チェコ、ターボルで開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第3戦。パウェルスサウゼン・ビンゴールのエリ・イゼルビット(ベルギー)とフェム・ファンエンペル(オランダ)が負けなしの3連勝を掴んでいる。



2015年の世界選手権開催地ターボル。女子エリートレースのスタート2015年の世界選手権開催地ターボル。女子エリートレースのスタート photo:CorVos
北米2連戦を終え、シクロクロスの最高峰シリーズ戦であるUCIシクロクロスワールドカップがヨーロッパへと帰還。2015年に世界選手権を招聘したチェコ南部のボヘミア州に属する街ターボルで第3戦が開催された。

ファイエットビルで開催された第2戦から僅か1週間。時差ぼけが抜けきらない北米遠征組も散見される中、ヨーロッパに残って調整を続けた選手たちも合流。細かい切り返しや登りシケインが名物の、僅かに泥が乗るコース上で男女共にハイスピードレースが展開された。



女子エリート:ファンエンペルがロングスパートでW杯3連勝

カータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス)やパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)、そしてシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)といった北米ラウンド不参加組が合流した女子エリートレース。試走中には元世界女王&現欧州女王のルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が落車で手を骨折というアクシデントも発生した。

バニーホップでアドバンテージを築いたパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)バニーホップでアドバンテージを築いたパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos
レース序盤は19歳のマリー・シュライバー(ルクセンブルク、トルマンスシクロクロスチーム)がロケットスタートでリードを築いたものの、2周目に入る頃には群雄割拠のオランダ強豪勢が主導権を握る。各選手がアタックを繰り返したものの、決定的な差が生まれにくい高速レースのため決定的な独走体制に持ち込む選手は現れなかった。

最終周回に入るとアンマリー・ワースト(オランダ、777)のアタックによって先頭グループが分裂。フェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)と、トップ選手中でただ一人シケインをバニーホップで飛び、アドバンテージを得るピーテルスの3名に絞られ、さらに優勝争いは激化の一途を辿る。

レースを引っ張るフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)レースを引っ張るフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) photo:CorVos
ロングスパートで3連勝を射止めたフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)ロングスパートで3連勝を射止めたフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) photo:CorVos
バニーホップをきっかけにアタックしたピーテルスは引き戻され、カウンターで仕掛けたワーストも抜け出せない。すると「時差ぼけであまり寝れず、コンディションは良くなかった。私の唯一の策は最後までついていき、アタックのチャンスを待つことだけだった」と言うファンエンペルが最後の登坂区間でアタック。そのままリードを保ち、見事にワールドカップ開幕戦から負けなしの3連勝を掴み取った。



男子エリート:独走に持ち込んだイゼルビットが3連勝

男子エリートレースにはクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンスシクロクロスチーム)や元CX世界王者であり、チェコのスター選手であるゼネク・スティバル(クイックステップ・アルファヴィニル)が参戦。60分間のレースは中盤に入るまで、大人数が数珠繋ぎに先頭グループを組む展開で進んだ。

序盤戦を引っ張るマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)序盤戦を引っ張るマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) photo:CorVos
元世界王者ゼネク・スティバル(クイックステップ・アルファヴィニル)がバニーホップを決める元世界王者ゼネク・スティバル(クイックステップ・アルファヴィニル)がバニーホップを決める photo:CorVos
実力差が浮き彫りになる中盤〜後半戦では、W杯2連勝中のエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)と好調ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ)のペースメイクによって先頭グループは5名に絞られる。すると40分が過ぎたタイミングで、ここまでレースを引っ張り続けてきたイゼルビットが猛然とペースを上げた。

コーナーを立ち上がるたびにダッシュを続けるイゼルビットは、差をつけにくいコースで3秒、5秒とリードを拡大。協調して追走を試みた2位グループは最後まで追いつかず、女子のファンエンペルと同じくW杯開幕3連勝を挙げた。

独走体制を築くエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)独走体制を築くエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) photo:CorVos
独走でフィニッシュするエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)独走でフィニッシュするエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) photo:CorVos
後続グループから抜け出したラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が2位で、マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が3位。優勝したイゼルビットは「勝つのが難しいコース。アメリカ帰りで勝てて良かった。この先のレースはヨーロッパ選手権を見据えて何か違う作戦を試してみたい」と話している。
UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第3戦 男子エリート結果
1位 エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) 1:02:43
2位 ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) +0:05
3位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) +0:26
4位 ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) +0:32
5位 クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンスシクロクロスチーム) +0:43
6位 イェンス・アダムス(ベルギー) +0:48
7位 ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) +0:53
8位 ケヴィン・クーン(スイス、トルマンスシクロクロスチーム) +0:59
9位 ミカエル・ボロシュ(チェコ) +1:05
10位 タイス・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) +1:13
UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第3戦 女子エリート結果
1位 フェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) 53:32
2位 パック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) +0:03
3位 アンマリー・ワースト(オランダ、777) +0:04
4位 デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) +0:08
5位 カータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス) +0:09
6位 セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) +0:26
7位 シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) +0:30
8位 インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777) +0:42
9位 アニック・ファンアルフェン(オランダ、777) +0:45
10位 マリー・シュライバー(ルクセンブルク、トルマンスシクロクロスチーム) +0:48
text:So Isobe
photo:CorVos

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