イタリアで練習中だった8月8日に落車し、今季中の復帰が絶望と報じられたティシュ・ベノート (ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)。自身のSNSを通して「命に別条はないものの、首の骨を折る怪我を負った」と伝えた。一部報道によると駐車場から出てきた車に衝突したのだという。



今年のツールではアシストに徹したティシュ・べノート(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)今年のツールではアシストに徹したティシュ・べノート(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
ティシュ・ベノート (ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が怪我を負ったのはスイスの国境沿いのイタリア・リヴィーニョ。標高が1,800mほどの高地でシーズン後半戦に向けてトレーニング合宿を行っていた。

一部報道によるとべノートが落車したのは下り区間。落車に車両がかかわっていたのかに関して等は明らかにされていないものの、チームによるとべノートは複数箇所の骨折を負ったという。これによりべノートは次戦として予定されていた9月9日のグランプリ・シクリスト・ド・ケベックと11日のグランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(共にUCIワールドツアー)を欠場し、また9月25日にオーストラリアで開催される世界選手権も絶望的だという。

今年ユンボ・ヴィスマに加入したべノートは現在28歳。2018年にストラーデビアンケを制したものの、それ以降はビックレースでの勝利から遠ざかっており、契約期間内にもかかわらずチームDSMを離れた。今年はドワーズ・ドール・フラーンデレンで2位、アムステルゴールドレースで3位に入る復活の兆しを見せるとツール・ド・フランスのメンバーに選出。平地も山岳もこなせるアシストとしてヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)のマイヨジョーヌ、ワウト・ファンアールト(ベルギー)のマイヨヴェール獲得に尽力した。

8月11日追記

落車した翌日、べノートは自身のインスタグラムで現状を報告した。


「まずは、皆に僕が無事であることを伝えたい。

昨日、イタリア側のアルプスで事故に巻き込まれてしまった。いま僕は病院に入院しており、適切な治療を受けながら回復に努めている。深刻であった状況に反し、検査の結果は首の小さな骨折を負っただけだった。なお命に関わるような怪我ではなく、現在の状態も安定している。

心温まるメッセージを送ってくれた全員に感謝を伝えたい。

来週より復帰を目指して全力を尽くす」

いまだイタリアの病院に入院中のべノート。本人や所属するユンボ・ヴィスマは事故の詳細を明らかにしていないものの、一部報道によると、べノートはダウンヒル中に駐車場から出てきた車と衝突したのだという。

text:Sotaro.Arakawa