「今回が最も力の配分に成功したのロンドだった。このために重ねた努力が実って嬉しい」と語るのは、自身2度目のロンド制覇を遂げたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)。2位のファンバーレや、カムバックを宣言したポガチャルたちのコメントを紹介します。



1位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)

4名によるスプリントを制したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)4名によるスプリントを制したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) photo:CorVos
このために努力を積み重ねてきたんだ。素晴らしいの一言に尽きる。そもそも(怪我のため)クラシックに間に合うかも分からない状態だった。しかしドワーズ・ドール・フラーンデレンで勝利を挙げ、このロンド・ファン・フラーンデレンでも優勝することができた。本当に素晴らしい。

今回が最も力の配分が上手く行ったロンドになった。オウデ・クワレモントとパテルベルグで強さを見せたポガチャルに必死で食らいつき、頂上で脚は限界を越え、スプリントができる状態まで回復するのに数kmを要した。今日のポガチャルは強く、彼と一緒に表彰台に上げれなかったことが少し残念だ。

一騎打ちスプリントになれば牽制し合うのは当然だ。それを僕はここで3年連続経験している。いつも騙し合いが繰り広げられるんだ。ラスト1kmから後ろに選手がいる状態で100%のスプリントをする選手なんていない。ストレスや緊張などは一切なく、ただ自分のスプリントに集中していた。冷静に適切なタイミングで腰を上げることだけを考えていた。

パリ〜ルーベに向けて準備をする前に、この勝利を噛み締めたい。ここに来るまでの道のりは、想像を絶するものだった。まずは僕をここまで導いてくれた周りの人たちに感謝して、一緒に勝利を喜びたい。

2位 ディラン・ファンバーレ(オランダ、イネオス・グレナディアーズ)

スプリントでマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)に敗れたディラン・ファンバーレ(オランダ、イネオス・グレナディアーズ)スプリントでマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)に敗れたディラン・ファンバーレ(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
優勝を争うスプリントに自分が加わるとは思ってもいなかった。270kmを走った後でも良いスプリントができる自信はあった。3位争いのスプリントのはずが、先頭に追いつき優勝争いになるとは驚いたよ。最後はすべてが高速で展開し、マチューのスピードが頭一つ抜けていた。

メイン集団で控えるトム(ピドコック)とベン(ターナー)、ジョナタン・ナルバエスのためにも、アタックに反応して先頭集団に入ることを意識していた。世界選手権に次ぐロンドで2位だ。悪くない結果だよ。

3位 ヴァランタン・マデュアス(フランス、グルパマFDJ)

3位で表彰台に上がったヴァランタン・マデュアス(フランス、グルパマFDJ)3位で表彰台に上がったヴァランタン・マデュアス(フランス、グルパマFDJ) photo:CorVos
モニュメントの表彰台という結果は素晴らしい。このレベルの戦いに初めて加わることができた。勝利には届かなかったものの、選手人生で最高の日となった。そして表彰台に上がると、当然更に高みを見てみたくなるものだ。

4位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

2度目のオウデ・クワレモントでアタックし、先行グループを抜き去るタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)2度目のオウデ・クワレモントでアタックし、先行グループを抜き去るタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
素晴らしいレースで、素晴らしい経験ができた。チームのサポートは完璧で、そのおかげでファンデルプールと2人で飛び出すことができた。観客の雰囲気も最高で、特にオウデ・クワレモントでは声援に鳥肌が立ったぐらいだ。

一騎打ちのスプリントに持ち込むことができず残念だが、自転車レースではよくあることだ。スプリントではコースを塞がれてしまった。特定の誰かではなく、自分自身に苛立ちを感じている。

オウデ・クワレモントでアタックする作戦は、追い風を感じた前日の試走の時に思いついたんだ。コースの中で最も厳しく長い、まるで壁のような急坂だ。全力でアタックするのにあそこ以上に適した場所はなかった。パテルベルグでも全力で踏み込んだのだが、マチューを引き離すことはできなかった。今日は彼が間違いなく1番強かったよ。

またここに戻ってくるかって?そのつもりだよ。

5位 シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)

終盤まで先頭集団に人数を残したグルパマFDJのシュテファン・キュング(スイス)終盤まで先頭集団に人数を残したグルパマFDJのシュテファン・キュング(スイス) photo:CorVos
昨日の作戦会議で「どんなアタックにもチームから1人はついていく」と決めていた。それに加え僕は皆に「どんな状況であって前を牽く必要のない展開にしよう」と伝えた。そして僕らはその通り、アグレッシブな走りを見せた。終盤に人数を揃えることができ、アタックをマークするだけでいい完璧な展開に持ち込むことができた。だが2人(ファンデルプールとポガチャル)が飛び出し、バーレーンと共に追走したが、このまま追っても4、5位で終わると思い、先頭を引くのを止め脚を溜めだんだ。

6位 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス)

ハードなレースだったが、ようやくトップ10に入ることができた。ファンデルプールとポガチャルのアタックについていくことができず悔しいが、悪くない結果だと思う。僕とフレッドが先頭集団に入ることができ、チームとしても良い結果と言えるだろう。

7位 フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)

ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス)と共にトップ10入りを果たしたフレッド・ライト(イギリス)ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス)と共にトップ10入りを果たしたフレッド・ライト(イギリス) photo:CorVos
予想通りの展開だった。選手が絞り込まれ、選手が1人また1人と遅れていった。オウデ・クワレモントで適切な位置にいることが何よりも重要なことだった。僕はファンバーレの後ろにつくことができ、パテルベルグで後続からリードを奪うことに成功した。

最後のオウデ・クワレモントで脚がなかったことは残念だが、ベストは尽くした。モニュメントでトップ10に入れたことはスペシャルな結果と言っていいだろう。そして観客は素晴らしかった。世界最高のレースかつ、僕が走ったレースの中で最高の雰囲気だった。

9位 クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)

落車痕を残して走るクリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)落車痕を残して走るクリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
調子は良かった。だが落車の不運に見舞われ、集団復帰のために力を使わなければならなかった。落車はいつも最悪なタイミングで起こるものだ。チームは僕を集団復帰させるべく懸命に牽いてくれた。コンディションは良いので次のレースでは良い結果を掴みたい。9位という順位に満足しているし、これが最大限の結果だろう。

10位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)

終始苦しみに耐えていたと話すアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)終始苦しみに耐えていたと話すアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) photo:CorVos
今日、何度倒れそうになったことか。だが気づいたらフィニッシュまで残り200m地点にいたんだ。そこから懸命に踏み込み、10位でフィニッシュすることができた。これが今日の状態で掴める最高順位だっただろう。なぜならパンクで余計な力を使い、コッペンベルグで先頭についていくことができなかったからね。この結果には概ね満足しているよ。

23位 カスパー・アスグリーン(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル)

勝負どころで遅れ、見せ場を作れなかったカスパー・アスグリーン(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル)勝負どころで遅れ、見せ場を作れなかったカスパー・アスグリーン(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:CorVos
脚の調子はよく、仲間も良いアシストを見せてくれた。しかしコッペンベルグでポガチャルが仕掛け、ついていこうとしたがそこで力が尽きてしまった。自分に憤りを感じているよ。しかし前を向いて、次のレースに向けて切り替えたい。

text:Sotaro.Arakawa