ギヨーム・マルタン(フランス)をエースに据えツールを戦ったコフィディス。フランスチームがツール・ド・フランスで使用したデローザのMERAKやSK Pininfarina、TT-03を紹介しよう。



コフィディスのチームバイク デローザ MERAK コフィディスのチームバイク デローザ MERAK
ワールドチームとして3シーズン目となるコフィディスは、今年もギヨーム・マルタン(フランス)をエースナンバーに据えてツールへ参戦。第9ステージでマルタンはコロナ陽性となりDNSなったものの、同日、そのエースの脱落を補うようにシモン・ゲシュケ(ドイツ)が逃げに乗りマイヨアポワを獲得。第18ステージまで水玉ジャージを着用(繰り下がりでシャンゼリゼまで着用し続けた)し、大きな存在感を放ち続けた。

フランスに籍を置くコフィディスだが、機材面ではイタリアンブランドを重用している。フレームはイタリア御三家にも数えられる老舗、デローザを使いづつけて今年で3年目になる。

サドルはセッレイタリアだサドルはセッレイタリアだ ハンドルはヴィジョンのMetron 5Dを使用する選手が多いハンドルはヴィジョンのMetron 5Dを使用する選手が多い


ベンジャミン・トマ(フランス)のデローザ SK Pininfarinaベンジャミン・トマ(フランス)のデローザ SK Pininfarina
メインバイクとなるのが、デローザのオールラウンダーであるMERAK。オーソドックスなチュービングながら、しっかりケーブル内装システムを採用するなど最先端のスペックを持ったレーシングフレームだ。一方、トラックのポイントレースで世界王者でもあるバンジャマン・トマ(フランス)は、エアロロードであるSK Pininfarinaに跨った。

MERAK、SKともにFSAのACRケーブルフル内装システムを採用していることもあり、コックピット周りはFSAおよびヴィジョンで固められている。中でもステム一体型ハンドルのMetron 5Dを使用する選手が多いようだ。

ガリビエへ登る第11ステージではゲシュケがカーボンスポークモデルのMCC WS+ DXを使用ガリビエへ登る第11ステージではゲシュケがカーボンスポークモデルのMCC WS+ DXを使用
コンポーネントはカンパニョーロ SUPER RECORD EPSコンポーネントはカンパニョーロ SUPER RECORD EPS ホイールはコリマ、タイヤはミシュランのPOWER COMPETITIONチューブラーと、フレンチブランドで足回りを固めるホイールはコリマ、タイヤはミシュランのPOWER COMPETITIONチューブラーと、フレンチブランドで足回りを固める


コンポーネントはカンパニョーロのトップモデルであるSUPER RECORD EPS。パワーメーターを使用する選手はSRMのSUPER RECORDモデルを使う選手もいれば、SRMの純正クランクを用いたバイクも見受けられた。また、ボトルケージ/ボトルもエリートと、イタリアブランドで揃えられている。

一方、足回りはフレンチブランドで統一しているのもユニークなポイントだ。ホイールは今年からコリマを採用し、タイヤはミシュラン、ペダルはルックとなっている。スチールスポークモデルのWS Blackをコースに合わせてリムハイトを選択していた一方で、ガリビエへ登る第11ステージではゲシュケがカーボンスポークモデルのMCC WS+ DXを使用する姿も見られた。タイヤはミシュランのチューブラーモデル、POWER COMPETITIONを組み合わせている。

デローザ TT03 DISKデローザ TT03 DISK
機械式ブレーキキャリパーを使用するバイクもちらほら機械式ブレーキキャリパーを使用するバイクもちらほら クリンチャーのPOWER TTを履いたバイクもあったクリンチャーのPOWER TTを履いたバイクもあった


フロントホイールには3スポーク WS TTが、リアにはDISC WS TT C+ DXを採用フロントホイールには3スポーク WS TTが、リアにはDISC WS TT C+ DXを採用
TTバイクはデローザのTT03 DISKを使用。ついに登場したカンパニョーロのTT用12速油圧ディスクコンポーネントを採用したバイクも用意される一方で、まだ十分な数が行き渡っていないのか昨年同様に11速の機械式コンポーネントとTRPの機械式ディスクキャリパーを組み合わせたバイクも見受けられた。

フロントホイールには3スポーク WS TTが、リアにはDISC WS TT C+ DXを採用。一方、TTバイクのタイヤは、ロードと同様にチューブラーのPOWER COMPETITIONを使用する選手と、クリンチャーでも屈指の転がり抵抗を誇るといわれるPOWER TimeTrialを使う選手とに分かれていたようだ。

text:Naoki Yasuoka
photo:Makoto.AYANO