2日連続で集団スプリントに持ち込まれたジロ・ドンネ3日目。前日にエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)に破れたマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス)が勝利し、ジロ・ドンネの通算勝利数を31に伸ばした。



マリアローザで母国レースを走る前日勝者のエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)マリアローザで母国レースを走る前日勝者のエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:Trek - Segafredo
開幕から3日間に渡って行われたサルデーニャ島でのレースも最終日。移動日を挟んで翌々日からイタリア本土に舞台を移す女子ステージレース最高峰のジロ・デ・イタリア・ドンネ(ワールドツアー)第3ステージは、カーラ・ゴノネからオルビアまで沿岸沿いを北上する113.4kmの平坦路で争われた。

前日勝者かつ母国でマリアローザを着るエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)を先頭にスタートを切った135名の選手たち。気温31度と夏空の下レース序盤からイタリア人2名+チェコ人1名が飛び出すと、これをイタリア勢を中心とした8名の集団が追いかける展開に。そしてその2つの集団に対しリーダージャージのトレック・セガフレードがメイン集団をコントロールした。

プロトンのコントロールを担ったトレック・セガフレードプロトンのコントロールを担ったトレック・セガフレード photo:Trek - Segafredo
前日のスプリントで競り負けたマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス)前日のスプリントで競り負けたマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス) photo:CorVos
終始向かい風が選手たち、特に逃げ集団の走りを阻んだ影響でプロトンは難なく逃げグループを次々と吸収していく。スプリンターチームが集団前方に選手を集め始めた残り16km地点で逃げを全て飲み込むと、オルビアの市街地に入り2日連続の集団スプリントが幕開けた。

総合優勝を狙うアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)の危険回避のためモビスターが先頭で残り1kmバナーを通過すると、トレック・セガフレードが隊列を組み最終ストレートに突入する。その最後尾で控えるバルサモの後ろから、マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス)が前日の焼き直しのようなアーリースプリントを開始した。

しかし前日と異なっていたのはそのままフォスがバルサモを寄せ付けず勝利したこと。また2人の戦いにフォスの背後から前日3位だったシャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)が飛び出し、勝利は逃したものの2位に入った。

再びマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス)とエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)によるスプリントに再びマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス)とエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)によるスプリントに photo:CorVos
ジロ・ドンネ通算31勝目を挙げたマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス)ジロ・ドンネ通算31勝目を挙げたマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス) photo:Team Jumbo-Visma
表彰台で勝利を喜ぶマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス)表彰台で勝利を喜ぶマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス) photo:CorVos
今季チーム5勝目、そしてジロ・ドンネで自身通算31勝目を飾ったフォス。「昨日の2位を上回るべく今日も挑むことにした。それが上手くいって本当に嬉しい。コーナーでの位置取りが難しかったものの、ロミー(カスパー)が残り1kmまで良い位置まで運んでくれた。この勝利を噛み締め、明後日以降のレースで何ができるか考えたい」と35歳のベテランはコメントしている。

翌日はイタリア本土のチェゼーナに向けて移動する休息日。そして7月4日(月)からはカテゴリー山岳が登場する丘陵や山岳ステージでようやく総合争いが本格化する。
ジロ・デ・イタリア・ドンネ2022第3ステージ
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス) 2:48:22
2位 シャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)
3位 エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)
4位 ラケーレ・バルビエーリ(イタリア、リブレーシング・エクストラ)
5位 ソフィア・ベルティツォーロ(イタリア、UAEチームADQ)
6位 ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)
7位 エマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター)
8位 シルヴィア・ザナルディ(イタリア、ビーピンク)
9位 ジョージア・ベイカー(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
10位 キアラ・コンソンニ(イタリア、バルカー・トラベル&サービス)
個人総合成績
1位 エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) 5:33:12
2位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス) 0:06
3位 ジョージア・ベイカー(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) 0:12
4位 クリステン・フォークナー(アメリカ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) 0:14
5位 ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)
6位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) 0:17
7位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) 0:18
8位 シャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM) 0:19
9位 エマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター) 0:20
10位 ルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード) 0:24
その他の特別賞
ポイント賞 エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)
ヤングライダー賞 エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)
山岳賞 フランツィスカ・ブラウーセ(ドイツ、セラティツィット・WNTプロサイクリング)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos