Jプロツアー第2戦・第3戦となる「西日本ロードクラシック広島大会」が、広島県中央森林公園で開幕。初日のDay1は61.5kmの短距離レースで行われ、終盤独走に持ち込んだ小林海が優勝。2位にレオネル・キンテロが入り、マトリックスパワータグが1-2フィニッシュで他を圧倒した。女子は高校生の垣田真穂(松山学院高等学校自転車競技部)が、植竹海貴(Y's Road)をスプリントで下す大金星を挙げた。



青空の下、Jプロツアーがスタート青空の下、Jプロツアーがスタート photo:Saotru Kato
開幕戦からおよそ半月のインターバルを経てのJプロツアー第2戦は、「西日本ロードクラシック広島大会」。昨年10月に開催された全日本選手権ロードレースと同じ、広島県中央森林公園のサイクリングコースを使用してのレースだ。

全日本選手権の時と違うのは、広島空港の拡張工事のためにコースの一部が狭められていること。具体的には、スタート直後の左コーナー手前から下りに入るまでの区間が、従来のおよそ半分の幅となっている。このため、スタート直後の混乱を避けるために、Jプロツアーを含む全てのクラスタでローリングスタートとされた。

広島空港の拡張工事のため、コースの一部は幅が狭められている広島空港の拡張工事のため、コースの一部は幅が狭められている photo:Saotru Kato
前日の雨まじりの天気から一転し、朝から青空が広がる1日。しかし冷たい強めの風が吹き続け、最高気温は20℃前後まで上昇するという予報に反して16℃前後までしか上がらず、寒さを感じる中でのレースとなった。



小林海が開幕2連勝 マトリックスパワータグ1-2フィニッシュ

フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が集団先頭でペースを上げていくフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が集団先頭でペースを上げていく photo:Saotru Kato
Jプロツアーは1周12.3kmのコースを5周する61.5kmの短距離レース。リアルスタート直後からフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が集団先頭でペースを上げていき、2周目のラップタイムは16分30秒台というハイペースで周回する。この動きで、リーダージャージを着る小林海、レオネル・キンテロ(以上マトリックスパワータグ)、沢田時、松田祥位(以上チームブリヂストンサイクリング)、横山航太(シマノレーシング)、入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)らを含む14名の先頭集団が形成される。

リーダージャージの小林海(マトリックスパワータグ)を含む集団が先行リーダージャージの小林海(マトリックスパワータグ)を含む集団が先行 photo:Saotru Kato
メイン集団は愛三工業レーシングチームがコントロールするが・・・メイン集団は愛三工業レーシングチームがコントロールするが・・・ photo:Saotru Kato
メイン集団は愛三工業レーシングチームがコントロールに入るも、3周目を終えた時点で先頭集団との差は約2分まで広がり、逃げ切りが確定的となる。

残り2周 小林海とレオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)の2人が先行していく残り2周 小林海とレオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)の2人が先行していく photo:Saotru Kato

残り2周となる4周目、登り区間で小林がペースアップ。キンテロが続くが、その後ろに続く者がいない。「ペースを上げたら後ろが離れてしまったので、そのまま行こうと思った」と言う小林は、キンテロを連れて後続との差を広げていく。このままキンテロと2人で最後まで行くのかと思われたが、小林はキンテロを切り離して独走。そのままフィニッシュまで逃げ切って開幕2連勝を決めた。キンテロが2位に入ってマトリックスパワータグがワン・ツーフィニッシュを達成し、再びマトリックスパワータグが他を圧倒した。

小林海(マトリックスパワータグ)が開幕2連勝小林海(マトリックスパワータグ)が開幕2連勝 photo:Saotru Kato
レオネル・キンテロが2位となってマトリックスパワータグが1-2フィニッシュレオネル・キンテロが2位となってマトリックスパワータグが1-2フィニッシュ photo:Saotru Kato表彰式 表彰式  photo:Saotru Kato

