平坦ステージが連なった6日間の第25回シマック・レディース・ツアーが開幕。横風分断が発生した混沌の初日を新欧州王者のロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)が制し、今季の通算勝利数を18に伸ばしている。



ヨーロッパ王者としての初戦を母国で迎えたロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)ヨーロッパ王者としての初戦を母国で迎えたロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
自転車大国オランダにて第25回シマック・レディース・ツアー(UCIワールドツアー)が開幕した。2020年までブールス・レディース・ツアーという名だった同大会は、ベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)で唯一のワールドツアーのステージレースとして高いレベルを誇ってきた。

6日間日程で行われる舞台はヨーロッパで最も平坦な国オランダ。そのため全ステージが平坦基調のレイアウトで、最高地点でも203m(第4ステージに登場)とカテゴリー山岳はない。そのため総合優勝の鍵を握るのは第5ステージに用意された18km個人タイムトライアルであり、ここでトップタイムを叩き出した選手が最終的なリーダージャージ獲得を大きく引き寄せる。

初日のスタート地点であるレリスタットに集ったのは8月21日のヨーロッパ選手権を初制覇したロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)や、同じ23歳で今年のジロ・デ・イタリア ドンネで区間1勝を挙げたキアラ・コンソンニ(イタリア、バルカー・トラベル&サービス)などトップスプリンターたち。また2017年のロード世界選手権王者でオランダ出身のシャンタル・ブラーク(SDワークス)も出場した。

レース序盤から横風がプロトンを襲い集団が分裂したレース序盤から横風がプロトンを襲い集団が分裂した photo:CorVos
約2ヶ月振りとなるレースで落車リタイアしたコリン・ラベッキ(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)約2ヶ月振りとなるレースで落車リタイアしたコリン・ラベッキ(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos中盤で落車し、先頭集団に復帰したロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)中盤で落車し、先頭集団に復帰したロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) photo:CorVos

海抜-3mのレリスタットに設定された周回コースを巡る第1ステージは、もちろん丘1つない真っ平らな141.2kmで行われた。スタートから20kmほど逃げが生まれない穏やかな幕開けとなり、プロトンをウィーベスを擁するチームDSMがプロトンを制御。しかし25km地点で横風が吹き付け集団は分断し、28名による先鋭集団が後続に対し15秒のリードを奪った。

先頭に第2集団が合流するなか、この混沌とした展開でユンボ・ヴィスマの元アメリカ王者コリン・ラベッキが落車し、マリアンヌ・フォス(オランダ)の代わりにエーススプリンターを任された30歳が早くもレースを去ることに。ウィーベス自身も中盤で落車に巻き込まれたものの、無事先頭集団へ復帰している。

21名の先頭集団がスプリントへとなだれ込んだ21名の先頭集団がスプリントへとなだれ込んだ photo:CorVos
シマック・レディース・ツアー初日を制したロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)シマック・レディース・ツアー初日を制したロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
最終的に21名に絞られた先頭集団は、それぞれアシストを2名残したウィーベスとオードリー・コードンラゴ(フランス、トレック・セガフレード)、カーリーン・スヴィンケルス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)による三つ巴スプリントに持ち込まれる。務めるシャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)から放たれたウィーベスが、圧倒的なスピードで初日勝者に輝いた。

「風は予測しており、最初の横風分断で自分を含めチームから先頭集団に4名入ることができた。最後はフランシスカ(コッホ)がペーシングとアタックを潰し、ラスト5kmはシャーロッテ(コール)が最終コーナーまで完璧なポジションへと導いてくれた。彼女たちの走りに勝利で報いることができてスーパーハッピー」と母国レースで勝利を収めたウィーベスは喜んでいる。

翌日ももちろん平坦基調のレイアウト。オランダ中部に位置するエーデの38kmコースを3周回するスプリンターステージだ。

リーダージャージに袖を通したロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)リーダージャージに袖を通したロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
シマック・レディース・ツアー2022第1ステージ結果
1位 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) 3:17:24
2位 カーリーン・スヴィンケルス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
3位 オードリー・コードンラゴ(フランス、トレック・セガフレード)
4位 アリソン・ジャクソン(カナダ、リブレーシング・エクストラ)
5位 ユージェニー・デュヴァル(フランス、FDJスエズ・フチュロスコープ)
個人総合成績
1位 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) 3:17:13
2位 カーリーン・スヴィンケルス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 0:05
3位 オードリー・コードンラゴ(フランス、トレック・セガフレード)
4位 アリソン・ジャクソン(カナダ、リブレーシング・エクストラ) 0:07
5位 アンナ・ヘンダーソン(イギリス、ユンボ・ヴィスマ) 0:08
その他の特別賞
ポイント賞 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)
山岳賞 カーリーン・スヴィンケルス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
ヤングライダー賞 エレオノーラ・カミーラ・ガスパリーニ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス)
チーム総合成績 ユンボ・ヴィスマ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos