6月11日に栃木県栃木市の「わたらせサイクルパーク」で開催された第1回わたらせクリテリウムで女子QリーグとジュニアNリーグの第3戦が開催され、各リーダーが決まった。主催者からのレポートで紹介する。



わたらせサイクルパークで女子リーグ"Qリーグ"と中学生リーグ"Nリーグ"のレースを開催

スタート前の練習走行サポートは豪華ゲストライダー達 スタート前の練習走行サポートは豪華ゲストライダー達 photo:QNリーグ事務局
先月の6月11日(土)、栃木県栃木市の藤岡渡良瀬運動公園のわたらせサイクルパークにて「第1回わたらせクリテリウム」が開催された。この大会は5月にオープンしたばかりの複合型自転車施設「わたらせサイクルパーク」での初開催レース。日頃から栃木県内において自転車普及やジュニア育成にも尽力する宇都宮ブリッツェンが管理・運営をおこなう同パークでの開催ということもあり、大会への期待が非常に高いことを会場で感じる。

レースコースが設定された箇所の隣では、地元の美味しいグルメが味わえるケータリングも展開しており、レースの合間もゆっくり楽しめる。ただ、わたらせサイクルパークの目玉の1つであるパンプトラック走行が、今大会中は使用禁止で利用出来ないのは残念。多分、朝からの雨予報か公園管理の都合だとは思うが、せっかくレースを観に来たついでに走りたいとか、レースコースが走れないから代わりにちょっとパンプ走ろうかな?というのもあるかも知れない。ケータリングの車が、ちょうどパンプトラックのある箇所だったこともあり、レース開催時も複合的な使い方が出来ると楽しいかも、と考えた。

キッズレースのスタート前キッズレースのスタート前 photo:QNリーグ事務局
一番心配していた天候は、梅雨時の最中にもかかわらず、レーススタートから最後の表彰式終了まで雨が降らなかった。これでコーナーの多いクリテリウムレースは大きな懸念材料が減るし、多く来場した観客の皆さんも動きやすかったようだ。

さて今大会のレースのクラス分けは、特にジュニアを細かく設定している。折角なので、以下に判りやすく書き出してみたいと思う。ちなみに1周は今回、1.1kmで設定されているが、このパーク内コースは大会によってコース取りを変更することで距離を調整することが出来るようだ。

エスポワール A(8周)定員30名・中学2〜3年生の男女
エスポワール B(8周)定員30名・小学6年生と中学1年生の男女
エスポワール C((4周)定員30名・小学4〜5年生の男女
キッズ(1周)定員30名・小学1〜3年生の男女

女子ビギナーとスポーツのスタート前、手前よりリーグ登録の岡本、山田女子ビギナーとスポーツのスタート前、手前よりリーグ登録の岡本、山田 photo:QNリーグ事務局
この年齢分けについてお節介な解説をつけるとすると、UCIの年齢区分「U17」「U15」に準じたクラス分けとなっている。ただ、UCIのルールのままで照らし合わせてしまうと各年の1月1日から12月31日切りという判りにくい区分なので、それを日本の学校学年で分けているのは良い工夫になっていると思う。一方で他のレースでは中学生、高校生と分けているケースが多いので、そのような大会との上手な差別化が見せられるかどうかが肝になると思う。

上記のようなクラス分けと併せて、ジュニアが単独レースとして開催されているというのが最大の注目ポイント。これは弊QNリーグ提携大会では率先して実施していただいているが、もっと他のレースでも広がってほしい動きである。

女子レースについても、以下のようなクラス分けで工夫。なお女子レースについても、女子全体のエントリー数が少なかったとはいえ、スポーツとビギナーの同時出走で単独レースとして開催された。

女子スポーツ(8周)・高校生以上の女子
※エントリー条件はロードバイク歴3年以上の方か自転車レースイベントに3回以上参加経験のある方

女子ビギナー(6周)・高校生以上の女子
※エントリー条件は自転車レースイベントへの参加が3回未満の方

女子レーススタート女子レーススタート photo:QNリーグ事務局
ほか各レースは、集団走行のトレーニングとして1〜2周の練習走行後に一旦停止してから正式スタートとし、その練習走行ではゲストライダー達が伴走し集団走行のアドバイスを行うなど、初レース参戦からベテラン勢まで様々な参加ライダーをカバーできるような工夫を凝らしていた。

