スプリントで決着したツール・ド・台湾最終日。最終盤の展開を掌握したトレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチームのモハメドハリフ・サレー(マレーシア)が勝利し、ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、チーム右京)がリーダージャージを守り、総合優勝に輝いた。



この日のコースで唯一の登り区間である大鵬湾跨海大橋に向かうプロトンこの日のコースで唯一の登り区間である大鵬湾跨海大橋に向かうプロトン photo:Tour de Taiwan
5日間に渡って行われたツール・ド・台湾(UCI.2.1)は最終日を迎え、台湾本島の最南である屏東県を舞台に争われた。コースは大鵬湾を取り囲む12kmを12周する144kmで、大鵬湾跨海大橋の登りを除けば平坦路が続くスプリントステージだ。

第4ステージ終了時点でチーム右京のベンジャミン・ダイボール(オーストラリア)が2位に35秒差をつけて総合首位、46秒差の3位にマルコス・ガルシア(スペイン、キナンレーシングチーム)が入っている。日本から参戦したキナンレーシングチームとチーム右京、愛三工業レーシングチーム、シマノレーシングの4チームを含む54名が出走した。

補給を受け取るダミアン・モニエ(フランス、愛三工業レーシングチーム)補給を受け取るダミアン・モニエ(フランス、愛三工業レーシングチーム) photo:Tour de Taiwan
チームメイトに守られながらプロトンで走行するベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、チーム右京)チームメイトに守られながらプロトンで走行するベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、チーム右京) photo:Tour de Taiwan
この日は序盤から逃げが決まらず、レース距離を半分消化した辺りでようやく8名による逃げグループが形成された。それをリーダーチームであるチーム右京がメイン集団のコントロールを担い、終盤に入りキナンも牽引に加わったことで残り1kmで逃げを吸収。勝負は集団スプリントに持ち込まれた。

緩やかなコーナーが連続する最終盤で主導権を握ったのは、マレーシアのコンチネンタルチームであるトレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム。その後ろに中島康晴(キナンレーシングチーム)やレイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京)が追従したものの、トレインから発射されたモハメドハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム)がそのまま先頭でフィニッシュラインを通過した。

スプリント勝利したモハメドハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム)スプリント勝利したモハメドハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム) photo:Tour de Taiwan
リーダージャージを守り総合優勝に輝いたベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、チーム右京)リーダージャージを守り総合優勝に輝いたベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、チーム右京) photo:Tour de Taiwan
そして、トップと同タイムの18位でレースを終えたダイボールが総合優勝に輝く。「このツール・ド・台湾では非現実的なほど(成功した)5日間となった。第2ステージで勝利を挙げて以降、総合優勝を守り切ることができた。力を貸してくれたチームメイトに感謝したい。彼らがいなければ総合優勝することは不可能だった。また、僕を信じてくれたすべての人に感謝を伝えたい」と、ダイボールは自身のSNSに総合優勝の喜びを綴っている。

また総合3位にはマルコス・ガルシア(スペイン、キナンレーシングチーム)が入り、日本チームの活躍の目立つ大会となった。ガルシアは「3位にはとても満足している。チームとして機能できたので、5日間何ひとつ問題なく走り切ることができた。新型コロナウイルスの影響でこの2年間は複雑だったし、レースをほとんど走ることができなかったので、それでも今回のように結果を残せたことは喜んで良いと思う。近年では一番良い走りができたと実感もしている」とチームのレースレポート内でコメントしている。
ツール・ド・台湾2022第5ステージ結果
1位 モハメドハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム) 3:11:24
2位 レイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京)
3位 ルーク・ランペルティ(アメリカ、トリニティレーシング)
4位 中島康晴(キナンレーシングチーム)
5位 草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績
1位 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、チーム右京) 15:29:05
2位 サム・カルバーウェル(イギリス、トリニティレーシング) +0:35
3位 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンレーシングチーム) +0:45
4位 ルーク・ランペルティ(アメリカ、トリニティレーシング) +1:32
5位 レイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京) +1:48
その他の特別賞
ポイント賞 ルーク・ランペルティ(アメリカ、トリニティレーシング)
山岳賞 サム・カルバーウェル(イギリス、トリニティレーシング)
チーム総合成績 台湾ナショナルチーム
text:Sotaro.Arakawa
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