ユンボ・ヴィスマが2023年のジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスに臨む一部メンバーを発表した。プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)がジロで総合エースを務め、ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)はワウト・ファンアールト(ベルギ)と共にツール2連覇を目指す。



チームプレゼンテーションに臨んだ男女ユンボ・ヴィスマチームプレゼンテーションに臨んだ男女ユンボ・ヴィスマ photo:Jumbo-Visma
各チームが続々と2023年ロースターを確定してチームプレゼンテーションを行うなか、今年ツール・ド・フランスを初制覇したユンボ・ヴィスマもオランダ・アムステルダムにて所属選手と来季の予定を発表した。

昨年落車と怪我に泣いたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)は、来シーズンはツール・ド・フランスではなくジロ・デ・イタリアで総合優勝を目指すことに。「(ジロは)好きだけどまだ勝てていないレース。依然として手術から回復途上にあるものの、5月はコンディションが整っていることを願う。どんなことがあろうと(総合優勝に向け)出来る限りを尽くす」と、10月に肩の手術を受けたログリッチは力強く意気込んだ。

ログリッチにとってこれが4年ぶり3度目のジロ出場。2019年大会では初日の個人タイムトライアル含む区間2勝を挙げ、5日間に渡りマリアローザを着用して総合3位に入り表彰台に上がった。

ツールへの出場が発表されたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)ツールへの出場が発表されたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:Jumbo-Visma
プレゼンテーションを眺めるロベルト・ヘーシンク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)プレゼンテーションを眺めるロベルト・ヘーシンク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:Jumbo-Visma
一方のツールには大会2連覇のかかるヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)が、今年マイヨヴェール(ポイント賞)を獲得したワウト・ファンアールト(ベルギー)と新加入ディラン・ファンバーレ(オランダ)と共に出場する。メーリン・ゼーマン監督は「我々は昨シーズン、ポガチャルに勝つ方法を見出した。彼の強さを知っており、ヨナス(ヴィンゲゴー)が上回っている所も分かっている。我々には再びツールを制するための確かな計画がある。ヨナスで再びマイヨジョーヌを狙えると信じている」と自信をのぞかせた。

チームからは今年、引退したトム・デュムラン(オランダ)やアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオへ移籍したマイク・テウニッセン(オランダ)など5名の選手が去った。その一方で今年のパリ〜ルーベ覇者であるファンバーレがイネオス・グレナディアーズから移籍。ファンバーレにはファンアールトと共にチームが前半戦の目標に掲げるロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベの優勝が期待される。

一新されたユンボ・ヴィスマのチームバイク一新されたユンボ・ヴィスマのチームバイク photo:Jumbo-Visma
その他にもルーラーのヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)が加入し、ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)が7年振りにチームに復帰した。2020年ジロで総合3位という成績を持つケルデルマンのジロ出場も明らかとなっており、ログリッチの山岳アシストに加えセカンドエースとしての役割が求められる。

またユンボは同時に機材スポンサーの変更も明らかにした。コンポーネントは長らく使用してきたシマノからスラムに変わり、同じくシマノだったホイールはサーヴェロがサンタクルズと共同開発するホイールブランド「リザーブ」へ。ペダルはスピードプレイ、シューズもイタリアブランドのNimblへとそれぞれシマノから変更している。そしてAGUだったアイウェアはイネオスとのパートナーシップを解消したオークリーと契約を結んでいる。

text:Sotaro.Arakawa