2021年パリ〜ルーベ覇者であるソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が不整脈のため現役を引退すると地元紙が伝えた。コルブレッリは今年3月のレースで一時心肺停止状態に陥り、その後競技復帰を目指していた。



今年のジロ・デ・イタリアに姿を見せたソンニ・コルブレッリ(イタリア)がチームメイトを訪問今年のジロ・デ・イタリアに姿を見せたソンニ・コルブレッリ(イタリア)がチームメイトを訪問 photo:CorVos
今年3月21日に行われたボルタ・ア・カタルーニャ第1ステージのフィニッシュ直後に、意識を失い一時的に心肺停止状態に陥ったソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)。その後不整脈であることが発覚し、ICD(皮下植込み型除細動器)を埋め込む手術が施された。

その1ヶ月後にバイクに乗る姿を披露したコルブレッリは、ジロ・デ・イタリアのアンバサダーとしてイタリア国内を巡るキャンペーンに参加するなど精力的に活動。また10月17日に行われた2023年ジロのコースプレゼンテーションにも出席していた。しかしガゼッタ紙や複数メディアは10月29日、コルブレッリの現役引退を伝えた。

コルブレッリは2010年にコルナゴ・CFSイノックス(現バルディアーニCSFファイザネ)でプロデビューした32歳。チームが発足した2017年よりバーレーン・ヴィクトリアスに所属し、2021年はイタリア選手権と欧州選手権、そしてパリ〜ルーベを制するなどキャリアハイの活躍を見せた。

引退について所属チームによる公式発表はいまだされていないものの、コルブレッリは11月15日に記者会見を開く予定だという。



(10月31日追記)

バーレーン・ヴィクトリアスは10月30日に、コルブレッリの現役引退を伝えるプレスリリースを発表した。

その中でコルブレッリは「1年前のこの時期、パリ〜ルーベというキャリア最高の勝利を喜んでいた。それから1年後にまさか、人生で最も厳しい決断を迫られるとは思ってもいなかった。だが僕が感謝したいのは、命を失う危険を冒してまで僕にセカンドチャンスを与えてくれた僕自身に対してだ。この新しい人生は家族や親しい人たちのおかげ。彼ら彼女たちの支えが、人生を懸けた目標であるグランツールやフランドルでの勝利を諦める強さを与えてくれた」と語っている。

またリリースの中ではコルブレッリがバーレーン・ヴィクトリアスや下部チームと関わっていくことが明らかになった。ミラン・エルゼン監督は「ソンニはチーム発足時から所属している選手。チャンピオンである彼の素晴らしい成績をサポートできて誇りに思う。最も大切なことはソンニの健康だ。彼が今後も我々チームや下部チームに対し、その経験を伝えてくれることがとても嬉しい」とコメントしている。

text:Sotaro.Arakawa

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