ツール・ド・北海道第2ステージは、倶知安町をスタート・フィニッシュとする186kmで行われ、残り500mの登りスプリント勝負を制した谷順成(那須ブラーゼン)が優勝。2位の門田祐輔(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)が個人総合首位となった。



スタートラインに揃った3賞ジャージ ポイント賞は次点の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が着用スタートラインに揃った3賞ジャージ ポイント賞は次点の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が着用 photo:Satoru Kato
ツール・ド・北海道2日目は、倶知安町のニセコグラン・ヒラフスキー場前をスタートし、ニセコ周辺を反時計回りにぐるっと回ってスタート地点に戻ってくるコース設定。序盤に1級山岳の新見峠を登り、下ったあとの中盤は平坦基調となるが、終盤は細かなアップダウンが繰り返される。残り500mは「ひらふ坂」を登ってフィニッシュ。186kmは今大会最長のステージであり、総合優勝争いに大きく影響するクイーンステージだ。

「蝦夷富士」とも呼ばれる羊蹄山をバックにリアルスタート「蝦夷富士」とも呼ばれる羊蹄山をバックにリアルスタート photo:Satoru Kato
序盤に形成された7名の先頭集団序盤に形成された7名の先頭集団 photo:Satoru Kato
前日に続き、朝から青空が広がり、ニセコのシンボル「羊蹄山」が、コースのどこからでもハッキリと見える1日。朝方の涼しさが若干残る午前9時30分にスタートしたレースは、7名の先行が容認されて動き始める。

先行したメンバーは、山田拓海(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)、新城雄大(キナンレーシングチーム)、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)、湊諒(シマノレーシング)、阿部嵩之、堀孝明(以上宇都宮ブリッツェン)、島野翔太(北海道地域選抜)。

リーダージャージの今村駿介を擁するチームブリヂストンサイクリングがコントロールリーダージャージの今村駿介を擁するチームブリヂストンサイクリングがコントロール photo:Satoru Kato
メイン集団は総合首位の証「マラカイトジャージ」を着る今村駿介擁するチームブリヂストンサイクリングがコントロールに入るも、先行する7名との差は3分以上まで開く。

1級山岳の新見峠に向けて単独で飛び出したホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)1級山岳の新見峠に向けて単独で飛び出したホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato
1級山岳の新見峠をクリアする先頭集団1級山岳の新見峠をクリアする先頭集団 photo:Satoru Katoメイン集団はキナンレーシングチームが先頭で新見峠を通過メイン集団はキナンレーシングチームが先頭で新見峠を通過 photo:Satoru Kato

40km地点の1級山岳「新見峠」への登りに入ると、先頭集団からトリビオが単独先行して頂上を先頭でクリア。メイン集団はキナンレーシングチームが先導して登りをクリアしていく。

最大で3分差をつけて逃げ続けた6名最大で3分差をつけて逃げ続けた6名 photo:Satoru Kato
110km地点付近 昆布川を渡るメイン集団 奥に見えるのはニセコ連峰110km地点付近 昆布川を渡るメイン集団 奥に見えるのはニセコ連峰 photo:Satoru Kato
新見峠から下りきると、先頭集団からは堀が遅れて6名に。メイン集団は再びチームブリヂストンサイクリングがコントロールし、2分前後の差で進行していく。100kmを過ぎたあたりでチームブリヂストンサイクリングのコントロールが終わると、数名の飛び出しに同調する動きが相次ぎ、10名以上の追走集団が形成される。この中にEFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチームはメイン集団にいた4名全員が加わりペースを上げていく。

110km付近 先行した集団に次々とブリッジがかかる110km付近 先行した集団に次々とブリッジがかかる photo:Satoru Kato
EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチームがペースアップEFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチームがペースアップ photo:Satoru Kato
先行する6名との差は徐々に縮まり、140kmを過ぎたあたりで追走集団が捕まえる。一方で、この動きに同調しなかった今村、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、山本大喜(キナンレーシングチーム)らは4分以上後方の集団に取り残される。この次点でのバーチャルリーダーは松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)に移る。さらに残り20kmに設定されたホットスポットを2位通過したトマ・ルバ(キナンレーシングチーム)が2秒のボーナスタイムを得て新たにバーチャルリーダーとなる。

150km地点付近で先行していた6名に追走集団が合流する150km地点付近で先行していた6名に追走集団が合流する photo:Satoru Kato
残り5km ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)がアタック残り5km ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)がアタック photo:Satoru Kato
残り10kmを過ぎると、先頭集団内では牽制の蛇行が始まる、その間隙をついてトリビオがアタックを試みるも決定打とならず、勝負は「ひらふ坂」の登り勝負へ。

