クイックステップ・アルファヴィニルで主にリードアウトとして活躍したステイン・ステールス(ベルギー)が現役引退を発表した。ステールスは11月の「ヘント6日間レース」で落車し、肋骨と脊椎骨を骨折する大怪我を負っていた。



ホッジやセネシャルのために牽引役を務めるステイン・ステールス(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)ホッジやセネシャルのために牽引役を務めるステイン・ステールス(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
ステイン・ステールス(ベルギー)は1989年生まれの33歳。2013年のプロデビュー後はスポートフラーンデレン・バロワーズやルームポット・シャルルを経て、2020年に伯父であるトム・ステールスが監督を務めるクイックステップ・アルファヴィニルに加入した。グランツール出場やメジャーレースでの勝利こそなかったものの、ステールスはワンデーレースを中心にリードアウトとして活躍。またマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)復活のキッカケとなった2021年のツアー・オブ・ ターキーでもアシストを務めた。

だがステールスは今年の11月17日に行われた「ヘント6日間レース」というトラックレースで落車。肋骨と脊椎骨、更に肺を損傷する怪我を負う。既にクイックステップ退団が決まり、移籍先を探していた最中に大怪我を負ったステールスは「最後の6日間レースになるかもしれないと思い一生懸命準備して臨んだ。もっとレースがしたい気持ちもあるが現実を見なければならない。良い(移籍)オファーがなければ(現役を続けるために)ジタバタしたくはない」と率直な気持ちを語っていた。

ヘント6日間レースで落車し、大怪我を負ったステイン・ステールス(ベルギー)ヘント6日間レースで落車し、大怪我を負ったステイン・ステールス(ベルギー) photo:CorVos
ステールスは引退を発表した自身のインスタグラムで、「子どもの頃『大人になったら何になりたい?』という質問に必ず"スポーツ選手"と答えていた。あの時求めていた人生を何年にも渡って送ることができ、誇りに思っている」とコメント。「ハイレベルのレースで戦うことは多くの犠牲を必要とする。それは僕自身だけではなくガールフレンドや家族、友人たちにとってもだ。彼ら、彼女たちには言い尽くせないほど感謝している。またチームメイトやスタッフ、ファンにも多大な感謝を伝えたい」と綴っている。

引退後については未定で「いまのところ未来がどうなるかはわからない。だが、数週間もすれば沿道からプロトンを見つめる僕がいるはずだ。また会おう」と、ステールスは10年に渡る現役生活を締めくくった。

text:Sotaro.Arakawa

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