逃げ切りでラブーが1級山岳制す　ファンフルーテンは総合リード拡大に成功

平均勾配8%の1級山岳マニヴァ山頂にフィニッシュしたジロ・ドンネ7日目に、ジュリエット・ラブー（フランス、チームDSM）が逃げ切り勝利。区間2位のアネミエク・ファンフルーテン（オランダ、モビスター）は、ボーナスタイムを加算してライバルとの差を拡げている。

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マリアローザを着て山岳3連戦に臨むアネミエク・ファンフルーテン（オランダ、モビスター） photo:CorVos
ジロ・デ・イタリア・ドンネ2022第7ステージ コースプロフィール Image:Giro Donneスプリンターによる戦いから、レースは険しい山岳の待つアルプス3連戦へ。第33回ジロ・デ・イタリア・ドンネ（ワールドツアー）第7ステージの舞台はプレヴァッレを出発して、1級山岳マニヴァ峠（距離10km/平均8.1%）に登る112.9km。これ以上ないシンプルな山岳フィニッシュステージだ。

前日勝者マリアンヌ・フォス（オランダ、ユンボ・ヴィス）が7月24日開幕のツール・ド・フランス・ファムを見据えレースを去ったこの日、今年のブエルタ・ア・ブルゴス フェミナスで総合優勝したジュリエット・ラブー（フランス、チームDSM）を含む14名が逃げた。一方でプロトンのコントロールを担ったのはマリアローザを有するモビスター。最大9分のアドバンテージを許しながらアルプスの山岳地帯へと入っていった。

レース序盤から逃げ集団を形成した14名 photo:CorVos
1級山岳に先頭で突入したアマリー・ルトロ（ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム） photo:CorVos
1級山岳マニヴァ峠（距離10km/平均8.1%）に先頭で突入したのは逃げ集団から飛び出したアマリー・ルトロ（ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム）。しかし5名まで人数が減った逃げ集団がルトロを捉えると、ラブーが1人ペースを上げてジョージャ・ウィリアムズ（ニュージーランド、バイクエクスチェンジ・ジェイコ）ら振り落とし、残り7.5km地点で早くも単独走が始まった。

平均8％を超える勾配でも淡々と踏み続けたラブーはそのまま先頭でフィニッシュラインに到達。23歳ながらもプロ6年目の若きフレンチクライマーが、1級山岳を制して自身初のジロ・ドンネ区間優勝を掴み取った。

「とても厳しい登りだった。（メイン集団との）タイム差が一気に縮まったので少し恐怖を感じながら麓から全力で登った。集団の中で自分が一番強いだろうと分かったので自分のペースを守るよう心がけた。このあとのステージでも勝利を狙いたい。ただ今日はこの勝利を心から喜びたい」とラブーは語った。

一定のペースで登坂するジュリエット・ラブー（フランス、チームDSM） photo:Team DSM
逃げ切りでジロ・ドンネ初勝利を掴んだジュリエット・ラブー（フランス、チームDSM） photo:CorVos
一方、逃げグループから2分30秒遅れで登坂に入ったメイン集団は総合3位マルタ・カヴァッリ（イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ）のためにデンマーク王者のセシリーウトラップ・ルドヴィグがペースを作る。そして総合2位マビ・ガルシア（スペイン、UAEチームADQ）のアタックにより総合勢の戦いが幕を開けると、続いてアネミエク・ファンフルーテン（オランダ、モビスター）が加速した。

一時はカヴァッリを含む3名による集団が形成されるものの、牽制により遅れたエリーザ・ロンゴボルギーニ（イタリア、トレック・セガフレード）などが合流。残り400mでファンフルーテンが2度目のアタックを成功させると、トップから1分37秒遅れのステージ2位でフィニッシュした。

その結果ファンフルーテンはボーナスタイム-6秒を獲得。ファンフルーテンは区間3位でフィニッシュしたガルシアとの差を31秒差まで拡げ、この日も自身3度目のマリアローザ獲得に向けて一歩前進した。

メイン集団はセシリーウトラップ・ルドヴィグ（デンマーク、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ）がペースメイク photo:CorVos
ライバルに秒差をつけ総合優勝を引き寄せたアネミエク・ファンフルーテン（オランダ、モビスター） photo:CorVos
表彰台に上がったジュリエット・ラブー（フランス、チームDSM） photo:CorVos