宇都宮の地で勝利を飾ったニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)は「長い時間をかけて遠い日本にきた甲斐があったよ」と笑いを誘った。2位のピッコロやアジア人最高位の新城幸也など、選手たちのコメントを紹介します。



優勝 ニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)

勝利の雄叫びを上げるニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)勝利の雄叫びを上げるニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:Kei Tsuji
美しい公園の中にある最高のコースだった。走っていて本当に楽しかった。レースは僕たちに有利な形で展開した。こんなにも激しいレースでワンツーフィニッシュすることができた。長い時間をかけて遠い日本にきた甲斐があったよ(笑)。

序盤のトレックによるアタックは驚いた。けれどアンドレア(ピッコロ)とジェームズ(ショー)が追従してくれたのでチームとして問題はなかった。だからこそ(メイン)集団内で脚を溜め、他のチームの動きを観察していた。そして集団が再び1つになった。

昨日のレース(クリテリウム)で自分自身、またチームとして自信が芽生えていたんだ。だからこそ少し早めに仕掛けることができた。終盤に残った集団の中でアンドレアが最もスプリント力のある選手だと思っていたからこそ、追いつかれたとしても”保険がある”と果敢に攻めることができたんだ。

優勝 ニールソン・ポーレス(EFエデュケーション・イージーポスト)優勝 ニールソン・ポーレス(EFエデュケーション・イージーポスト) photo:Satoru Kato
淡々とメイン集団を牽引した岡篤志(EFエデュケーション・イージーポスト)淡々とメイン集団を牽引した岡篤志(EFエデュケーション・イージーポスト) photo:Kei Tsuji
チームメイトの岡は本当に強さを見せてくれた。3位だった昨日のレースで見せたスプリント力だけでなく、集団の先頭で牽引できる力も見せた。おかげで後ろで脚を溜めることができた。彼のような選手がいてくれるおかげでレース運びがスムーズになり、モチベーションが高まったんだ。今日のレースに彼がいて本当に良かったよ。

僕の次なる目標は良いオフシーズンを過ごすこと(笑)。この後5日間を東京で過ごし、その後フランスの家に戻る。来シーズンの開幕がUAEツアーになるのか、それとも他のレースになるのかわからないけれど、ひとまずはオフシーズンを楽しみたい。



2位 アンドレア・ピッコロ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)

抜け出して2位となったアンドレア・ピッコロ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)抜け出して2位となったアンドレア・ピッコロ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:Makoto AYANO
かなりキツいレースだった。スタートからトレック・セガフレードのアタックがあり、最初の2周はフルガスだった。彼らのアタックにそこまでの驚きはなかった。

残り3周目だったと思うが、メカトラのためバイク交換しなければならなかった。だがその下りで先頭集団に合流することができた。最後の登りでニールソン(ポーレス)が1人で飛び出し、僕は集団内で次の動きを待っていた。ラスト3kmでニールソンを目指し、僕自身がアタックしたんだ。

レース前にあったプランは「勝つこと」。それだけ(笑)。でも僕かニールソンで勝負をするつもりで、その通りワンツーフィニッシュをすることができた。本当に嬉しいよ。



3位 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、チーム右京)

表彰式後の記者会見に出席したベンジャミン・ダイボール(チーム右京)表彰式後の記者会見に出席したベンジャミン・ダイボール(チーム右京) photo:Satoru Kato
これは僕たちチームにとって大切なレース。トップ5を目指していたので、3位で表彰台に上がることができて本当に嬉しい。



9位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)

残り4周 ティム・ウェレンス(ロット・スーダル)を先頭に古賀志林道をハイペースで駆け上がる残り4周 ティム・ウェレンス(ロット・スーダル)を先頭に古賀志林道をハイペースで駆け上がる photo:Satoru Kato
個人的にとても好きな登りだった。ヨーロッパの登りとは異なるけれど、まるでミニ・ラルプ・デュエズのようだった。ただ、ダウンヒルはテクニカルだし、木の陰になっている部分の路面の状態が分からなかったので最後まで自信なく下っていた。

今日の計画はとにかく先頭集団に食らいつくことだった。特に下りでは遅れないようにね。レースが終盤になるにつれて激しい展開となることは分かりきっていたので、脚がもつかどうかだけが問題だった。



11位&日本人最高順位&アジア人最優秀賞 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)

ファーストアタックに乗り遅れた新城幸也(バーレーン・ヴィクリアス)と中根英登が追走するファーストアタックに乗り遅れた新城幸也(バーレーン・ヴィクリアス)と中根英登が追走する photo:Makoto AYANO
3年ぶりの開催ということもあり、僕自身すごく楽しみにしていたレース。チームとしてジャパンカップに戻ってくることができて、走ることができて本当に嬉しかったです。

今日は序盤から厳しいレースになったものの、チームとして上手く立ち回ることができました。最後は先頭についていくことはできなかったのですが、ハーマン(ペーンシュタイナー)が表彰台まであと一歩という成績を残してくれたので、すごく良い一日でした。

アジア人最高11位フィニッシュの新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)アジア人最高11位フィニッシュの新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) photo:Makoto AYANO


13位 シモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス)

ニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)に食らいつくシモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス)ニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)に食らいつくシモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス) photo:Kei Tsuji
とてもハードなコースで、たくさんのアタックが繰り広げられる厳しいレースだった。チームではギヨーム(マルタン)が最も強かったので、最後は彼のアシストに徹していた。EFが戦術的に優れていたので勝利には相応しいと思う。だけど僕たちも良いレースができた。

(序盤のトレックによるアタックには)少し驚かされたものの、その後引き戻すことができた。だが、そのために力を使わなければならなかったのは事実。あれは意表を突く良い動きだったね。

この後は午前3時に宇都宮を出発し、朝8時の飛行機でパリに戻る予定だよ。ところで僕、ビーガンなんだけど宇都宮で良いレストラン知らない?



山岳賞(9周目) 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)

KOMに向けて飛び出した増田成幸(宇都宮ブリッツェン)KOMに向けて飛び出した増田成幸(宇都宮ブリッツェン) photo:Kei Tsuji
チームとしては厳しい戦いを強いられ、後手に回ってしまいました。阿部嵩之と小野寺選手が一回引き戻してくれたので良かったです。

そんな中でも今日唯一良かったことは山岳賞を取れたことでした。ジャパンカップに十数回出て初めて(山岳賞を)取りました。毎年山岳賞は狙わずに来ていたのですが、今日はお客さんに感謝の気持ちを伝えるためにも、取りに行きました。

良い結果で終えることができなかったのが心残りですが、レースを楽しむことのできた2日間でした。

山岳賞表彰式 左から、ジェームズ・ショー、岡篤志(共にEFエデュケーション・イージーポスト)、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)山岳賞表彰式 左から、ジェームズ・ショー、岡篤志(共にEFエデュケーション・イージーポスト)、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:Satoru Kato
text:Sotaro.Arakawa