6月8日に開幕するクリテリウム・デュ・ドーフィネに向け、レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がコメントを発表。「具体的な目標はない」としながらも、ポガチャルやヴィンゲゴーとの直接対決が注目される。



クリテリウム・デュ・ドーフィネに出場するレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

「チームに復帰し、またレースを走れることを嬉しく思う。シエラネバダでの高地トレーニングは充実したものとなり、ドーフィネに向けての準備は万全。特に明確な目標を持って臨むわけではなく、最も重要なのは自分のコンディションを確かめること。もちろんいつくかの良い結果を狙っていくものの、1ステージずつ集中し、その結果を見てみるつもりだ」と、エヴェネプールはチームリリースでそうコメントした。

フランスの真ん中に位置するアリエ県、ドメラが開幕地となった今年のクリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)。そこにエヴェネプールはスペインのシエラネバダでの高地合宿を終え、ツール・ド・ロマンディ以来となる約1ヶ月ぶりのレース復帰を果たす。その先に見据えるのは、もちろん7月5日に開幕するツール・ド・フランスでの成功だ。

4月のブラバンツ・ペイルで勝利したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

昨年の12月3日、母国ベルギーでの練習中に停車していた郵便配達バンのドアに衝突し、肋骨や右肩甲骨、手の骨折に加え、両肺の挫傷と鎖骨の脱臼という大怪我を負ったエヴェネプール。しかし驚異的な回復を見せると、復帰レースとなった4月18日のブラバンツ・ペイル(UCI.Pro)でいきなり優勝を飾った。

その後はクラシックレースで勝利に迫りながら、調整不足が露呈する場面もあったものの、ロマンディ最終日の個人タイムトライアルでTT世界王者にふさわしい勝利を掴む。そして好感触と共に高地合宿へ向かっていた。

2024年ツールでは総合3位&マイヨブランを獲得したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

ドーフィネでは第4ステージに17.7kmの個人TTが設定され、またツールでマイヨジョーヌを争うこととなる、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)やヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)との直接対決も見所の1つ。特に第6ステージから始まる山岳&山頂フィニッシュ3連戦で、エヴェネプールがどんな走りをするかが注目される。

チームを率いるトム・ステールス監督は、「TTは(調子を確かめる)良い試金石となり、そこでレムコが存在感を示してくれることを期待している。しかし僕らは総合優勝を狙うつもりはない」とコメント。あくまでツール本番を見据え、結果よりもコンディションの確認を重視する姿勢を強調した。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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