AYANO2019年のさいたまクリテリウムに訪れたダリル・インピー(当時ミッチェルトン・スコット)2019年のさいたまクリテリウムに訪れたダリル・インピー(当時ミッチェルトン・スコット) photo:Satoru Kato

インピーの15年に渡るキャリアでハイライトとなるのは、8連覇(2013〜20年)を含む9度の勝利を誇る南アフリカ国内選手権個人タイムトライアルのタイトルや、南アフリカ出身選手として初めてマイヨジョーヌを着用した2013年ツール・ド・フランスだろう。その他にも2019年のツール区間優勝やツアー・ダウンアンダー総合2連覇(2018、19年)などが挙げられる。

「”もう十分だ”という思いで競技を辞めたくない。まだまだ自分を追い込める状態で引退し、残された力を次なる目標に傾けたいんだ。これが現役最後のダウンアンダーやアルデンヌクラシックになる。皆で良いレースにしよう」と、インピーは引退発表を締めくくった。


text:Sotaro.Arakawa