ベルギー・ゾルダーで開催されたスーパープレスティージュ第5戦。前日レースを制したファンデルプールをワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が下し、女子は強豪勢不在のチャンスをセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が掴み取った。



セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)と先頭争いを繰り広げたインゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777)セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)と先頭争いを繰り広げたインゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777) photo:CorVos
欧州シクロクロスカレンダーは、世界選手権に続くハイライトと言える年末年始の超過密スケジュールを進行中。ガーフェレで開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第11戦の2日後、今度はフランダース東部にあるゾルダーサーキットでスーパープレスティージュ第5戦が開催された。

フランダース東部のリンブルフ州ヒュースデン=ゾルダー近郊、テラーメンの森に設営されているサーキットは、これまで世界選手権やビッグレース開催地として数々の名勝負を生み出した名門コース。ホリデーシーズンに入った数万人の観客の前で、今年もトップ選手が名勝負を繰り広げた。

女子エリート:アルバラードがチャンスを掴み取る

6秒差で3位だったルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)6秒差で3位だったルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) photo:CorVos
現在優勝を分け合っているフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)とパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)、そしてシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)はW杯に集中するため不在。そんな女子レースを制したのはセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)だった。

元世界女王のアルバラードは新世代選手の台頭によって勝利から遠ざかっていたものの、この日はデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) やインゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777)、更には手首骨折から徐々にコンディションを上げるルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)らが共に先頭争いを繰り広げた。

今シーズン3勝目を挙げたセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)今シーズン3勝目を挙げたセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos
スーパープレスティージュ2022-2023第5戦 女子エリート表彰台スーパープレスティージュ2022-2023第5戦 女子エリート表彰台 photo:CorVos
最終的にアルバラードは唯一食い下がったファンデルヘイデンを引きちぎり、今季3勝目を達成。「今回は特に脚力のあるライバルとの戦いの末独走できたので満足。この勝利は私にとって大きな意味がある」と話している。

男子エリート:マチューとワウトがレースを支配 

序盤から先頭パックを形成したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)序盤から先頭パックを形成したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
5大陸から86名が参加した男子エリートレースには、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、世界王者トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の"ビッグスリー"のほか、元世界王者ぜネク・スティバル(チェコ、クイックステップ・アルファヴィニル)、クレモン・ヴァンチュリーニ(フランス、AG2Rラモンディアル)といった面々も揃い、レースに華を添えた。

レースはスタート後5分経過を待たずファンデルプールが猛然とペースを上げ、その背中に追従したファンアールトと共に先頭グループを築き上げる。スタートで出遅れたピドコックはこの動きに乗れず、3番手パックからの展開を強いられてしまう。

ファンデルプールを突き放すとワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)ファンデルプールを突き放すとワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
この日は走りに精彩を欠いたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)この日は走りに精彩を欠いたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
高速レースで知られるゾルダーだが、この日は2日前と打って変わって路面はハードパックとなったことで更に平均スピードが跳ね上がる。テクニカルながら差をつけにくいコースで、互いに手の内を知り尽くすファンアールトとファンデルプールは鍔迫り合いの接近戦を繰り広げていく。

「ゾルダーではフィジカルレベルが同じ選手を振り落とすのは難しい。今日はお互いを引き離すことはできないと感じでいた」とファンアールトが振り返るように、飛ぶように走る2人の力は完全に拮抗。背後ではピドコックが3位グループを抜け出したものの、暫くしてラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)の合流を許してしまった。

ファンデルプールに対する勝率を五分に戻したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)ファンデルプールに対する勝率を五分に戻したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
スーパープレスティージュ2022-2023第5戦 男子エリート表彰台スーパープレスティージュ2022-2023第5戦 男子エリート表彰台 photo:CorVos
最終周回に入り、先頭グループではファンデルプールが一気にペースを上げてファンアールトを引き離しにかかったが、数メートルのリードを得たところでミス。勝負はマッチスプリントに持ち込まれ、ファンアールトが先行する背後で、ファンデルプールは突如斜行し失速してしまう。ペダルが外れたことでファンアールトの勝利が決まった。

「神経をすり減らすレースだったよ。僕たちはレース序盤から互いに仕掛け合ったんだ。最終周回で彼は僕にプレッシャーをかけ続けたが、今回は冷静さを保ち、ミスを避けることができた。この勝利を非常に嬉しく、誇りに思っているよ」と、今季の対マチュー戦績を2勝2敗の五分に持ち込んでみせた。

スーパープレスティージュ2022-2023第5戦 女子エリート結果
1位 セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) 40:21
2位 インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777) +0:03
3位 ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) +0:06
4位 シルヴィア・ペルシコ(イタリア、FASエアポルト・セルヴィセス) +0:11
5位 デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) +0:18
6位 アニック・ファンアルフェン(オランダ、777) +0:49
7位 アンマリー・ワースト(オランダ、777) +0:53
8位 マリオン・ノーブルリブロール(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) +1:37
9位 ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、イネオス・グレナディアーズ) +1:44
10位 ローレン・モレングラーフ(オランダ、トルマンスCXチーム) +1:47
スーパープレスティージュ2022-2023第5戦 男子エリート結果
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) 1:02:30
2位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) +0:06
3位 ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) +0:16
4位 トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) +0:20
5位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) +1:05
6位 ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) +1:19
7位 クイントン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンスCXチーム) +1:20
8位 ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) +1:24
9位 ケヴィン・クーン(スイス、トルマンスCXチーム) +1:56
10位 ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) +1:57
text:So Isobe
photo:CorVos

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