そして、このようなジュニアや女子へも理解の高い宇都宮ブリッツェンとQNリーグは今年度から提携協力し、今大会からリーグ対象レース結果を基にポイントランキングに反映するシリーズ戦レースとすることに同意した。そのためリーグ登録選手達は結果に基づくランキングを競い、ポイントリーダーはその証であるQリーグ「アメジストジャージ」、Nリーグ「バトルマリンジャージ」を手にすることが出来る。

ゴールスプリントを競り勝った岡本はゴール後にインタビューゴールスプリントを競り勝った岡本はゴール後にインタビュー photo:QNリーグ事務局
レースは朝9時のコース試走を経て、9時40分よりレーススケジュールがスタート。昼前に女子のスポーツとビギナーを同時出走としたレースがスタートした。高校生以上女子Qリーグは女子スポーツが対象レース。

昨年まで中学生でNリーグ・中学生女子NWの年間ポイントリーダーとして活躍した岡本彩那(ブラウブリッツェン)が、今年より高校生となりQリーグ所属し最初のリーグシリーズ戦への参戦。更に、Team一匹狼の山田菜月も初リーグ参戦。そんなメンバーの一騎打ちとなったレースは、周回数違いの女子ビギナーのトップ選手と3人でローテーションし周回を重ねる。6周でゴールとなった女子ビギナー優勝選手が離脱した後も、お互いに譲らず、そのまま最終周回へ。最後に思い切って飛び出した岡本が、後を追う山田を振り切りゴール!女子スポーツ優勝とともにQリーグポイントリーダーの証である「アメジストジャージ」に初めて袖を通すこととなった。

念願の Q リーグポイントリーダーの証「アメジストジャージ」へ袖を通す岡本 念願の Q リーグポイントリーダーの証「アメジストジャージ」へ袖を通す岡本 photo:QNリーグ事務局
ゲストライダーによるプレゼンターを囲み記念撮影に応じる Q リーグポイントリーダー岡本ゲストライダーによるプレゼンターを囲み記念撮影に応じる Q リーグポイントリーダー岡本 photo:QNリーグ事務局
この女子レースの後におこなわれたキッズレース直後に午前開催レースの各クラス別表彰式となり、その女子レース表彰後のQリーグポイントリーダー授与式で岡本が表彰ステージに登壇。「高校生になって、またいろいろチャレンジしながら走りたい。実業団レースでも頑張りながらQリーグのポイントリーダーを守りたい 」とコメント。ゲストの宇都宮ブリッツェン⻄村選手からリーダージャージを着せてもらい、安堵の笑顔を見せていた。

午後からはエスポワールを中心にジュニアレースの各クラスがスタート。先ずはエスポワール Cの小学4〜5年生の男女からスタート。その後に中学生男女の N リーグ対象となるエスポワールBの小学6年生と中学1年生の男女。こちらはリーグからのエントリーは無し。

エスポワールの各スタート前アドバイスにはブリッツェン☆ステラの鈴木真理コーチが登場 エスポワールの各スタート前アドバイスにはブリッツェン☆ステラの鈴木真理コーチが登場 photo:QNリーグ事務局
エスポワールBのスタート、ジュニアの各クラスは定員ほぼいっぱいのエントリー エスポワールBのスタート、ジュニアの各クラスは定員ほぼいっぱいのエントリー photo:QNリーグ事務局
そしてエスポワールAの中学2〜3年生男女がスタートした。こちらは男女一緒のレースとなるので、どうしても女子が男子トップでゴールする選手に追いつくのが難しいが、トップゴールまで周回をカウントし順位反映されるので、中学生男子のNと中学生女子NWの対象レースとさせていただいた。

更に、Nリーグについては、1年生の「エスポワールB」と2・3年生の「エスポワールA」2つに分かれるが、それぞれのレース完走者にリーグポイントを付与するシステムとしたので、是非とも中学生1年選手は今大会シリーズでポイントを稼ぐチャンスとしてエントリーを検討してほしい。

エスポワールAのスタート前エスポワールAのスタート前 photo:QNリーグ事務局
さて、エスポワールAの中学生2年と3年のレースは23名のエントリー。綺麗に正式スタートした後、何度も積極的なアタックが飛び出し、ちょうど昼過ぎで増えてきた観客が一気に盛り上がる展開!コーナーを利用して後続の選手の動きをチェックしたり、ライン取りも綺麗で若々しい走りが更に加速する。

