「ユンボへの移籍がキャリア最高の選択だった」とチームへの感謝を語ったクリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)。区間2勝目を逃したフィリプセンや、明日の個人TTへの意気込みを語るヴィンゲゴーなどの言葉を紹介します。



区間優勝 クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)

今大会フランス人として初勝利を飾ったクリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィスマ)今大会フランス人として初勝利を飾ったクリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィスマ) photo:Makoto AYANO
キャリア最高の日。いまだ現実とは思えず、この勝利とチームからの信頼が本当に嬉しかった。残り5km地点でワウト(ファンアールト)が僕に「今日は君の日だ」と声をかけてくれたんだ。僕たちの最優先事項はヨナス(ヴィンゲゴー)を無事に残り3km地点まで届けること。その役目を終え、自分でスプリントする青信号が灯ったんだ。

早めにスプリントを開始した。最終コーナーで飛び出し、プロトンと差が拡がった時は驚いたよ。先行していた3人に追いつき、残り500mから全力で踏み込んだ。そして後ろを振り返っても誰もいなかった。自分の勝利がにわかには信じられなかった。今日は僕の日だったという事実がね。

ユンボ・ヴィスマへの移籍は僕のプロキャリア最高の選択だった。いまだかつてこれほどコンディションが良かったことはない。今大会の準備のため5週間に及ぶ高地トレーニングを行い、そこで良い経験を積むことができたんだ。ユンボ・ヴィスマによる事前トレーニングは完璧で、自分が世界最高のチームの一員であることに感動している。

区間2位 ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)

ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)はラポルトに届かず2位ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)はラポルトに届かず2位 photo:Makoto AYANO
ラポルトは混沌を上手く利用した。アタックが繰り返されるなか、僕たちチームは追走に力を使わなくてはならなかった。その結果アシストの数が減り、統制が取れなくなってしまった。6名という人数では適切な場所で力を使わなければならない。今日はチャンスがあったものの、コーナーでミスを犯しチームメイトから離れてしまったんだ。それが勝利を逃すことに繋がってしまった。しかしまだ日曜(第21ステージ)が残っている。

区間5位&総合2位&マイヨブラン タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

ステージ5位でフィニッシュしたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)ステージ5位でフィニッシュしたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Makoto AYANO
今日のステージは高速で進み、最終盤のスピードも速かった。僕たちチームは4人まで人数が減ったものの、一丸となって走ることができた。彼らに感謝したい。厳しいステージを経て行われる明日のタイムトライアルはどうなるんだろうね。1つ確実なことは、僕がベストを尽くすということだ。

区間10位 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 

今日のコースは僕に適していたこともあり、勝利できず落ち込んでいる。終盤で3人がアタックしたが、追走できるほどアシストの人数を残しているチームがいなかった。そのためとても難しく、混沌とした最終盤になってしまった。今日唯一良かったのは体調が戻ってきたこと。日曜のパリでの勝利に向けて自信を取り戻すことができた。

マイヨジョーヌ&マイヨアポワ ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)

個人タイムトライアルを見据えるヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)個人タイムトライアルを見据えるヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) photo:Makoto AYANO
とてもストレスの多い1日を無事に終えることができて嬉しいよ。何よりもクリストフがステージ優勝を挙げることができ、本当に嬉しい。彼は本当に良い人間性の持ち主なんだ。そんな彼にこそ今日の勝利はふさわしい。

この3週間に渡り、彼はアシストに徹してくれた。そして今日、自ら勝利を掴み取った。本当に嬉しいし、なんてチームなんだと僕自身思っているよ。

明日の個人タイムトライアルのコースは今年の4月に試走済み。終始テクニカルと言えるが、最初の10kmが特に複雑だね。明日はポガチャルを意識するのではなく、ただ全力を尽くして走るだけだ。

ー明日は大きなサプライズは待っているかな?

その質問はタデイ(ポガチャル)にするべきじゃないかな。僕はベストを尽くすだけだ。

マイヨヴェール ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)

ファンアールトとファンフーイドンクが肩を組みながらフィニッシュファンアールトとファンフーイドンクが肩を組みながらフィニッシュ photo:Makoto AYANO
(勝利を狙いに行かなかったことで)世界中に僕も人間だということを示せたんじゃないかな。(笑)

ーヴィンゲゴーについて語ってくれ。

とんでもない脚の持ち主で、今大会を通して真のエースへと成長した。プロ転向直後の彼はシャイで自信なさ気だったが、昨年のツールを経て自信をつけた。いまの彼は「明日は勝利を狙いに行くから、みんなで計画を立てよう」とエースらしい発言をするまでになった。

敢闘賞 クイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)

敢闘賞を獲得したクィン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)敢闘賞を獲得したクィン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード) photo:Makoto AYANO
理想的な形ではなかったものの、表彰台に立つことができスーパーナイスだった。今日はスタート直後から何かが起こると思っていた。勝利はできなかったもののヤスパー(ストゥイヴェン)も動いていたので、僕も飛び出したんだ。ツールのレース先頭を走るんだ。ひたすら踏み続けなければならなかった。

今大会は勝利に届かなかったものの、マッズ(ピーダスン)で1勝を挙げることができた。良いツールとなった。また戻ってくるよ。

2020年に亡くなった元チーム監督のニコラ・ポルタルへメッセージを贈るゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)

レースを走っていてニコを思い出さない日はない。今日は彼に特別な賛辞を贈ることができた。寂しいよ。今回のツールもきっと楽しんでくれているはずだ。

text:Sotaro.Arakawa

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