小林海 コメント
「このコースならスプリントになる可能性もあるので、今日はレオ(レオネル・キンテロ)で行く作戦だった。先頭に僕とレオの2人が乗って、予想外に早く2人だけになったので、その時もこのまま行ってレオで勝てればと考えていたけれど、レオがキツいと言うことだったので1人で行くことにした。

最終周でもっとペースアップして人数を絞るつもりだったけれど、その前段階のペースアップで全員チギれてしまったので、もう1周待てば良かったなと(笑)。でも僕らのレベルが一段も二段も高かったということだと思う。僕個人は短距離のレースは苦手なので、こういう形で勝てて嬉しい。

明日は長距離なので、その方が僕ら向きのレース。チームの誰かが確実に勝てるようにしたい。シーズン序盤なので、このリーダージャージはあまり気にせず、勝ちを重ねられるようにしたい」
西日本ロードクラシック広島大会 Day-1 結果(61.5km)
1位 小林 海(マトリックスパワータグ) 1時間27分45秒
2位 レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ) +41秒
3位 松田祥位(チームブリヂストンサイクリング) +42秒
4位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) +43秒
5位 金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)
6位 大町健斗(備後しなまみeNShare) +44秒


女子 垣田真穂が植竹海貴を下す大金星

フェンストンネルを進む女子の集団フェンストンネルを進む女子の集団 photo:Saotru Kato
女子のレースは6周73.8km。レース中盤までにおよそ半数まで絞られた集団から、垣田真穂(松山学院高等学校自転車競技部)がアタック。全日本チャンピオンジャージを着る植竹海貴(Y's Road)が追従し、後続との差を広げていく。

女子 最終周回の登りでアタックする植竹海貴(Y's Road)女子 最終周回の登りでアタックする植竹海貴(Y's Road) photo:Saotru Kato
残り2周となる5周目、展望所へ向かう登りで植竹がアタック。垣田は遅れるものの、その後の下りで植竹に追いつく。最終周回でも植竹が再びアタック。登り始めから長い距離を使って垣田を大きく引き離す。しかし垣田も再び追いつき、勝負は最後のスプリントへ。

残り100m、先に仕掛けた植竹を垣田が追ってスプリント開始。フィニッシュライン上僅差で垣田が差し切り、大金星を挙げた。

女子 フィニッシュライン上僅差で先着したのは垣田真穂(松山学院高等学校自転車競技部 写真左)女子 フィニッシュライン上僅差で先着したのは垣田真穂(松山学院高等学校自転車競技部 写真左) photo:Saotru Kato
女子 表彰式女子 表彰式 photo:Saotru Katoフェミニンリーダージャージは植竹海貴(Y's Road)が奪回フェミニンリーダージャージは植竹海貴(Y's Road)が奪回 photo:Saotru Kato

2020年には同じ広島のコースで唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)を下して優勝している垣田にとって2年ぶり2勝目。それでも「このコースは得意ではない」と言う。

「最近はトラック種目に力を入れているのでロードはあまり走れてなくて、登りが思うように走れないので不安だったけれど、平坦は得意なので追いつくことが出来た。スプリントはジュニアギアだけどちょうど良かった。今年の目標は、インターハイの2km個人追い抜きで誰にも超えられない日本記録を出したい」
女子 結果(73.8km)
1位 垣田真穂(松山学院高等学校自転車競技部) 2時間7分2秒
2位 植竹海貴(Y's Road) +0秒
3位 牧瀬 翼(WINGS PLUS) +2分59秒


E1優勝 前田凌輔(ORCA CYCLING TEAM)E1優勝 前田凌輔(ORCA CYCLING TEAM) photo:Saotru KatoE1 表彰式E1 表彰式 photo:Saotru Kato

E2 表彰式E2 表彰式 photo:Saotru KatoE3 表彰式E3 表彰式 photo:Saotru Kato



text&photo:Satoru Kato
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