そんな中、大会ホストチームと言ってもよいと思われるブラウ・ブリッツェンの選手たちがキビキビと動きまわる。後半は先頭集団が4名にまで絞られてブラウ・ブリッツェンの柴田渓佑と工藤健太、MZTの水谷悠平、COW GUMMA の本田一貴のゴールスプリントへ。そのスプリントを制したのはシクロクロスでも活躍する水谷選手となった。僅差で2位となったブラウ柴田選手に続き、3位に入ったチームメイトの工藤選手がNリーグ登録内ではトップとなり28ポイントを獲得した。

エスポワールAの綺麗なスタートエスポワールAの綺麗なスタート photo:QNリーグ事務局
ゴールはスプリントとなり水谷が僅差で勝利ゴールはスプリントとなり水谷が僅差で勝利 photo:QNリーグ事務局
そして工藤選手は前回のリーグシリーズ戦「春のしもふさクリテリウム」には出場していなかったため、Nリーグ中学生男子Nの最新ポイントリーダーには前回リーグ戦でリーグ内2位、今大会でリーグ内4位で32ポイントを獲得したチームBMレーシング宮嵜博己がバトルマリンジャージに初めて袖を通した。

表彰式では少し緊張した面持ちではあったが「このジャージを着て気持ちが新たになった。今後のリーグ戦でも良い結果が取れるように、もっと練習する」と力強いコメントをしてくれた。

リーグ協賛各社からの豪華副賞をゲストから受け取る N リーグポイントリーダー宮嵜 リーグ協賛各社からの豪華副賞をゲストから受け取る N リーグポイントリーダー宮嵜 photo:QNリーグ事務局
中学生男子に混ざりエスポワールAに出走した大矢中学生男子に混ざりエスポワールAに出走した大矢 photo:QNリーグ事務局 前回大会からバトルマリンジャージを守った大矢前回大会からバトルマリンジャージを守った大矢 photo:QNリーグ事務局

左からQリーグポイントリーダーの岡本彩那(ブラウブリッツェン)、Nリーグポイントリーダー宮嵜博己(チームBMレーシング)、NWリーグポイントリーダーの大矢彩雲(ブラウブリッツェン U15)左からQリーグポイントリーダーの岡本彩那(ブラウブリッツェン)、Nリーグポイントリーダー宮嵜博己(チームBMレーシング)、NWリーグポイントリーダーの大矢彩雲(ブラウブリッツェン U15) photo:QNリーグ事務局
Nリーグの中学生女子NWポイントリーダーは、前回に続き大矢彩雲(ブラウブリッツェン U15)が防衛した。今レースではエスポワールAの中学生男子に混ざり唯一の女子参戦となったこともあり、ポイントリーダー授与式では「少しでも⻑い時間、男子選手たちについていって走りたかった。もっと練習してスピードをつけたい」と悔しそうな表情であったが、先を見据えていた。今後ポイントリーダージャージのチカラで、次回以降も男子に負けないチカラをレースで発揮することを期待している。

今回のゲストライダーは地元・宇都宮ブリツェン所属の西村大輝、そしてキナンレーシングチーム所属の中島康晴が朝から会場入りし、レース解説やニュートラル走行でのアドバイス、表彰式のプレゼンターなどお互いに八面六臂の活躍で大会を盛り上げていた。

レース中も地元で練習中の宇都宮ブリッツェンライダーが次々と登場 レース中も地元で練習中の宇都宮ブリッツェンライダーが次々と登場 photo:QNリーグ事務局
レース MC のブリッツェンラバーYUU ⽒とともに、解説を務めた宇都宮ブリッツェン⻄村レース MC のブリッツェンラバーYUU ⽒とともに、解説を務めた宇都宮ブリッツェン⻄村 photo:QNリーグ事務局 レース副賞も豪華! こちらも次回のお楽しみに! レース副賞も豪華! こちらも次回のお楽しみに! photo:QNリーグ事務局

QNリーグとしてはポイントリーダー授与式でもゲストライダーのお二方にプレゼンターを務めていただき、この場をお借りして御礼申し上げたい。ほかにも多くの宇都宮ブリッツェン所属ライダー達が会場に足を運び、大いに会場を沸かせた。

また、QNリーグシリーズ戦は今後、7/23(土)に千葉県・袖ヶ浦フォレストレースウェイにて開催の「そでがうらサマーサイクルロードフェスタ」で第4戦が、小坂光と小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)の両名がゲスト参加を予定する7/30(土)の第2回わたらせクリテリウムでは第5戦が開催される。日程など詳しい情報は QNリーグHP内の紹介ページを参照してほしい。

レポートは主催者より
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