残り50m 前に出る谷順成(那須ブラーゼン)残り50m 前に出る谷順成(那須ブラーゼン) photo:Satoru Kato
谷順成(那須ブラーゼン)が第2ステージ優勝谷順成(那須ブラーゼン)が第2ステージ優勝 photo:Satoru Kato
レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)が先行するも、中腹で失速。それをかわして上がってきたのは、門田祐輔(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)と谷順成(那須ブラーゼン)。「直線の登りで近く見えてしまい、ちょっと早がけしてしまった」と言う門田に対し、「スタート前に登ってみて、残り300mから仕掛けると決めていた」と言う谷が先頭に出てフィニッシュ。自身にとってもチームにとってもUCIレース初勝利を挙げた。

3賞ジャージが5分近く遅れてフィニッシュ3賞ジャージが5分近く遅れてフィニッシュ photo:Satoru Kato
総合上位3名の今村、増田、山本大喜は、5分近く遅れて揃ってフィニッシュ。これにより、ステージ2位となった門田が個人総合首位となった。

ポイント賞ジャージを獲得した谷順成(那須ブラーゼン)ポイント賞ジャージを獲得した谷順成(那須ブラーゼン) photo:Satoru Kato第2ステージ優勝 谷順成コメント
「このコース設定が公表された時から自分向きだと言われていた。西尾憲人選手と追走集団に入った時に2人で話して、僕でフィニッシュを狙うことを決めた。EF(エデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)やキナン(レーシングチーム)がレースを動かして、僕らはそれにうまく乗ることが出来た。最後のひらふ坂は、(レオネル・)キンテロ選手が先行していたけれど、自分の思い描いた通りに勝負出来た。

ポイント賞ジャージを獲得したが、最終日はそれを守るよりも攻めの気持ちで臨みたい」

個人総合首位は門田祐輔(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)個人総合首位は門田祐輔(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム) photo:Satoru Kato個人総合首位 門田雄介コメント
「ブリヂストンが集団コントロールをやめたところでアタック合戦になって、自分達のチーム4名が前に残れたことで良い流れになった。ステージ優勝出来なかったのは残念だが、久々のリーダージャージで嬉しい。チームスポンサーのNIPPOは大会スポンサーでもあるので、明日はなんとしても首位を守り切って表彰台に乗りたい」
ツール・ド・北海道2022 第2ステージ結果(倶知安町〜倶知安町・186km)
1位 谷 順成(那須ブラーゼン) 4時間35分29秒
2位 門田祐輔(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム) +0秒
3位 トマ・ルバ(キナンレーシングチーム、フランス) +5秒
4位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ、スペイン) +9秒
5位 中井唯晶(シマノレーシング) +15秒
6位 レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ、ベネズエラ) +19秒
7位 松田祥位(チームブリヂストンサイクリング) +23秒
8位 留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム) +26秒
9位 織田 聖(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)
10位 渡邊翔太郎(愛三工業レーシングチーム) +29秒
個人総合成績(第2ステージ終了時)
1位 門田祐輔(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム) 8時間37分2秒
2位 トマ・ルバ(キナンレーシングチーム、フランス) +5秒
3位 松田祥位(チームブリヂストンサイクリング) +29秒
4位 谷 順成(那須ブラーゼン) +1分15秒
5位 今村駿介 (チームブリヂストンサイクリング) +4分19秒
6位 山本大喜 (キナンレーシングチーム) +4分22秒
7位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン) +4分25秒
8位 マルコス・ガルシア (キナンレーシングチーム、スペイン) +4分57秒
ポイント賞(第2ステージ終了時)
1位 谷 順成(那須ブラーゼン) 32p
2位 門田祐輔(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム) 29p
3位 トマ・ルバ(キナンレーシングチーム、フランス) 29p
山岳賞(第2ステージ終了時)
1位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) 10p
2位 山本大喜(キナンレーシングチーム) 10p
3位 留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム) 8p
チーム総合成績(第2ステージ終了時)
1位 キナンレーシングチーム 25時間56分45秒
2位 EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム +6分15秒
3位 マトリックスパワータグ +10分44秒
チームU26総合成績
1位 EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム 26時間3分2秒
2位 チームブリヂストンサイクリング +17分18秒
3位 北海道地域選抜 +43分10秒

text&photo:Satoru kato

最新ニュース(全ジャンル)