アルプスを舞台にした山岳ワンデーレースでヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック)が勝利。マイケル・ウッズ(カナダ)が2位に入り、イスラエルがワンツーフィニッシュに成功している。



独走でフィニッシュするヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック)独走でフィニッシュするヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック) (c)Israel – Premier Tech
ジロ・デ・イタリア閉幕から2日、南フランスはプロヴァンス地方にあるアルプ・マリティーム県を舞台にしたワンデーレース「メルカントゥールクラシック・アルプ・マリティーム(UCI1.1)」が開催。アルプス山脈を登る開催2回目の山岳レースであり、1級、超級、そして1級と巨大な峠道が連なることが特徴だ。

今年は他に同日開催のプロレースがなかったこともあり、フランス勢を筆頭に6つのUCIワールドチームが参加した。グルパマFDJはティボー・ピノとダヴィ・ゴデュ(共にフランス)を、イスラエル・プレミアテックはヤコブ・フルサン(デンマーク)やクリス・フルーム(イギリス)を、コフィディスはヨン・イサギレやヘスス・エラダ(共にスペイン)をラインナップ。獲得標高4,700m越えの山岳コースでツール・ド・フランスに向けて感触を確かめた。

ラリー・ワーバス(アメリカ、AG2Rシトロエン)たちがエスケープし、メイン集団では昨年優勝したコフィディスや、豊富な戦力を誇るグルパマFDJがコントロール。登坂距離15km超の超級山岳コル・ド・ラ・クイロール(平均7.3%)では普段グルパマの育成チームに所属する僅か18歳のレニー・マルティネス(フランス)がメイン集団を急速に絞り込んだ。

昨年のヨーロッパ選手権ジュニアレースで3位に入ったマルティネスが作るハイペースに耐えたのはたった14名。逃げを捉えてクイロール頂上を通過し、長いダウンヒルとアップダウン区間を経て最後の1級山岳コル・ドゥ・ヴァルベール(登坂距離12.4km/7.2%)へと突入した。

セバスティアン・ライヒェンバッハ(スイス、グルパマFDJ)の牽引によって9名まで減り、残り7km地点でゴデュが仕掛け、そのカウンターでマイケル・ウッズ(カナダ)が加速。さらにフルサンが仕掛けるとウッズの存在も加わってゴデュやエラダはお見合いに。こうしてフィニッシュまで6kmを残し、フルサンの独走が始まった。

快調にペースを刻むフルサンの背後ではゴデュとウッズが追走グループを作ったものの、フルサンは15秒という決して大きくない差を維持し、徐々に広げ、そのままフィニッシュ。後続グループではウッズがスプリントで先着し、イスラエルがワンツーフィニッシュを決めている。

メルカントゥールクラシック・アルプ・マリティーム2022表彰台メルカントゥールクラシック・アルプ・マリティーム2022表彰台 (c)Équipe Cycliste Groupama-FDJ
レースを作った18歳のレニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ)には敢闘賞が贈られたレースを作った18歳のレニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ)には敢闘賞が贈られた (c)Équipe Cycliste Groupama-FDJ
「強いチームメイトが揃っていたし、今日レースを走ることができて嬉しいよ。シーズン序盤戦はあまり上手くいかず苦しかったけれど、今日勝つことができてプレッシャーから解放された。とても嬉しいよ」とフルサンは言う。モナコに拠点を置く37歳のベテランクライマーがツールに向けて弾みをつけている。
メルカントゥールクラシック・アルプ・マリティーム2022結果
1位 ヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック) 4:50:34
2位 マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック) +0:31
3位 ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) +0:34
4位 ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) +1:05
5位 ステフ・クラス(ベルギー、ロット・スーダル) +1:07
text:So.Isobe